大人の初恋

yuri

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空っぽ

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 蓮さんの車で会社に向かう。
車が走り出してから、2人とも終始無言だ。






 沈黙を破って蓮さんが話し始めた。
「俺、余計なことしたっすか?」
「そんなことないよ。ありがとう」
「何かあまりにも結奈さんが辛そうだったんで。つい」
「気にしないで。助かったから」
再び無言になる。


 気まずさに耐えきれないのか、蓮さんが再び話し始める。
「そーいえば、会社の近くの公園あるじゃないすか。そこで少しだけだけど、イルミネーションやってるらしいっすよ。見ていく?」
近くに公園があった事は知っていたが、1度も行ったことが無かった。
普段なら見に行ったが、今はそんな気分ではない。
「今日は良いかな。明日も会社だし」
と言って断る。
その話をきっかけに、蓮さんが色々クリスマスの話をしてくれた。
何を話したか、ほとんど覚えていないが沈黙が続くよりは、ずっと良かった。


 会社に着き、「また明日」と言って別れる。


 次の日も、その次の日も、仕事と家の往復をして毎日を終える。


 金曜日。
最近円安のせいか、車の売上か良いのか、部品の発注数が跳ね上がってる。その為皆、残業続きだ。
私も例外ではなく残業をしている。明日、明後日休みのため今日はかなり帰るのが遅くなりそうだ。
おば様達は残業ができなかったり、パートだったり。蓮さんは残業できるほど仕事内容は把握していない。様々な理由で事務では残業するのは私と係長だけとなった。
忙しく、大変だが今の私には、余計なことを考えなくてすむので、むしろ有難い。


 仕事に打ち込んでいると私のデスクに缶コーヒーが置かれた。
「いつもありがとうね。どうしても結奈ちゃんに負担が大きくなってしまって。でもこれからは蓮くんも入ってくれたし、少しは負担が減ると思うからもう少しの間頑張ってくれると有難い」
「いえ。係長も私が入ってくるまで1人負担が高かったんですね」
そんな話をしながら一息つく。
再び仕事に打ち込んでいると、今度は美紅が来た。
「お疲れ様」
と言って事務所に入ってきた。
「結奈ー後どれくらいかかる?」
疲れた声で尋ねる。
「あともう少しで終わるよ。10:00までには終ると思う」
「じゃあ待ってて良い?」
「いいよ」
何かあったのかなと思いながらも、仕事を終らせるのが先だと思い、そのままパソコンと向き合う。


 やっと終わった。美紅は……
来客用のソファーで寝ていた。よっぽど疲れたんだろう。
「美紅。美紅。起きて。終ったよ」
と言いながら体をする。
「おはよう」
と半分寝ぼけながら起きる。
「んーー」と言いながら体を伸ばし
「今日は結奈の家に泊まる」
と宣言をする。
「いいよ。でもその前にお腹空いたから何か買っていこ」
「そうだね」
少しだけ返事が暗いような気もしたが、時間も時間なので急いでロッカーに行き、帰る支度をする。


 外に出ると大粒の雪がしんしんと降り積もっている。


 
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