青春〜或る少年たちの物語〜

Takaya

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第二章 燃え上がる日々

第十話 爆発※微リョナ注意

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 部活動結成集会の日が終わり、週明けの月曜日の朝、香織はイライラしていた。

(あの、売女ども!)

 矛先はバレー部だ。麻耶と鈴美、真咲が露骨に香織に対して敵意を見せ始めた。麗子や、鈴飛、貴夜ですらそれにたなびいている。しかも、たちの悪いことにそれらは桃子と朱里の見えない所で繰り広げられている。麗花はどっちつかずを貫いていた。

(私の何がいけないのよ!)

 そして、香織が1番ムカついている相手は桃子だ。一緒に変えよう、だなんて約束したわりに煙草を辞める気配もなく、シャワーの時にもネチネチ小言を言ってくる。桃子に一連のことを報告すれば何か変わるかもしれないが、それは香織のプライドが許さない。

(あの口だけ女!死ね!)

 怒りのオーラを漂わせながら教室に入る。すると、貴哉と伯亜がいた。貴哉が鼻にガーゼを貼っている。

「あ、おはよー。」

 伯亜が声をかけてきた。

「....伯亜。あんたの姉ちゃんさ、どうにかなんないの?」
「えっ?」
「お局みたいになってんのよ、あの女。」
「ぼ、僕のお姉ちゃんはそんなんじゃ....」
「実際そうなのよあのブス!あんた、どうにかしなさいよ!」

 ただの八つ当たりだ。伯亜は少々怯えている。だが、それを見て香織は胸のすく思いがした。次は隣にいる貴哉に目をやる。

「貴哉、あんたの姉ちゃんもどうにかなんないの?」
「ならねぇよ。」

 貴哉が食い気味で答えた。香織は少々頭にきた。

「あ?」
「ああいう性格なんだからどうにもならねぇよ。」
「何よそれ?」
「文句あるなら桃子と麻耶に直接言えよ。」
「ね、ねぇ、貴哉くん、香織ちゃん。もうやめようよ。」

 伯亜が泣きそうになりながら2人を宥める。すると、香織が伯亜の顔を思いきり叩いた。バレー部のビンタをもろに食らった伯亜はたまらず倒れ、顔は紅葉型に赤くなっている。伯亜は泣いている。

「うぐっ....痛いよ、香織ちゃん...」
「うるさいわね!私ね、あんたみたいなの見てたらイライラしてくんの!」

 その時、香織の頭に椅子が叩きつけられそうになった。香織は持ち前の反射神経でなんとか避けたが足を滑らせて転び、教壇に頭をぶつけた。やったのは貴哉だ。

「奇遇だな、俺はお前みたいの見てたらイライラしてくるよ....」

 香織の怒りのボルテージがピークを越えた。男に殴られそうになったのは初めてだ。しかも、よりによってこんな自分でも勝てそうなチビ、よりによって麻耶の弟だ。

「野郎、ぶっ殺してやる!」

 香織は起き上がり、貴哉に殴りかかるが当たらなかった。いくら運動部とは言え、普段から人を殴らない女子の拳を避けることぐらいなら貴哉にだってできる。

 貴哉は椅子を盾に香織と向かい合う。

「このチビ!」

 ヒートアップした香織がそのまま殴りかかってきた。貴哉は椅子を盾に防ぐ。

「ぐっ!」

 香織の動きが止まる。

「えっ?」

 貴哉も何が起こったのか分からない。

「....痛いよぉ....」

 香織が両手で股を押さえてうずくまる。どうやら、盾にした椅子の脚が香織の股を刺したようだ。なんとなく貴哉も理解する。

「うぇ....痛いよぉ....ママぁ....」
「....」

 泣いている。あまりの豹変ぶりに貴哉はどうしていいのか分からない。取り敢えず椅子は置く。

「何やってんの!」

 入り口の方から声がする。麗花だ。香織の方に駆け寄る。

「香織!あんた、頭にたんごぶ出来てるわよ!」
「うるさい!」

 香織は立ち上がる。

「おい貴哉!いつか絶対お前殺す!覚えてろ!」

 そう言って教室から出て行った。麗花はそれを追いかける。それを見届けた後、貴哉は教室の隅で泣いていた伯亜のもとへ向かう。既に泣き止んでいた、というより呆然としていた。

「伯亜、大丈夫か?」
「僕はもう平気だよ。それより、貴哉くん、強くなったね。昔は麻耶姉ちゃんに泣かされてたのに。」
「うるせぇ。お前だって昔は1回泣いたらなかなか泣き止まなかったじゃねぇか。」

 2人はすっかり談笑ムードだ。その時、

「おい、何があったんだ?」

 恵弥、恭典、音也が教室に入ってきた。どうやら、香織が飛び出して行くのを見たようだ。恵弥が言う。

「まさかお前、女に手ぇ上げたんじゃねぇだろうな?」
(え、まさかこいつそういうタイプ?めんどくさっ!)

つづく

 
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