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第3話 『私は右腕ですから』 act.1
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洞窟の空気は重く、湿っていた。血と獣の臭いが鼻を突く。
ユリアス、リリゼ、ベニ、そして負傷者の四人は、この場所で一晩を過ごした。身体にこびりついた血と泥は拭いきれず、衣服の隙間から入り込んだ冷気が容赦なく体力を削る。
外はまだ薄暗い。だが、時間は貴重だった。
「……そろそろ出ましょう」
ユリアスが静かに言うと、リリゼはこくりと頷いた。ベニもまた、小さく鳴いて彼の足元に寄る。
「ふぅ……」
そのとき、横になっていた負傷者がうっすらと目を開けた。
「……意識が戻ったようですね」
リリゼが驚いたように声を上げ、ユリアスも男の顔を覗き込む。
「大丈夫ですか?」
「あぁ……なんとか……」
負傷者の男は顔をしかめながらも、ゆっくりと身を起こした。全身が痛むのか、動きはぎこちない。それでも、足を動かせるようだった。
「まだ無理はしないほうがいいですが、歩けそうですね」
「すまねぇ……助かった……」
「礼はアトレイオへ帰ってからで結構です」
ユリアスはそう言いながら、男に手を貸し、慎重に立ち上がらせた。
「ふふ、良かったです。無事に帰れそうで」
リリゼが微笑む。その表情には、戦闘時の張り詰めた空気とは違う、少し穏やかなものがあった。
「……とはいえ、まだ油断はできないですけど…。早朝ならモンスターも大人しいとはいえ、移動中に何があるかわかりません……用心してください」
ユリアスの言葉に一同は気を引き締めつつも、彼の背中の安心感で余裕を持つ。
――生物の声が聞こえる。
遠く、夜行性の捕食者たちが巣へ戻る気配。木々の間で小鳥たちがわずかに羽を震わせている。地を這う小動物の微かな囁き。
今のところ、大きな脅威はなさそうだった。
「今なら、いけます」
「了解しました」
リリゼは負傷者の腕をそっと支えた。
「ベニ、警戒を頼む」
「キュゥ」
ユリアスの足元にいた小さな相棒は、耳をピンと立て、外の気配を探るように鼻をひくつかせる。
準備は整った。
「……しかし、ユリアスさんもタフですよね。あれだけ戦って、よく平気でいられます」
「慣れです。それに、休めるときにしっかり休んでおけば、案外どうにかなるものですよ」
「そういうものですか?」
「そういうものです」
淡々とした口調で答えたユリアスに、リリゼは小さく苦笑する。
「私はまだまだですね……戦いの最中は気を張っていられるのに、終わった途端、疲れがどっと出てしまいます」
「当然です。戦闘後に気が抜けるのは、ある意味で正常な反応ですから」
「……そう言われると、少し安心します」
リリゼはほっとしたように息を吐いた。ユリアスはそんな彼女を一瞥すると、ふと静かに呟いた。
「……行きましょう」
そう言い、彼は洞窟の外へと足を踏み出した。
太陽が昇り始め、草原の朝露が陽光を受けてきらめいていた。遠くでは小さな鳥のさえずりが聞こえ、夜の静寂とは違った生命の息吹を感じさせる。
ユリアスたちは、負傷者を支えながら慎重に歩を進めていた。
「ゆっくりで大丈夫ですよ。無理に急がず、足元に気をつけてください」
リリゼが優しく声をかけながら、負傷者の肩を支える。彼は意識を取り戻し、痛みに顔を歪めながらも、自力で足を動かせるほどには回復していた。
「……すまない、世話をかける」
「気にしないでください。私たちは一緒に帰るんですから」
リリゼは微笑みながら、一歩ずつ確かめるように進んでいく。
一方で、ユリアスは少し先を歩きながら、周囲の様子を注意深く観察していた。まだ完全に安全とは言えない。ショートウルフの群れを倒したとはいえ、他の獣や、あるいは盗賊などの危険も考えられる。
しばらく進むと、小さな泉が視界に入った。
「水場ですね……ユリアスさん、少し休憩しませんか?」
「水質が安全か確認します」
ユリアスは荷物から小さな薬瓶を取り出した。それはユリアスが携帯する簡易水質検査薬だった。
膝をつき、泉の水を少しすくい、薬剤を一滴垂らす。すると、透明だった水がごくわずかに黄色みを帯びた。
「……ふむ」
「どうですか?」
「この色の変化からして、微量の有機物が含まれています。飲めないことはありませんが、念のため簡易ろ過をしましょう」
ユリアスは布を数枚重ね、さらに炭と砂を用いて即席のろ過装置を作る。泉の水をゆっくりと通すと、不純物が取り除かれ、透明度が増した。
「これで大丈夫。火を通せば、より安全です」
「さすが……未探家の知識ですね」
リリゼが感心したように言うと、ベニも「キュゥ」と誇らしげに鳴いた。
皆で交代しながら水を飲み、少しの間、体を休める。
そのとき、リリゼがふと、そばの木を見上げた。
「あれ……リンゴ?」
木の枝には赤い果実がいくつか実っていた。
「美味しそうですね」
「ですが、野生の果実は種類によっては毒を持つものもあります」
ユリアスは慎重にリンゴをもぎ取り、表皮を確認した。さらに小さなナイフで切り分け、果肉を取り出すと、匂いを嗅ぎ、舌先でごく微量を舐める。
「……大丈夫みたいだ…。ですが、念のため半分だけ食べて様子見してください」
「了解です」
リリゼが小さく頷き、負傷者にも少しだけ渡す。
噛むと、甘酸っぱい果汁が口に広がった。
「……美味しい」
リリゼの表情がほころぶ。
静かな休息の時間が流れ、束の間の安らぎが訪れた。
だが、ユリアスは常に周囲へと気を配っていた。
――ここはまだ、未探の地の入り口に過ぎない。
彼の背には、未探家としての責務が常に付き纏っていた。
水分補給と軽い休息を終え、一行は再び歩き出した。朝の陽射しが強まり、冷え切った身体を少しずつ温めていく。
ユリアスは先頭を歩きながら、意識を研ぎ澄ませる。
――地を這う虫の細かなさざめき。風に乗る鳥の短い警戒音。草陰で息を潜める獣の気配。
生物の声が、周囲の状況を克明に教えてくれる。
「少し西へ迂回しましょう」
ユリアスは足を止め、背後のリリゼと負傷者にそう告げた。
「……どうかしましたか?」
「前方の草むらに潜んでいる捕食者がいます。おそらく単体ですが、こちらの動き次第では襲われる可能性がある」
「なるほど……では、そちらへ」
リリゼは素直に従い、負傷者を支えながら慎重に歩を進める。ベニもまた、ユリアスの足元で警戒を怠らない。
静かに迂回し、距離を取ると、遠くで獣が低く唸る声が聞こえた。もし直進していれば、間違いなく鉢合わせていただろう。
「……さすがですね」
「道を選べるなら、わざわざ危険なほうに突っ込む必要はありませんから」
ユリアスは淡々と答え、そのまま歩を進めた。
次に待ち受けていたのは、地面のわずかな陥没。
「ここは足元に注意してください」
「え?」
リリゼが不思議そうに足元を覗き込む。
一見すると普通の草地に見えたが、よく見ると地面が不自然に凹んでいる。ユリアスは慎重に枝を拾い、その部分を軽く突いた。
――ずるっ。
表面の土が崩れ、思った以上に深い穴が顔を出した。
「これは……?」
「この辺りは、地下に動物の巣穴や空洞が多い場所なんです。踏み抜けば、怪我じゃ済まないこともあります」
「危なかった……」
リリゼは安堵の息を漏らし、負傷者を慎重に誘導する。
その後も、ユリアスの能力を活かしながら、獣道を避けたり、不自然に草が倒れた場所を警戒したりと、慎重に進んでいく。
そうして、約二時間半が経ったころ――
開けた丘の向こうに、見慣れた町の影が見えた。
「……アトレイオ!」
リリゼが歓喜の声を上げる。
「ようやく帰ってこられましたね……」
負傷者も安堵の表情を浮かべ、力なく微笑んだ。
ユリアスは、遠くに見える城壁をじっと見つめる。
――だが、彼は知っている。
未探の地の脅威は、ここで終わりではないことを。
だが、それでも今は。
「……帰るとしますか」
彼は小さく呟き、救護者と共にアトレイオへと歩を進めた。
ユリアス、リリゼ、ベニ、そして負傷者の四人は、この場所で一晩を過ごした。身体にこびりついた血と泥は拭いきれず、衣服の隙間から入り込んだ冷気が容赦なく体力を削る。
外はまだ薄暗い。だが、時間は貴重だった。
「……そろそろ出ましょう」
ユリアスが静かに言うと、リリゼはこくりと頷いた。ベニもまた、小さく鳴いて彼の足元に寄る。
「ふぅ……」
そのとき、横になっていた負傷者がうっすらと目を開けた。
「……意識が戻ったようですね」
リリゼが驚いたように声を上げ、ユリアスも男の顔を覗き込む。
「大丈夫ですか?」
「あぁ……なんとか……」
負傷者の男は顔をしかめながらも、ゆっくりと身を起こした。全身が痛むのか、動きはぎこちない。それでも、足を動かせるようだった。
「まだ無理はしないほうがいいですが、歩けそうですね」
「すまねぇ……助かった……」
「礼はアトレイオへ帰ってからで結構です」
ユリアスはそう言いながら、男に手を貸し、慎重に立ち上がらせた。
「ふふ、良かったです。無事に帰れそうで」
リリゼが微笑む。その表情には、戦闘時の張り詰めた空気とは違う、少し穏やかなものがあった。
「……とはいえ、まだ油断はできないですけど…。早朝ならモンスターも大人しいとはいえ、移動中に何があるかわかりません……用心してください」
ユリアスの言葉に一同は気を引き締めつつも、彼の背中の安心感で余裕を持つ。
――生物の声が聞こえる。
遠く、夜行性の捕食者たちが巣へ戻る気配。木々の間で小鳥たちがわずかに羽を震わせている。地を這う小動物の微かな囁き。
今のところ、大きな脅威はなさそうだった。
「今なら、いけます」
「了解しました」
リリゼは負傷者の腕をそっと支えた。
「ベニ、警戒を頼む」
「キュゥ」
ユリアスの足元にいた小さな相棒は、耳をピンと立て、外の気配を探るように鼻をひくつかせる。
準備は整った。
「……しかし、ユリアスさんもタフですよね。あれだけ戦って、よく平気でいられます」
「慣れです。それに、休めるときにしっかり休んでおけば、案外どうにかなるものですよ」
「そういうものですか?」
「そういうものです」
淡々とした口調で答えたユリアスに、リリゼは小さく苦笑する。
「私はまだまだですね……戦いの最中は気を張っていられるのに、終わった途端、疲れがどっと出てしまいます」
「当然です。戦闘後に気が抜けるのは、ある意味で正常な反応ですから」
「……そう言われると、少し安心します」
リリゼはほっとしたように息を吐いた。ユリアスはそんな彼女を一瞥すると、ふと静かに呟いた。
「……行きましょう」
そう言い、彼は洞窟の外へと足を踏み出した。
太陽が昇り始め、草原の朝露が陽光を受けてきらめいていた。遠くでは小さな鳥のさえずりが聞こえ、夜の静寂とは違った生命の息吹を感じさせる。
ユリアスたちは、負傷者を支えながら慎重に歩を進めていた。
「ゆっくりで大丈夫ですよ。無理に急がず、足元に気をつけてください」
リリゼが優しく声をかけながら、負傷者の肩を支える。彼は意識を取り戻し、痛みに顔を歪めながらも、自力で足を動かせるほどには回復していた。
「……すまない、世話をかける」
「気にしないでください。私たちは一緒に帰るんですから」
リリゼは微笑みながら、一歩ずつ確かめるように進んでいく。
一方で、ユリアスは少し先を歩きながら、周囲の様子を注意深く観察していた。まだ完全に安全とは言えない。ショートウルフの群れを倒したとはいえ、他の獣や、あるいは盗賊などの危険も考えられる。
しばらく進むと、小さな泉が視界に入った。
「水場ですね……ユリアスさん、少し休憩しませんか?」
「水質が安全か確認します」
ユリアスは荷物から小さな薬瓶を取り出した。それはユリアスが携帯する簡易水質検査薬だった。
膝をつき、泉の水を少しすくい、薬剤を一滴垂らす。すると、透明だった水がごくわずかに黄色みを帯びた。
「……ふむ」
「どうですか?」
「この色の変化からして、微量の有機物が含まれています。飲めないことはありませんが、念のため簡易ろ過をしましょう」
ユリアスは布を数枚重ね、さらに炭と砂を用いて即席のろ過装置を作る。泉の水をゆっくりと通すと、不純物が取り除かれ、透明度が増した。
「これで大丈夫。火を通せば、より安全です」
「さすが……未探家の知識ですね」
リリゼが感心したように言うと、ベニも「キュゥ」と誇らしげに鳴いた。
皆で交代しながら水を飲み、少しの間、体を休める。
そのとき、リリゼがふと、そばの木を見上げた。
「あれ……リンゴ?」
木の枝には赤い果実がいくつか実っていた。
「美味しそうですね」
「ですが、野生の果実は種類によっては毒を持つものもあります」
ユリアスは慎重にリンゴをもぎ取り、表皮を確認した。さらに小さなナイフで切り分け、果肉を取り出すと、匂いを嗅ぎ、舌先でごく微量を舐める。
「……大丈夫みたいだ…。ですが、念のため半分だけ食べて様子見してください」
「了解です」
リリゼが小さく頷き、負傷者にも少しだけ渡す。
噛むと、甘酸っぱい果汁が口に広がった。
「……美味しい」
リリゼの表情がほころぶ。
静かな休息の時間が流れ、束の間の安らぎが訪れた。
だが、ユリアスは常に周囲へと気を配っていた。
――ここはまだ、未探の地の入り口に過ぎない。
彼の背には、未探家としての責務が常に付き纏っていた。
水分補給と軽い休息を終え、一行は再び歩き出した。朝の陽射しが強まり、冷え切った身体を少しずつ温めていく。
ユリアスは先頭を歩きながら、意識を研ぎ澄ませる。
――地を這う虫の細かなさざめき。風に乗る鳥の短い警戒音。草陰で息を潜める獣の気配。
生物の声が、周囲の状況を克明に教えてくれる。
「少し西へ迂回しましょう」
ユリアスは足を止め、背後のリリゼと負傷者にそう告げた。
「……どうかしましたか?」
「前方の草むらに潜んでいる捕食者がいます。おそらく単体ですが、こちらの動き次第では襲われる可能性がある」
「なるほど……では、そちらへ」
リリゼは素直に従い、負傷者を支えながら慎重に歩を進める。ベニもまた、ユリアスの足元で警戒を怠らない。
静かに迂回し、距離を取ると、遠くで獣が低く唸る声が聞こえた。もし直進していれば、間違いなく鉢合わせていただろう。
「……さすがですね」
「道を選べるなら、わざわざ危険なほうに突っ込む必要はありませんから」
ユリアスは淡々と答え、そのまま歩を進めた。
次に待ち受けていたのは、地面のわずかな陥没。
「ここは足元に注意してください」
「え?」
リリゼが不思議そうに足元を覗き込む。
一見すると普通の草地に見えたが、よく見ると地面が不自然に凹んでいる。ユリアスは慎重に枝を拾い、その部分を軽く突いた。
――ずるっ。
表面の土が崩れ、思った以上に深い穴が顔を出した。
「これは……?」
「この辺りは、地下に動物の巣穴や空洞が多い場所なんです。踏み抜けば、怪我じゃ済まないこともあります」
「危なかった……」
リリゼは安堵の息を漏らし、負傷者を慎重に誘導する。
その後も、ユリアスの能力を活かしながら、獣道を避けたり、不自然に草が倒れた場所を警戒したりと、慎重に進んでいく。
そうして、約二時間半が経ったころ――
開けた丘の向こうに、見慣れた町の影が見えた。
「……アトレイオ!」
リリゼが歓喜の声を上げる。
「ようやく帰ってこられましたね……」
負傷者も安堵の表情を浮かべ、力なく微笑んだ。
ユリアスは、遠くに見える城壁をじっと見つめる。
――だが、彼は知っている。
未探の地の脅威は、ここで終わりではないことを。
だが、それでも今は。
「……帰るとしますか」
彼は小さく呟き、救護者と共にアトレイオへと歩を進めた。
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