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攻めが大人になって酔って電話をかけてくる話
酔っ払い 9※
しおりを挟む「困った子だね…」
やわやわと弄りながら、壁に追い詰められた。ぴったりと隙間なく肌を重ねて、それでも足りないと足をからませて、腰を引き寄せられる。
ゆっくりと、ねっとりと、存在をひとつに溶け合わすように、全身を絡ませてゆらされた。
兎麻の熱に溶かされるのを感じて、欲情が高まる。
「智以上、なんてない。今までも、これからも」
「…ん…」
「誰にも遠慮はいらないし、しちゃいけない」
「、あ、は、」
「僕の隣を誰かに譲ろうなんてしたらダメ。そういうのは絶対に許さない」
「…とう、ま、さ」
「離さないよ」
つぷ、と後孔に指を入れられて焦った。
「最後までしないって!」
「指だけ」
「だめ!だめ!」
「智は約束破るのに、どうして僕だけ」
「違う…ごめんなさ…」
「蒼のこと、切る?」
「いや…ちがう…」
「友将だっていらない。八雲だって、僕たちの邪魔するなら切るよ」
「やめて、とうまさ…」
「智だけだよ、ともしかいらない」
「うん、うん」
「やさしいね、とも」
優しくなんかない。臆病なだけだ。
「…い、た、」
「うん。きつくなってきたね。取ってあげる」
そう言うと口で根元まで含んだ。
「と、取るって!」
「うん、口でね」
ブルブルと首を振った。痛いだけだ。射精出来ずに、高められるだけだ。
「動かないでね。時間かかると、自分がきついよ。目も閉じちゃダメ、ちゃんと、見て」
ああ、もう。
きっと、酷くいたぶられて返ってくるだろうとは思っていた。
ほんの少しだけの嫉妬が混じった失言。
こんなにすぐに、こんな羞恥でかえってくるとは思わなかった。
時間が空けば少しは収まると思っていたのに。
抉ってしまった兎麻の傷。
兎麻は、智を傷つけたものを許さない。
付き合いはじめて、すぐの頃、兎麻の周囲に受け入れられなかった智に対して取られた洗礼。
それで終わるはずだったのに、兎麻の怒りは年々酷くなる。
怒りの根は年々深くなり、智に対する過保護も酷くなっていく。
今では過保護とは言えないくらい、監視や囲いの幅は大きく、智を縛る。
こんな関係になるなんて、あのころは想像もしなかった。
もし、今。
兎麻の周りにいる人物が故意に智を傷つけたら、兎麻は本当にその人物を切り捨てようとするだろう。
偶像として愛されていた自分を捨てて。
それは智にとって、とても恐ろしい選択だった。
自分の存在が、そんなふうに彼を変えてしまいたくない。
深く、深く。
彼の中に、自分が根付いてしまっていることを自覚する。
彼の何かを、壊してしまったことに、原罪を覚える。
辛い気持ちに、深く息を吸って、吐いた。
「だれのこと、かんがえてる?」
立ったままの腹の上で、跪いた兎麻が見上げていた。
恐ろしいほど勘がいい。
だから、怖いのだ、彼は。
「答えて。冴木くんのこと?八雲のこと?」
智は頭を振った。
「蒼のこと?」
昔、酷い言葉を投げつけられた、年上の知り合いの顔が過ぎり、唇を噛んだ。
今でも、画面で、街中の広告でその整った顔を見る度に胸が疼く。
そんなふうに、自分が囚われているから、兎麻の怒りが根深くなる。
「やっぱり、許せないな」
「兎麻さん、やめて」
「僕以上に考える人がいるなんて」
「ちがう、そんなんじゃない」
「何がちがう?蒼に遠慮して、呼ばれても来なかったんでしょう?」
「ちがう、ちがう。帰りたかったから」
「帰ってなかったじゃない。僕がおいでって言ったのに」
「…ごめんなさい。ゆるして」
「ゆるしてあげる。ともが言うから」
ちゅ、と智の小さくなったものに音を立ててキスをした。
「僕が怖かったの?ちいさくなっちゃったね」
「…とうま、さん」
「おかげで取れやすくなった」
兎麻が智の根元に着けた、バンドを舌で舐めた。バンドの境目に舌を這わせ、形を分からせるように輪を描いて舐め、バンドと智の間に舌を入れて、く、と引っ張った。
器用に輪を描きながら、下のほうにずらしていく。
直接的でない、それでも淫靡な刺激に、智も少し反応してきた。
少し強めに引っ張られると、下の刺激に反応した先っぽで、引っかかった。
何度も何度も、バンドの裏を輪を描いて舐め、唇で引っ張りながら、とうとう兎麻は智からバンドを引き抜いた。
兎麻の頭で見えてはいない。
だけど、舌の感触で、どう抜き取ったかは分かった。
兎麻が歯でバンドを銜えたまま、立ち上がった。智に顔を近づけて、舌で受け取らせる。
「ともの番だよ」
そう言って、いつの間にか装着した兎麻のリングを、智の指で触らせた。
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