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異世界にて……
4.抑えられぬ興奮(中)
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『レスリングと聞いて、何を思い浮かべるだろうか? レスリングには大きく分けて二つある。一つがプロフェッショナルレスリング(客に見せることを目的とした、所謂興業レスリング)、もう一つがアマチュアレスリング(オリンピック種目にもなっているレスリング、グレコローマンスタイルとフリースタイルがある)である。この二つには、実際にアマとプロの区別があるわけではなく、もはや別のものだと言ってもいいだろう。そして、特筆すべき事項の一つは、アマレスの歴史である。中国拳法や空手等が長い歴史を持っておることはご存じだろう。実際、空手は手も含め約五00年程前に、中国拳法に関しては紀元前数百年にまで遡る。しかし、レスリングの歴史はそれ以上である。明確な起源は不明だが、紀元前三000年には既に存在しており、古代オリンピックの競技であったといわれている。それほどの歴史を持つレスリングの技術が、長い時間のなかで洗練されてきた事を悟るのは難しくないのではないだろうか?』
私はタックルを警戒しつつ、相手との距離を図る。
にらみ合いが続く……
前蹴りのモーションでフェイントをかける。
木村は、反応はするものの、大きくは動かない。
…………
一瞬であった。
木村の姿が消え、両足をとられた。
支持基底面を広げるという対策をとったものの、私はあっけなく地面に転がされた。
「その程度で俺のタックルが防げると思ったか?」
私はマウントポジションをとられてしまった。
木村の指が、目前に迫る。
私はなんとかその指をかわし……
「せぃやぁ」
木村の喉に抜き手を入れた。
木村が悶絶している間に、エスケープした私はもう一度構え直す。
地面にいるグラップラーに攻撃をいれにいくのは危険だと判断したからである。
『マウントポジションからの有効な一撃があったが、実はマウントをとられている方も同じように目や喉を狙うことができる。総合格闘技等において、マウントをとられた場合、反撃にパンチを使う事は難しい。何故ならば、肩の可動域は狭くなり、腰をいれることもできなくなるため手打ちのパンチになってしまうからである。しかし、当てることはできるのである。すなわち、ノールールでは喉や目を狙うことができる。格闘技において、ルールが一つ違うことは、格闘技者にとって、無限の影響となるのである』
「いてぇな……」
木村はそう言うと、再び構えた。
同時に、再びタックルで攻めてきた。
私は、膝を合わせようとした。
しかし、寸前のところで木村のタックルは止まり、私の膝は空を切った。
そして、再び足をとられ、倒される……
「よっこいしょおぉ」
変な掛け声と同時に私の身体は地面を離れ、宙に浮いた。
リフトである。
投げ飛ばされた私はなんとか受け身をとり構え直すものの、ダメージは大きい。
私は様子を伺う。
下手に飛び込み、倒されてしまえば、負けるのはこちら側である。
「来ないのか? ならば、こちらから攻めるぞ」
木村は少しずつ距離を詰めてくる。
そして、タックルを仕掛けてくる。
ストライカーである私は、様々な対策でこれを潰そうとしてきた。そして、ついに答えを見つけた。
組まれる瞬間、私は木村の背中に肘を打ち下ろし、と同時にタックルを横にいなした。
「ぐああっ、」
木村が地面を滑る。
彼の手足は一瞬で血に染まった。
しかし、顔色一つ変えずに、静かに言った。
「チッ、流石にタックルオンリーじゃ無理あったか……」
そう言って構え直した木村だが、その構えは今までとは違う構えだった。
間違いなく、柔道の構えであった。
私はタックルを警戒しつつ、相手との距離を図る。
にらみ合いが続く……
前蹴りのモーションでフェイントをかける。
木村は、反応はするものの、大きくは動かない。
…………
一瞬であった。
木村の姿が消え、両足をとられた。
支持基底面を広げるという対策をとったものの、私はあっけなく地面に転がされた。
「その程度で俺のタックルが防げると思ったか?」
私はマウントポジションをとられてしまった。
木村の指が、目前に迫る。
私はなんとかその指をかわし……
「せぃやぁ」
木村の喉に抜き手を入れた。
木村が悶絶している間に、エスケープした私はもう一度構え直す。
地面にいるグラップラーに攻撃をいれにいくのは危険だと判断したからである。
『マウントポジションからの有効な一撃があったが、実はマウントをとられている方も同じように目や喉を狙うことができる。総合格闘技等において、マウントをとられた場合、反撃にパンチを使う事は難しい。何故ならば、肩の可動域は狭くなり、腰をいれることもできなくなるため手打ちのパンチになってしまうからである。しかし、当てることはできるのである。すなわち、ノールールでは喉や目を狙うことができる。格闘技において、ルールが一つ違うことは、格闘技者にとって、無限の影響となるのである』
「いてぇな……」
木村はそう言うと、再び構えた。
同時に、再びタックルで攻めてきた。
私は、膝を合わせようとした。
しかし、寸前のところで木村のタックルは止まり、私の膝は空を切った。
そして、再び足をとられ、倒される……
「よっこいしょおぉ」
変な掛け声と同時に私の身体は地面を離れ、宙に浮いた。
リフトである。
投げ飛ばされた私はなんとか受け身をとり構え直すものの、ダメージは大きい。
私は様子を伺う。
下手に飛び込み、倒されてしまえば、負けるのはこちら側である。
「来ないのか? ならば、こちらから攻めるぞ」
木村は少しずつ距離を詰めてくる。
そして、タックルを仕掛けてくる。
ストライカーである私は、様々な対策でこれを潰そうとしてきた。そして、ついに答えを見つけた。
組まれる瞬間、私は木村の背中に肘を打ち下ろし、と同時にタックルを横にいなした。
「ぐああっ、」
木村が地面を滑る。
彼の手足は一瞬で血に染まった。
しかし、顔色一つ変えずに、静かに言った。
「チッ、流石にタックルオンリーじゃ無理あったか……」
そう言って構え直した木村だが、その構えは今までとは違う構えだった。
間違いなく、柔道の構えであった。
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