モブなんかじゃ終わらない!?

MITARASI_

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第1章 たった今思い出した前世の僕を

第3話 庶民スイーツ事件

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王子が雑貨屋に通い詰めるようになって、早くも数日。
……いや、正直に言おう。毎日来る。
学園はどうした。王子業務はどうした。

「リオ! 今日はこれだ!」
ガラガラッと扉を開け、レオンハルトがカウンターに駆け込んでくる。

手に握られていた、色とりどりの砂糖菓子。
「なんて可愛らしいんだ! これが“金平糖”というものか!」

「……ただの砂糖の塊です」

「甘い……! 口の中で星が弾けるみたいだ!」

「いや、それは砂糖だから。星じゃなくて砂糖だから」

店内でレオンハルトが金平糖をうっとり眺める光景は、もはや小さな祭りのようだった。
通りすがりの町娘たちが「素敵……」とため息をつき、子どもたちは「僕も食べたい!」と群がる。
──そして事件は起きた。

「殿下! その金平糖、僕にひとつ!」

「だめだ、私が先だ!」

「いや、俺が!」

居合わせた学園の生徒たち(攻略対象キャラたち)が、なぜか店内で金平糖争奪戦を始めたのだ。
庶民菓子一袋で貴公子同士が喧嘩を始めるなんて、誰が予想しただろう。

「や、やめろ! こんなのイベントじゃない、、やめろってば! 砂糖で殴り合うな!」
僕の悲痛な叫びは、今日も虚しく店内に響くのだった。

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