5 / 7
第1章 百四十年の夢の終わり
三王子の想い
王の急死でざわめき立つ王宮で、王を支えていた三王子達は今後についての協議を始めた。唐軍が高昌城市に進軍を続けている今、一刻の猶予もなかった。
三王子の意見は一致していた。これ以上の抵抗は徒に被害を増やすだけ。できるだけ速やかに唐に降伏する、それ以外選択肢はなかった。
「父祖が切り拓いたこの土地を、これ以上荒らすことはできない」
王太子智盛の言葉に、二人の弟王子は頷いた。
高昌王国は建国以来、灌漑や開拓に力を入れ、この国を西域一の農業国にまで築き上げた。特に農業の中核をなす地下水路は、造るのはもちろん維持管理も難しく、ここまで大規模な水路を発展させた国は他になかった。
その価値を知らぬ唐軍に全てを破壊されることを、彼らは何より恐れた。
「しかし兄上」
交河公が兄の言葉に続いていった。
「唐に降るのは良いとして、西突厥とはどうしていくおつもりですか」
そもそも高昌国は西突厥に従属しており、今回の唐軍侵攻に際しても、応戦したのは主に西突厥の駐留軍だ。唐軍が高昌城に迫らんとする今、さらなる援軍を派遣してくるはずだ。
「それは、二十年前に倣う」
「二十年前――」
兄の言葉に、交河公の顔色が変わった。幼い頃の辛い日々が蘇ったからだ。
「ああ、義和の頃と同じ事をする」
今から二十七年前、中華では隋の頃のことだ。煬帝の高句麗遠征に高昌は西突厥と共に参加した。
そして王と王太子が高句麗遠征で不在となったとき、この事変は起こった。
留守を任されていたはずの王弟が、そのまま王位を簒奪したのだ。高句麗遠征から戻った文泰達は、クーデターの起こった高昌城には入れず、西突厥に移動しそこで亡命政権を樹立した。
義和王の政変は七年間続いた。
その間、高昌城に残された二人の王子――第一王子智盛と第二王子智湛は、質子として不自由な生活を強いられた。
一方、西突厥で生まれ育った智興は、亡命政権で王太子の後継とされ、多くの者に傅かれた生活を送った。
しかし文泰が西突厥の力を借りて政権を取り戻し、高昌に戻ってからは立場は逆転した。二人の王子は、再びかつての栄華を取り戻し、智興は「忘れられた王子」として西突厥に残された。
この待遇の差は、二十年経った今でも双方の禍根となっていた。
しかし、成人し官位を得た今は、互いに王族としての自負のもと、支え合い補い合って政務に当たってきた。
「智興、今すぐ西突厥に向かう準備に入れ」
西突厥に、二十年前と同じように亡命政権を作り、時間を稼ぐ――これが王太子智盛が出した結論だ。
「お前は、私たちと違い可汗の血を引き、妻も阿史徳だ。西突厥にとって担ぎ上げるにはちょうど良い血筋だ」
阿史徳家は、可汗・阿史那家の姻戚氏族だ。皇后にあたる可賀敦は必ず阿史徳家から出すのが、遊牧帝国突厥の決まりとなっていた。
一方の高昌も、王の一族である麹家は張家から、張家は麹家からと、二大門閥が互いに姻戚関係を結ぶことが通例となっており、智盛も智湛も張家から妻を迎えていた。
「智湛はいますぐ、残す者と送る者を振り分けてくれ。どちらに転んでも、この国が残るように」
「承知いたしました。しかし兄上、義母上はどうしますか?」
義母上とは隋から降嫁した華容公主のことだ。いつも笑顔を絶やさない春風のように爽やかな貴婦人で、わだかまりがあった三王子の仲を取り持ったのも彼女だった。
三王子達は彼女とは血の繋がりがなくとも、実の母のように心から敬い、慕っていた。
華容公主は北周の皇室・宇文氏の出自で、唐の皇室とも遠縁にあたっていた。それ故、唐に降ったとしても、無下に扱われる可能性は低かった。
しかし、もし降嫁をなかったことにされ、唐の京師に戻されることになったら――老齢にさしかかった彼女には、行く手にある荒涼たる沙漠・莫賀延磧を渡るだけの体力はもうない。すなわち死出の旅となる可能性が高い。
「西突厥の都・千泉城は寒冷な地ですが、高昌と違い寒暖差は激しくありません。もし、義母上がおいでになるなら、細心の注意を払い、心地よく過ごせるよう、衣食住は長安風に整えましょう。何に変えても義母上をお守りいたします」
これは二人の兄が自分の覚悟を試しているのだと、田地公は悟った。何故なら彼女を唐に渡せない以上、行き着く先は漠北の草原しかないからだ。
「よく言った。智興」
「では、義母上はそなたに託す。努々不便をかけぬように努めよ」
兄たちは口々にそう言った。
「畏まりました」
田地公は深く頭を下げた。
そして田地公にはもう一つ、片付けなければならない問題があった。
「恐れながら兄上、私には一つ問題がございます」
「何だ? 申してみよ」
王太子の許しを得て、田地公は言葉を続けた。
「十三年前のことがあり、私には兵権がありません。道中、臣民の保護はどうしたらよいでしょうか」
その言葉に、二人の兄は大声で笑った。
「白々しい。譚家の者たちがおるのだろうに」
「私たちが知らないとでも思っていたのか。表向き義賊だ何だと北路を荒らし回っている連中が、実は譚家であり、お前の手の者であることは、みな知っているぞ」
この十年の苦労が無事果たされたと田地公は安堵した。
表向きは女狐に盗賊団の首領を務めさせ、裏では譚家として譚耀を中心に高昌王国のために働かせてきた。
兄王子二人を陰ながら救ったことも幾度かあり、薄々自分たちの仕業だと解るように匂わせつづけた。その努力が今、実ったのだ。
「まだ正式に王位に就いていないから、後ほど正式な印璽を贈る」
智盛は笏で田地公を指し示しながら告げた。
「ここに譚家の再興を許す。田地公麾下とし……」
「今、将軍位に空きがないので、印璽と共に適当な将軍名を作って位を授けましょう。どうせ西突厥へ行くまでの繋ぎですから」
口ごもった兄に交河公が助け船をだした。
「だそうだ。取りあえず、譚家の末っ子には将軍位をやる。西突厥でお前が王となれば左衛将軍でも何でも好きなのを授けるがいい」
三王子の意見は一致していた。これ以上の抵抗は徒に被害を増やすだけ。できるだけ速やかに唐に降伏する、それ以外選択肢はなかった。
「父祖が切り拓いたこの土地を、これ以上荒らすことはできない」
王太子智盛の言葉に、二人の弟王子は頷いた。
高昌王国は建国以来、灌漑や開拓に力を入れ、この国を西域一の農業国にまで築き上げた。特に農業の中核をなす地下水路は、造るのはもちろん維持管理も難しく、ここまで大規模な水路を発展させた国は他になかった。
その価値を知らぬ唐軍に全てを破壊されることを、彼らは何より恐れた。
「しかし兄上」
交河公が兄の言葉に続いていった。
「唐に降るのは良いとして、西突厥とはどうしていくおつもりですか」
そもそも高昌国は西突厥に従属しており、今回の唐軍侵攻に際しても、応戦したのは主に西突厥の駐留軍だ。唐軍が高昌城に迫らんとする今、さらなる援軍を派遣してくるはずだ。
「それは、二十年前に倣う」
「二十年前――」
兄の言葉に、交河公の顔色が変わった。幼い頃の辛い日々が蘇ったからだ。
「ああ、義和の頃と同じ事をする」
今から二十七年前、中華では隋の頃のことだ。煬帝の高句麗遠征に高昌は西突厥と共に参加した。
そして王と王太子が高句麗遠征で不在となったとき、この事変は起こった。
留守を任されていたはずの王弟が、そのまま王位を簒奪したのだ。高句麗遠征から戻った文泰達は、クーデターの起こった高昌城には入れず、西突厥に移動しそこで亡命政権を樹立した。
義和王の政変は七年間続いた。
その間、高昌城に残された二人の王子――第一王子智盛と第二王子智湛は、質子として不自由な生活を強いられた。
一方、西突厥で生まれ育った智興は、亡命政権で王太子の後継とされ、多くの者に傅かれた生活を送った。
しかし文泰が西突厥の力を借りて政権を取り戻し、高昌に戻ってからは立場は逆転した。二人の王子は、再びかつての栄華を取り戻し、智興は「忘れられた王子」として西突厥に残された。
この待遇の差は、二十年経った今でも双方の禍根となっていた。
しかし、成人し官位を得た今は、互いに王族としての自負のもと、支え合い補い合って政務に当たってきた。
「智興、今すぐ西突厥に向かう準備に入れ」
西突厥に、二十年前と同じように亡命政権を作り、時間を稼ぐ――これが王太子智盛が出した結論だ。
「お前は、私たちと違い可汗の血を引き、妻も阿史徳だ。西突厥にとって担ぎ上げるにはちょうど良い血筋だ」
阿史徳家は、可汗・阿史那家の姻戚氏族だ。皇后にあたる可賀敦は必ず阿史徳家から出すのが、遊牧帝国突厥の決まりとなっていた。
一方の高昌も、王の一族である麹家は張家から、張家は麹家からと、二大門閥が互いに姻戚関係を結ぶことが通例となっており、智盛も智湛も張家から妻を迎えていた。
「智湛はいますぐ、残す者と送る者を振り分けてくれ。どちらに転んでも、この国が残るように」
「承知いたしました。しかし兄上、義母上はどうしますか?」
義母上とは隋から降嫁した華容公主のことだ。いつも笑顔を絶やさない春風のように爽やかな貴婦人で、わだかまりがあった三王子の仲を取り持ったのも彼女だった。
三王子達は彼女とは血の繋がりがなくとも、実の母のように心から敬い、慕っていた。
華容公主は北周の皇室・宇文氏の出自で、唐の皇室とも遠縁にあたっていた。それ故、唐に降ったとしても、無下に扱われる可能性は低かった。
しかし、もし降嫁をなかったことにされ、唐の京師に戻されることになったら――老齢にさしかかった彼女には、行く手にある荒涼たる沙漠・莫賀延磧を渡るだけの体力はもうない。すなわち死出の旅となる可能性が高い。
「西突厥の都・千泉城は寒冷な地ですが、高昌と違い寒暖差は激しくありません。もし、義母上がおいでになるなら、細心の注意を払い、心地よく過ごせるよう、衣食住は長安風に整えましょう。何に変えても義母上をお守りいたします」
これは二人の兄が自分の覚悟を試しているのだと、田地公は悟った。何故なら彼女を唐に渡せない以上、行き着く先は漠北の草原しかないからだ。
「よく言った。智興」
「では、義母上はそなたに託す。努々不便をかけぬように努めよ」
兄たちは口々にそう言った。
「畏まりました」
田地公は深く頭を下げた。
そして田地公にはもう一つ、片付けなければならない問題があった。
「恐れながら兄上、私には一つ問題がございます」
「何だ? 申してみよ」
王太子の許しを得て、田地公は言葉を続けた。
「十三年前のことがあり、私には兵権がありません。道中、臣民の保護はどうしたらよいでしょうか」
その言葉に、二人の兄は大声で笑った。
「白々しい。譚家の者たちがおるのだろうに」
「私たちが知らないとでも思っていたのか。表向き義賊だ何だと北路を荒らし回っている連中が、実は譚家であり、お前の手の者であることは、みな知っているぞ」
この十年の苦労が無事果たされたと田地公は安堵した。
表向きは女狐に盗賊団の首領を務めさせ、裏では譚家として譚耀を中心に高昌王国のために働かせてきた。
兄王子二人を陰ながら救ったことも幾度かあり、薄々自分たちの仕業だと解るように匂わせつづけた。その努力が今、実ったのだ。
「まだ正式に王位に就いていないから、後ほど正式な印璽を贈る」
智盛は笏で田地公を指し示しながら告げた。
「ここに譚家の再興を許す。田地公麾下とし……」
「今、将軍位に空きがないので、印璽と共に適当な将軍名を作って位を授けましょう。どうせ西突厥へ行くまでの繋ぎですから」
口ごもった兄に交河公が助け船をだした。
「だそうだ。取りあえず、譚家の末っ子には将軍位をやる。西突厥でお前が王となれば左衛将軍でも何でも好きなのを授けるがいい」
あなたにおすすめの小説
無用庵隠居清左衛門
蔵屋
歴史・時代
前老中田沼意次から引き継いで老中となった松平定信は、厳しい倹約令として|寛政の改革《かんせいのかいかく》を実施した。
第8代将軍徳川吉宗によって実施された|享保の改革《きょうほうのかいかく》、|天保の改革《てんぽうのかいかく》と合わせて幕政改革の三大改革という。
松平定信は厳しい倹約令を実施したのだった。江戸幕府は町人たちを中心とした貨幣経済の発達に伴い|逼迫《ひっぱく》した幕府の財政で苦しんでいた。
幕府の財政再建を目的とした改革を実施する事は江戸幕府にとって緊急の課題であった。
この時期、各地方の諸藩に於いても藩政改革が行われていたのであった。
そんな中、徳川家直参旗本であった緒方清左衛門は、己の出世の事しか考えない同僚に嫌気がさしていた。
清左衛門は無欲の徳川家直参旗本であった。
俸禄も入らず、出世欲もなく、ただひたすら、女房の千歳と娘の弥生と、三人仲睦まじく暮らす平穏な日々であればよかったのである。
清左衛門は『あらゆる欲を捨て去り、何もこだわらぬ無の境地になって千歳と弥生の幸せだけを願い、最後は無欲で死にたい』と思っていたのだ。
ある日、清左衛門に理不尽な言いがかりが同僚立花右近からあったのだ。
清左衛門は右近の言いがかりを相手にせず、
無視したのであった。
そして、松平定信に対して、隠居願いを提出したのであった。
「おぬし、本当にそれで良いのだな」
「拙者、一向に構いません」
「分かった。好きにするがよい」
こうして、清左衛門は隠居生活に入ったのである。
闇を抱く白菊 —天命の盤—
アリスの鏡
歴史・時代
【愛と復讐が交錯する、中華大河ロマンファンタジー】
姉の仇を討つため、白楊国の公主・玉蓮(ぎょくれん)は自国の第一将、「殺戮将軍」赫燕(かくえん)の軍門に降り、復讐の「刃」となることを決意する。
大陸最強の騎馬隊を擁する赫燕軍は、血に飢えた獣の巣。
その頂点に君臨する赫燕は、息を呑むほどに美しく、残酷なまでに猛々しい男だった。
野獣の巣で牙を研ぐ玉蓮の前に、敵国の英雄『天才軍師』崔瑾(さいきん)が現れて——
嫉妬と独占欲が火花を散らす盤上で、二人の英雄は彼女の「生」を願い、壮絶な最後の一手を打ち込む。
すべてが灰に帰す王都で、玉蓮が選び取る未来とは。
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
別れし夫婦の御定書(おさだめがき)
佐倉 蘭
歴史・時代
★第11回歴史・時代小説大賞 奨励賞受賞★
嫡男を産めぬがゆえに、姑の策略で南町奉行所の例繰方与力・進藤 又十蔵と離縁させられた与岐(よき)。
離縁後、生家の父の猛反対を押し切って生まれ育った八丁堀の組屋敷を出ると、小伝馬町の仕舞屋に居を定めて一人暮らしを始めた。
月日は流れ、姑の思惑どおり後妻が嫡男を産み、婚家に置いてきた娘は二人とも無事与力の御家に嫁いだ。
おのれに起こったことは綺麗さっぱり水に流した与岐は、今では女だてらに離縁を望む町家の女房たちの代わりに亭主どもから去り状(三行半)をもぎ取るなどをする「公事師(くじし)」の生業(なりわい)をして生計を立てていた。
されどもある日突然、与岐の仕舞屋にとっくの昔に離縁したはずの元夫・又十蔵が転がり込んできて——
※「今宵は遣らずの雨」「大江戸ロミオ&ジュリエット」「大江戸シンデレラ」「大江戸の番人 〜吉原髪切り捕物帖〜」にうっすらと関連したお話ですが単独でお読みいただけます。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
真実の愛を見つけたから離婚してくれ」と笑う夫へ。あなたの愛する彼女、私の実家で天文学的な借金の保証人になってますけど、大丈夫ですか?
まさき
恋愛
夫に「真実の愛を見つけた」と離婚を告げられた日、桐島澪は微笑んだ。「いいですよ」——その一言に、すべての準備が込められていた。
澪の実家は、不倫相手・白石奈々が10億円の借金を抱えていることを把握し、その債権をすでに買い取っていた。慧介は入籍前に、奈々に騙されて連帯保証人の書類にサインしていた——内容を確認しないまま。
逃げ場はない。奈々の本性が剥がれ、二人の愛の生活は崩壊していく。
一方の澪は静かな日々を取り戻し、叔父・桐島冬司との距離が少しずつ縮まっていく。経済界に「氷の桐島」と呼ばれる男が、澪の前でだけ眼光を和らげる——本人も気づかないまま。
「俺でいいのか」「いいですよ」
今度の答えは、本物だった。
猿の内政官 ~天下統一のお助けのお助け~
橋本洋一
歴史・時代
この世が乱れ、国同士が戦う、戦国乱世。
記憶を失くした優しいだけの少年、雲之介(くものすけ)と元今川家の陪々臣(ばいばいしん)で浪人の木下藤吉郎が出会い、二人は尾張の大うつけ、織田信長の元へと足を運ぶ。織田家に仕官した雲之介はやがて内政の才を発揮し、二人の主君にとって無くてはならぬ存在へとなる。
これは、優しさを武器に二人の主君を天下人へと導いた少年の物語
※架空戦記です。史実で死ぬはずの人物が生存したり、歴史が早く進む可能性があります
遺産は一円も渡さない 〜強欲な夫と義実家に捨てられた私、真の相続人と手を組み全てを奪い返す~ (全10話)
スカッと文庫
恋愛
「お前の価値なんて、その遺産くらいしかないんだよ」
唯一の肉親だった祖父を亡くした夜、夫の健一と義母から放たれたのは、あまりにも無慈悲な言葉だった。
四十九日も待たず、祖父が遺した1億2000万円の遺産をアテに贅沢三昧を目論む夫。だが、彼には隠し通している「裏切り」があった――。
絶望の淵に立たされた由美の前に現れたのは、亡き祖父が差し向けた若き凄腕弁護士・蓮。
「おじい様は、すべてお見通しでしたよ」
明かされる衝撃の遺言内容。そして、強欲な夫たちを地獄へ叩き落とすための「相続条件」とは?
虐げられてきた妻による、一発逆転の遺産争奪&復讐劇がいま幕を開ける!