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本編
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砂漠。本来人間が住むべきところではない。
そこに男がいた。
砂色をした軍服に、同色のマフラー、防砂メガネをつけ、軍帽をかぶっている。そして、腰には機能性を重視した剣、傍らには砂漠仕様の銃があった。
男は兵士であった。この砂漠で敵を殺すために、塹壕の中で時を待っている。
砂混じりの風が男の頬をかすめる。太陽は砂色をした雲に隠され、あたりは夜ほどではないが、暗い。
男は立ち上がった。銃をもち、戦闘準備を整えた上で、塹壕から少しだけ顔を出す。
男の目線の先には、敵の兵士がいた。古代より、男の祖国と戦を繰り返してきた敵国の兵士が。
敵兵士は三人だった。
男は銃を構え、そのうちの一人に狙いを定める。もちろん、兵士は気づかない。
ずどん。
銃から弾丸が飛び出し、敵兵士の頭を砕く。敵兵士は、刹那の痛みを感じたあと、天に召された。
残された二人が、パニックを起こしたのは言うまでもない。伏せて、周りを見ている。しかし、男は見つからず、なおかつ二発目の弾丸が放たれる。
弾丸は二人目を正確に殺した。体から血が留めなく溢れ、死体は血に埋まる。
最後の一人は勇敢であった。泣きながら立ち上がり、見えない私に向かって叫んでいるらしかった。そして、剣を抜いている。
男は、最後の敵兵士の頭に狙いを定めていたが、それをやめた。
最後の一人は自分を狙っているものが、どうやら自分を殺すのをやめたか、ためらっているとでも思ったのだろう。涙を拭い、その身を滑らせ、塹壕へと身を隠した。
男はその光景すらスコープで見ていた。
そして、最後の一人が出てこないことがわかると、塹壕から出て、敵の塹壕へと向かった。
砂風が男のマフラーを揺らす。
塹壕は意外と近くにあったため、すぐに着いた。
男は拳銃を構え、塹壕を覗き込む。すると、さっきの兵士が土に汚れた毛布にくるまり、ガタガタと震えていた。
「おい、、、」
男は声を発する。ごく小さな声であったが、兵士にとっては爆音に匹敵したようで、彼は電流が走ったかのように飛び上がった。
「もっ、もう!やめてくれ!戦争は終わったんだ!戦争は終わったんだぞ!」
兵士は叫んだ。彼の目には涙が浮かんでいる。そして、同時に右手に持った小さなラジオを振りかざしていた。男は拳銃を構えたままじっとそれを見る。そして、雑音混じりのその音を聞く。
「戦争は、、、ました!終わった、、す!」
ひどく聞きづらいが、ラジオはたしかにこう言っていた。
「、、、本当のようだな」
男はボソリと言った。すると、すぐに兵士の顔が明るくなったb
「だろう!そうだろう!だからこんなことやめよう!」
男はそれを聞くと、拳銃をおろした。兵士の顔には笑顔すら浮かぼうとしている。
次の瞬間であった。
男の拳銃が火を吹いたのは。
男が放った銃弾は兵士に吸い込まれる。
「がふっ!」
兵士の顔は笑顔のまま凍りついた。
「な、なぜ?」
兵士からは血が留めなく流れている。毛布は赤く染まっていた。
「悪いな」
男は言い、兵士の頭に向かって銃を撃つ。
兵士はすぐに事切れた。
「これは戦争なんだよ。終わったとかは関係がない。俺の役目は、、敵を殺すことただひとつ。おまえだってそうだろう?」
男は兵士の毛布をめくった。そこにあった兵士の右手には拳銃が握られ、男へ銃口は向けられていた。
「おまえは俺に似ているな、、嫌いじゃないぜ」
男は兵士の死体に背を向けた。そして自分のいた方向へ歩いてゆく。
茶色い風が吹く。ここは戦場だ。
そこに男がいた。
砂色をした軍服に、同色のマフラー、防砂メガネをつけ、軍帽をかぶっている。そして、腰には機能性を重視した剣、傍らには砂漠仕様の銃があった。
男は兵士であった。この砂漠で敵を殺すために、塹壕の中で時を待っている。
砂混じりの風が男の頬をかすめる。太陽は砂色をした雲に隠され、あたりは夜ほどではないが、暗い。
男は立ち上がった。銃をもち、戦闘準備を整えた上で、塹壕から少しだけ顔を出す。
男の目線の先には、敵の兵士がいた。古代より、男の祖国と戦を繰り返してきた敵国の兵士が。
敵兵士は三人だった。
男は銃を構え、そのうちの一人に狙いを定める。もちろん、兵士は気づかない。
ずどん。
銃から弾丸が飛び出し、敵兵士の頭を砕く。敵兵士は、刹那の痛みを感じたあと、天に召された。
残された二人が、パニックを起こしたのは言うまでもない。伏せて、周りを見ている。しかし、男は見つからず、なおかつ二発目の弾丸が放たれる。
弾丸は二人目を正確に殺した。体から血が留めなく溢れ、死体は血に埋まる。
最後の一人は勇敢であった。泣きながら立ち上がり、見えない私に向かって叫んでいるらしかった。そして、剣を抜いている。
男は、最後の敵兵士の頭に狙いを定めていたが、それをやめた。
最後の一人は自分を狙っているものが、どうやら自分を殺すのをやめたか、ためらっているとでも思ったのだろう。涙を拭い、その身を滑らせ、塹壕へと身を隠した。
男はその光景すらスコープで見ていた。
そして、最後の一人が出てこないことがわかると、塹壕から出て、敵の塹壕へと向かった。
砂風が男のマフラーを揺らす。
塹壕は意外と近くにあったため、すぐに着いた。
男は拳銃を構え、塹壕を覗き込む。すると、さっきの兵士が土に汚れた毛布にくるまり、ガタガタと震えていた。
「おい、、、」
男は声を発する。ごく小さな声であったが、兵士にとっては爆音に匹敵したようで、彼は電流が走ったかのように飛び上がった。
「もっ、もう!やめてくれ!戦争は終わったんだ!戦争は終わったんだぞ!」
兵士は叫んだ。彼の目には涙が浮かんでいる。そして、同時に右手に持った小さなラジオを振りかざしていた。男は拳銃を構えたままじっとそれを見る。そして、雑音混じりのその音を聞く。
「戦争は、、、ました!終わった、、す!」
ひどく聞きづらいが、ラジオはたしかにこう言っていた。
「、、、本当のようだな」
男はボソリと言った。すると、すぐに兵士の顔が明るくなったb
「だろう!そうだろう!だからこんなことやめよう!」
男はそれを聞くと、拳銃をおろした。兵士の顔には笑顔すら浮かぼうとしている。
次の瞬間であった。
男の拳銃が火を吹いたのは。
男が放った銃弾は兵士に吸い込まれる。
「がふっ!」
兵士の顔は笑顔のまま凍りついた。
「な、なぜ?」
兵士からは血が留めなく流れている。毛布は赤く染まっていた。
「悪いな」
男は言い、兵士の頭に向かって銃を撃つ。
兵士はすぐに事切れた。
「これは戦争なんだよ。終わったとかは関係がない。俺の役目は、、敵を殺すことただひとつ。おまえだってそうだろう?」
男は兵士の毛布をめくった。そこにあった兵士の右手には拳銃が握られ、男へ銃口は向けられていた。
「おまえは俺に似ているな、、嫌いじゃないぜ」
男は兵士の死体に背を向けた。そして自分のいた方向へ歩いてゆく。
茶色い風が吹く。ここは戦場だ。
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