空晴ラビット 1

やました

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第1章

第12話 チーム4班

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「ん~!人間学の授業楽しかったね!」

下校中、キュトアちゃんは満足そうに微笑んだ。

「まさかいきなり人間界へ研修なんてね。」

サフィアちゃんはちょっと緊張気味のようだ。

「だ、大丈夫だよ!人間と言っても、私たちとそう変わりは無いし!それに、天使のマリアさんがついてるから、きっと平気なはずだよ。」

私はサフィアちゃんにそう励ました。

「ミヨコちゃん……」

「そうよね、きっと大丈夫よね。皆もいる訳だし……」


そうサフィアちゃんが言った。
すると、遠くの方で誰かが呼ぶ声がした。

「おーい!チーム4班さーん!」

後ろを振り返ると、犬耳の少女が走ってこちらへ向かってくるのが見えた。

「わんこさん!?」

茶色い髪としっぽを振り、息を切らしながら笑うその姿はとても微笑ましく可愛らしい……。

「チーム4班って私たちのこと?」

キュトアちゃんは首をかしげてそう聞いた。

「うん!さっきね、マリアが言ってたの!マリアったら凄いのよ!仕事が早くて!私たち、4番目に研修に行くんだって!」

もうそこまで進んでるんだ。さすがマリアさん。

「まだ、正式発表じゃないから秘密ね!ヒ・ミ・ツ!」

わんこさんは何だか嬉しそうだ。

「随分仲がいいのね、そこまで教えてくれるなんて。」 

「ん~、まぁあたしが勝手に横から見ただけなんだけど!」

そ、そう……。サフィアちゃんは戸惑いながらそう答えた。

そんなことを言ってるうちに、学校の寮まで来てしまった。

「わ、もう着いちゃったぁ、じゃあミヨコちゃん!またね!」

キュトアちゃんはそう言って私に笑いかけた。

「え、ミヨコぴょん、この辺に住んでるの?」

み、ミヨコぴょん……?

「う、うん、あの山の上に住んでるの。」

わんこさんは、ひぇ~大変~と呟いた。

「てか、その呼び方おもしろーい!私は!?私は!?」

キュトアちゃんは目を輝かせながらそう言った。
期待の眼差しがわんこさんに向けられる。

「う~ん、キュトチーとサフィチー!とか!あはは、可愛くない!?あ、ナルちゃんはナルにゃんとか!」

「あはは!いいんじゃない?ね!サフィア!」

「まぁ、なんでもいいわ……。」

「ナル……にゃん……?……いいよ。」

サフィアちゃんとナルちゃんはちょっと照れくさそう。
キュトアちゃんはすごく嬉しそうにぴょんぴょんと跳ねている。

そんな話をして、私は皆とお別れをした。
今日も楽しかったな。
研修もきっと楽しいはず。

私はそう思い、るんるんと鼻歌を歌いながら家に続く階段を登った。


大分階段を登り、家が見えてくる。

すると、

「?……誰かいる?」

よく凝らして見ると

「え、ラティさん!?」

玄関の前にラティさんが座り込んでいた。

「やぁ~ミヨコちゃん~。ごめん~また頼みたいことがあってさ……」

何だかやな予感がした。

「な、なんです……?」

「……しばらく、また泊めてくれない?」


私はそれを聞いて持っていた買い物袋をドサッと落としてしまった。


13話につづく。






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