フォロワーとの援交はオフパコに入りますか

ダイナマイト・キッド

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泣きたくなるほど、ノスタルジックな夏でした。3.

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 陽炎が坂道の遥か上でゆらゆらと嗤ってやがる。クソが、いい気になりやがって。心の中で吐き捨てながら、土くれの坂道を登る。軽自動車一台分くらいの幅の両脇には雑木林が生い茂っていて、陽ざしのキツい青空をいびつな長方形に区切っている。その下には真新しい足跡が二人分、乱れ打ちのように地面に刻まれている。
 彼女と、その親父だろう。
 彼女は裸足のまま飛び出していったが、あの親父はしっかりクツを履いて行きやがった。そういう奴だ。テンパっていても、ショッキングな光景を目の当たりにしても、しっかり自分の事だけは守ろうとする。お人好しのジコチューと言ったところか。イザとなった時いっちばんタチの悪いタイプの男だ。僕が味方に居たら絶対に、真っ先に殺しておくタイプの男だ。

 どうせこの先は一本道で、廃れて放置されたパラグライダーの発進場があるだけだ。あの二人が向かったのはそこだろう。ギラつく太陽を睨みつけるように、灼けた坂道で孤影を踏んで、僕は無言で毒づきながら歩き続けた。重く怠いばかりの脚だけが勝手にぎくしゃくと動いて、僕を坂道のてっぺんへと導いてく。地獄絵図の続きを見届けろと、風も太陽も空も僕を責め立てる。足元の石くれさえ、僕の所業を責め苛む。草木の一本までが僕を鬼畜となじっている。

 流れる汗が目に入ったのを振り払って顔を上げると、生ぬるい風がひと際ぶわっと吹いた。そこが頂上の発進場で、湾内を一望できる崖っぷちだった。
「なあ、どうしてなんだ! どうして……!」
 血走った眼を光らせる親父はいきり立った陰部を丸出しにして、自分の娘に抱き着いて尖らせた唇で首筋に吸い付いていた。短く刈り込んだゴマシオ頭から汗が滴り落ちて、地面に小さな水玉模様を作ってすぐ乾く。親父は娘の足を何度も土足で踏んづけているようで、彼女の足の爪はボロボロになって血がにじんでいた。勿論もうそんなことにはお構いなしで、もっと違う部分まで土足で蹂躙しながら、10分ぐらい前まで凌辱されていた娘を今度は自分が犯そうと一心不乱に迫っていた。

 身をよじる娘の太ももの向こうに、黒く濃い茂みが見え隠れする。親父がそこに節くれだった指先を差し込もうとするのを、彼女が必死で拒んでいる。二人とも僕がそこに立っていることにもお構いなしに、お互いの地獄絵図のなかで藻掻き続けていた。
 しかし必死の抵抗も虚しく、そこは年をとっても大の男の腕力でグイっと顔を寄せられ、ついに親父の薄く血色の悪い唇が娘のそれと重なり合って嫌な音を立てた。そこに意識が向いた瞬間を過たず、親父の指が娘の茂みに滑り込む。短い断末魔と渋面を晒したまま全身をガクガクと震わせて、なおも抵抗を続ける。せめぎ合う二人が、じり、じり、と崖に向かってゆく。
 観丈ヶ山パラグライダー発進場、と書かれた木製の看板を娘が後退りした拍子に踵で蹴り飛ばし、低い杭に張られたロープに脹脛を引っかけて歩みが止まる。親父はコレ幸いと右手を乳房に、左手は背中に回して尚も体を貪ろうとした。
 ぎちゅっ
 と、湿っぽく陰惨な音がしたのは、その一瞬のことだった。
「うごぼぉ!」
 ともだえた親父が娘の唇から顔を上げると、口から大量の血を吐き出した。娘は赤黒い塊をペっと吐きだし、煮えたぎるような軽蔑の眼差しで親父の両眼を突き刺した。
 舌を食い千切ったのか。親父が血走った眼をさらに真っ赤にして、思わず娘の顔面を平手で張り倒した。べちっ! へっぴり腰で放ったビンタが彼女の湿った頬に命中して歯切れの悪い音がした。まるでなっちゃいない、出来ないことをするからだ。
 この期に及んでも思い切りの悪い親父に辟易しながら続きを見ていると、娘は尚も親父を睨んでいる。股間からは血が滴り、茂みに赤黒い雫を幾つもぶら下げてブドウ農園みたいになっている。
「な、ナンだソノ目わ!」
 完全に自分が悪いのだが、逆上した親父はもはや目の前に娘がいるとも思っていない。生意気な肉孔の持ち主が自分を蔑んでいることに我慢がならないと見え、今度は握り拳を振り上げて彼女の左の頬を殴った。
 ゴキッ!
 と、今度は良いのが入ったようだ。人生初のラッキーパンチだろう。それが炸裂したのが犯そうとしている自分の娘のアゴだというのが情けない。
 流石に吹っ飛ばされ、よろめいた娘を押し倒そうと親父が駆け寄り抱き着いたところが、どうやら地べたの終わりだったようだ。二人はもつれあいながら、良く晴れた三河湾を臨んで広がる青々と茂る雑木林に向かって真っ逆さまに落下していった。最期の瞬間に、己の運命を悟った親父と目が合った。

 た す け て く れ

 と、その顔に書いてあった。だが、どっちみち無理な話だ。
 僕は踵を返して、哀れな父娘の住まいへと戻った。

「おかえり。どうだったの……?」
 母屋の玄関先で僕を出迎えた、思いつめたような声の持ち主は、あの男の妻で、僕の元カノの母親だった。日に焼けた素肌と皺の張り付いた顔。特に美人でも醜くも無い、年齢相応のフツーのおばさんだ。
 そして、僕の愛人だ。
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