上 下
15 / 1,290

第18回。田舎のスーパー

しおりを挟む
掲載日2017年 02月23日 19時01分


知らん仏より知っとる鬼のがマシじゃけんのう。

最近の楽しみは、田舎のスーパーマーケットを探す事である。
なぜだか知らないが、昔から余所の街の暮らしに興味がある。
普通の住宅街でも県道でも環状線でもなんでも、その地域の生活が見える場所が好きで、そういう道を走ったり歩いたりするのが面白い。

団地や田んぼや工場が並ぶ田舎町にぽつりぽつりとある小さなスーパー。
チェーン店だったり個人経営だったりいろいろだが、こういうお店は面白いし良いものがありそうな気がする。
最近行ってみたいのは豊橋市内と奥三河にある個人経営のお店が幾つか。これだけでも一日がかりになっちゃうので、いつかまとめてババーっと回ってみたいものだ。

特に奥三河(愛知県の山奥)にあるスーパーが気になる。
ああいう不便なところにあるお店こそ、地域の生活に密着し、お客・店・業者の「三方よし」を心がけているところが多い…のだというイメージがある。

声と店のデカいものが勝ち、みたいな風潮にどうにか抗いたいと思っている(現実逃避半分って気もするが)ので、こんな風な興味を持つにいたったのだろう。

だってそうじゃない。小さなお店があるのに、不便な場所からわざわざ大きな店まで行くにはそれなりの理由があるはずだ。手に入る物の数や質に幅が出来るのはともかく、食べ物なんかは地場モノを買った方が安いし美味しいのがこの地域の特徴でもある。
木なんか幾ら植えたって知らんのだ。

田舎がさびれていくのは寂しい。だがさびれているから田舎だともいう。
私は横浜の街中で生まれて豊橋の駅前で育ったから、無い物ねだりをしているのかもしれないしものすごく大きなお世話なんだろうけど、余所者としての好奇心から、その地域の生活をちょいと覗いて見たかったりするのである。
みんなもいつもの大型店じゃなくて、懐かしい小さなお店に行ってみるといいかもしれない。駐車場は狭いし出入りしにくいしレジのババアは愛想が悪いかもしれない。
でも、そこまで悪くなければ、そういうお店に行って貢献するのも面白い。

少なくとも、大きな店と声で日本をササラモサラにされるよりは、ずっといい。
しおりを挟む

処理中です...