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ハヤブサさんが居た
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3月3日は不死鳥・ハヤブサさんのご命日だ
90年代インディープロレスを追いかけて、その後もプロレスマニア道を驀進する私にとって、そして全てのインディープロレスファンにとって
ハヤブサさんの存在はあまりに大きい
私は生まれて初めて生観戦した試合がFMWだったし、当然それに至るまで欠かさず週刊誌で動向をチェックし、レンタルビデオ店にあったFMWやIWA、大日本に至るまで見られるものは全部見ていた。今も昔も群雄割拠の時代にあって、あの頃のハヤブサさんは頭一つ抜けていた。スター性、実績、人気。そしてそれこそがハヤブサさんを時に押し上げ、時には苦しめた
私が初めてFMWを見たのは97年だった。もうエンタメ路線の冬木政権が始まっていた。だから今でも私にとってのFMWはこの頃から倒産までだし、なんだかんだ言う人は今でもいるけど、私はこのFMWが大好きだった。実際に会場でドッグフードマッチや飲茶マッチ、ネイキッドマンマッチを見ていればまた話も違ったかもしれないが、田舎住まいで週刊誌とたまに深夜番組で流れる試合の映像、あとは近所のレンタルビデオ店ぐらいが頼みの綱。今みたいにニコニコ動画やアマゾンプライム、各団体の会員サイトで月額見放題なんてこともない時代だった。ディレクTVやスカパーの中継もあったけどそもそも加入してもらえなかったし、セルビデオは高くて手が出なかった
いつも週刊ゴング(当時は週刊プロレスと二誌が競っていて私はゴング派だった)のグラビアで華麗に舞い、過激に戦うハヤブサさんは眩しかった
初めてのプロレス観戦、そしてハヤブサさんとの出会いから2年後
再び我が地元豊橋市にFMWがやってきた
パワースプラッシュ2001シリーズ
豊橋市総合体育館サブアリーナ大会
今コレを書いているテーブルとパソコンの真ん前に、今でもその当日のポスターが貼ってある。若かりし頃(今も若々しくてお綺麗だけど)の元川恵美さん(現さくらえみ選手)もポスターに顔を連ねている。ニッコリした微笑みが初々しい
後から知ったことだが、この当時すでにFMWは相当苦しい局面を迎えていた。エースでありポスターにも一際大きく描かれたハヤブサさんはボロボロの体に鞭打ってシリーズに出場。ディレクTVの撤退からスカパーでの放送が始まっていたものの新たなストーリーは観客にも受け入れられず、エンタメ路線は行き詰っていた。私はすっかり冬木信者となっていたが、一方でハヤブサさんのことも大好きになっていた。だから中央で展開されているエンタメプロレスとしてのFMWよりも、単純にイチプロレス団体としてのFMWが見たかったし、フライングキッド市原選手、リッキー・フジ選手、黒田哲広選手や金村キンタローさんの試合も楽しみだった
何年か前に
田舎のプロレス
って言葉が随分な使われ方をして話題になったけど、まあ田舎住まいの身から言わせてもらえば田舎のプロレスってのはいいもんで
中央や各地方の大都市で起こっている事件やイベントとは関係なく、その団体の日頃のポテンシャルが一番はっきりと浮き彫りになるのが地方大会だと思うのだ
豊橋の総合体育館でいえば大日本プロレスはデスマッチ不可だったらしく普通のリングで凄くいいプロレスを見せてくれたし、そんな中でも当時来日してたバカガイジンズやネクロ・ブッチャーはちゃっかり流血していたっけな
今考えたらネクロ・ブッチャーが豊橋に来てたのすげえことなんだけど、その
今考えたらすげえことだよな
ってのこそが田舎のプロレスの醍醐味であって。一昔前ならハルク・ホーガンやアンドレ・ザ・ジャイアント、スタン・ハンセンなんかが自分の地元の体育館にやってきていたのと同じで、ネクロ・ブッチャーだろうとオリジナルのレザー・フェイスだろうと、そしてハヤブサさんだろうとまた同じこと
雑誌で、ビデオで、テレビでしか見られないハヤブサさんが目の前にいる
黒田のてっちゃんも、キンちゃんも、ミスター雁之助さんも、ボスも、怨霊選手にリッキー・フジ選手もフライングキッド市原選手も、みんないる
憧れのインディープロレス。ああ素晴らしきかなインディープロレス
メインイベントの6人タッグに出場したハヤブサさんが混沌と激戦の末に勝ち名乗りをあげる。その瞬間、お客さんがリングに殺到してマットをバンバン叩く。これはFMWにおける試合後恒例の儀式みたいなもので、私もこれが楽しみで仕方がなかった
満身創痍のハヤブサさんがリングを取り囲むファンに向かって何度も何度も握手して、四角いリングを何周もして、ゼエゼエ言いながらもマイクを握って叫ぶ。
「今日は、みんな、ありがとう! 必ずまた戻ってくるからな! 待っててくれ! ありがとう!!」
鳴り響くFight With Dream IIと鳴りやまぬ歓声、私も力いっぱい叫んだ。片手でマットをバンバンバンバン叩いて、もう片方の手でハヤブサさんとガッチリ握手をした
その僅か数日後に、あの悪夢の瞬間がやってくる
ただ正直、それまでの「良くも悪くも悪くも」エンタメ路線と、度重なる負傷から、最初はそれでもハヤブサさんなら帰って来るのではないかと思っていた。誰かの本にも書いてあってけど、悪い意味でハヤブサさんの怪我に慣れ過ぎていたのは、我々ファンも同じだったのかも知れない。そしてやっぱり、FMWにはハヤブサさんが必要だったのだ。どうしても
ハヤブサさんは、そのまま帰って来ることはなかった
頚髄損傷の重傷を負い、長いリハビリ生活に入る
FMWは倒産し、後継団体も潰えた
それでも不死鳥は戦い続けた。自分と、宿命と、怪我と、プロレスと
歌手に転向し、ブログも欠かさず更新され、懐かしいあの頃を思い出す話も楽しみだった
ある日、高速道路を運転中の私のところへ連絡が入った
インターチェンジを降りて、目的地について、さて何だっただろうかとアプリケーションを開いた
ハヤブサさんが亡くなった
と知らされた
あまりに突然過ぎて、あまりに寂しくて、悲しくて、やりきれなかった
今でも信じられないぐらいだ
きっとどこかで歌って、飲んで、戦っているんだと思った方がよっぽどしっくりくる
不死鳥は、炎を浴びて蘇る
あなたを見てプロレスが好きになった人は沢山いる
プロレスラーになった人だってきっといる
あの日、中学生だった私が真っ暗闇のアリーナでずっとあなたを待っている
待っててくれ、と約束したから
お楽しみはこれからだ、って言ってたから
ずっと待っているんだ
夢と戦いの日々は終わらない
90年代インディープロレスを追いかけて、その後もプロレスマニア道を驀進する私にとって、そして全てのインディープロレスファンにとって
ハヤブサさんの存在はあまりに大きい
私は生まれて初めて生観戦した試合がFMWだったし、当然それに至るまで欠かさず週刊誌で動向をチェックし、レンタルビデオ店にあったFMWやIWA、大日本に至るまで見られるものは全部見ていた。今も昔も群雄割拠の時代にあって、あの頃のハヤブサさんは頭一つ抜けていた。スター性、実績、人気。そしてそれこそがハヤブサさんを時に押し上げ、時には苦しめた
私が初めてFMWを見たのは97年だった。もうエンタメ路線の冬木政権が始まっていた。だから今でも私にとってのFMWはこの頃から倒産までだし、なんだかんだ言う人は今でもいるけど、私はこのFMWが大好きだった。実際に会場でドッグフードマッチや飲茶マッチ、ネイキッドマンマッチを見ていればまた話も違ったかもしれないが、田舎住まいで週刊誌とたまに深夜番組で流れる試合の映像、あとは近所のレンタルビデオ店ぐらいが頼みの綱。今みたいにニコニコ動画やアマゾンプライム、各団体の会員サイトで月額見放題なんてこともない時代だった。ディレクTVやスカパーの中継もあったけどそもそも加入してもらえなかったし、セルビデオは高くて手が出なかった
いつも週刊ゴング(当時は週刊プロレスと二誌が競っていて私はゴング派だった)のグラビアで華麗に舞い、過激に戦うハヤブサさんは眩しかった
初めてのプロレス観戦、そしてハヤブサさんとの出会いから2年後
再び我が地元豊橋市にFMWがやってきた
パワースプラッシュ2001シリーズ
豊橋市総合体育館サブアリーナ大会
今コレを書いているテーブルとパソコンの真ん前に、今でもその当日のポスターが貼ってある。若かりし頃(今も若々しくてお綺麗だけど)の元川恵美さん(現さくらえみ選手)もポスターに顔を連ねている。ニッコリした微笑みが初々しい
後から知ったことだが、この当時すでにFMWは相当苦しい局面を迎えていた。エースでありポスターにも一際大きく描かれたハヤブサさんはボロボロの体に鞭打ってシリーズに出場。ディレクTVの撤退からスカパーでの放送が始まっていたものの新たなストーリーは観客にも受け入れられず、エンタメ路線は行き詰っていた。私はすっかり冬木信者となっていたが、一方でハヤブサさんのことも大好きになっていた。だから中央で展開されているエンタメプロレスとしてのFMWよりも、単純にイチプロレス団体としてのFMWが見たかったし、フライングキッド市原選手、リッキー・フジ選手、黒田哲広選手や金村キンタローさんの試合も楽しみだった
何年か前に
田舎のプロレス
って言葉が随分な使われ方をして話題になったけど、まあ田舎住まいの身から言わせてもらえば田舎のプロレスってのはいいもんで
中央や各地方の大都市で起こっている事件やイベントとは関係なく、その団体の日頃のポテンシャルが一番はっきりと浮き彫りになるのが地方大会だと思うのだ
豊橋の総合体育館でいえば大日本プロレスはデスマッチ不可だったらしく普通のリングで凄くいいプロレスを見せてくれたし、そんな中でも当時来日してたバカガイジンズやネクロ・ブッチャーはちゃっかり流血していたっけな
今考えたらネクロ・ブッチャーが豊橋に来てたのすげえことなんだけど、その
今考えたらすげえことだよな
ってのこそが田舎のプロレスの醍醐味であって。一昔前ならハルク・ホーガンやアンドレ・ザ・ジャイアント、スタン・ハンセンなんかが自分の地元の体育館にやってきていたのと同じで、ネクロ・ブッチャーだろうとオリジナルのレザー・フェイスだろうと、そしてハヤブサさんだろうとまた同じこと
雑誌で、ビデオで、テレビでしか見られないハヤブサさんが目の前にいる
黒田のてっちゃんも、キンちゃんも、ミスター雁之助さんも、ボスも、怨霊選手にリッキー・フジ選手もフライングキッド市原選手も、みんないる
憧れのインディープロレス。ああ素晴らしきかなインディープロレス
メインイベントの6人タッグに出場したハヤブサさんが混沌と激戦の末に勝ち名乗りをあげる。その瞬間、お客さんがリングに殺到してマットをバンバン叩く。これはFMWにおける試合後恒例の儀式みたいなもので、私もこれが楽しみで仕方がなかった
満身創痍のハヤブサさんがリングを取り囲むファンに向かって何度も何度も握手して、四角いリングを何周もして、ゼエゼエ言いながらもマイクを握って叫ぶ。
「今日は、みんな、ありがとう! 必ずまた戻ってくるからな! 待っててくれ! ありがとう!!」
鳴り響くFight With Dream IIと鳴りやまぬ歓声、私も力いっぱい叫んだ。片手でマットをバンバンバンバン叩いて、もう片方の手でハヤブサさんとガッチリ握手をした
その僅か数日後に、あの悪夢の瞬間がやってくる
ただ正直、それまでの「良くも悪くも悪くも」エンタメ路線と、度重なる負傷から、最初はそれでもハヤブサさんなら帰って来るのではないかと思っていた。誰かの本にも書いてあってけど、悪い意味でハヤブサさんの怪我に慣れ過ぎていたのは、我々ファンも同じだったのかも知れない。そしてやっぱり、FMWにはハヤブサさんが必要だったのだ。どうしても
ハヤブサさんは、そのまま帰って来ることはなかった
頚髄損傷の重傷を負い、長いリハビリ生活に入る
FMWは倒産し、後継団体も潰えた
それでも不死鳥は戦い続けた。自分と、宿命と、怪我と、プロレスと
歌手に転向し、ブログも欠かさず更新され、懐かしいあの頃を思い出す話も楽しみだった
ある日、高速道路を運転中の私のところへ連絡が入った
インターチェンジを降りて、目的地について、さて何だっただろうかとアプリケーションを開いた
ハヤブサさんが亡くなった
と知らされた
あまりに突然過ぎて、あまりに寂しくて、悲しくて、やりきれなかった
今でも信じられないぐらいだ
きっとどこかで歌って、飲んで、戦っているんだと思った方がよっぽどしっくりくる
不死鳥は、炎を浴びて蘇る
あなたを見てプロレスが好きになった人は沢山いる
プロレスラーになった人だってきっといる
あの日、中学生だった私が真っ暗闇のアリーナでずっとあなたを待っている
待っててくれ、と約束したから
お楽しみはこれからだ、って言ってたから
ずっと待っているんだ
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