不定期エッセイ キッドさんといっしょ。

ダイナマイト・キッド

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5月5日大衆プロレス松山座観戦記 第5試合

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第5試合
男子シングルマッチ1/20
犬人間よしお選手
vs
怨霊選手

休憩前までの大騒ぎとは打って変わって、異形同士のシングルマッチ
異種格闘技戦ならぬ異形格闘技戦の様相を呈しております
ピーヨでお馴染みしちみ楼先生も御贔屓くださっている松山座お馴染みのキャラクター、犬人間よしお選手。新たな依代を得てから息を吹き返した活躍を見せてくれています
ハードコアからコミカルまで何でもこなす万能犬
俊敏な身のこなしと愛嬌たっぷりのキャラクターで愛されています。また犬人間というだけあって人語も堪能で、試合中にもよく喋ります

そしてその犬人間よしお選手の対戦相手は、今やインディーマット界の伝説的な選手でもある霊界の貴公子こと怨霊選手
かれこれ20年ぐらい前になるだろうか、当時あったレッスル夢ファクトリーというインディー団体から出現するとメキメキと頭角を現していったのが怨霊選手だった
あの当時はとにかく一言も喋らず、青白い顔にボロボロの服を着てヌボーっと立っていた
しかし試合になると動きは俊敏かつテクニカルで、得意技の怨霊クラッチはかなりの勝率を誇っていた
リッキー・フジ選手のときにも書いたけど私はエンタメ期のFMWが大好きで熱心に応援していたのだ。その時にも怨霊選手は中川浩二さんとの因縁もあってよく出場していた。あの時の呪いのベルトを巡る一連のストーリーは今でも覚えている
今でも家に貼ってあるFMWのポスターにも怨霊選手の写真が載ってて、この時も地元の体育館で試合を見ている。その時の写真もある
リッキーさんの時も思ったけど、持っていけばよかったかな……

さてそんな怨霊選手。松山座には数年前に登場して以来憑りついてしまったかのようにレギュラー出場中。これでは地縛霊だ
出るたびに様々な名場面を生み出している怨霊選手の見どころは、まず試合開始直後。墓場から出てきたばかりの怨霊選手とカラー・アンド・エルボーで組み合うと……全身から真っ白いエクトプラズムをバラまいて相手とレフェリーとお客さんをかく乱してしまうのだ
ちなみにこの白いエクトプラズム、ベビーパウダーに似た良い匂いがする
今回の試合では珍しくボソボソと喋る怨霊選手
お手
と犬人間相手ならではの作戦に出たり、取っ組み合った際に耳元で
殺すぞ
と言ったり。これはプロレス版ささやき戦術か
それをリング上で普通に喋ったり怒鳴るのではなく、よしお選手に聞こえるように言ったのをよしお選手が
今、殺すぞって言った!
と叫ぶ。まるでアンプリファイアだ

場外にエスケープした怨霊選手
それを追撃しようとよしお選手が動き出す……その一瞬前に、最前列のお客さんを人質にとる怨霊選手。インディープロレスならではの光景だ。ちなみに捕まったお客さんは私のプロレス仲間のHさんで、写真を見ると結構嬉しそうだ。あとで聞いてみたら、やっぱり満更でもなかったらしい
こういう出来事も思い出のうち、それもかなりレアで自慢になる思い出なのだ
その後もバンテージを剥がして首を絞めるなど怨念のこもったダーティな戦い方をする怨霊選手。犬人間よしお選手もやり返すが、次に怨霊選手が持ち出した凶器は……

藁人形(本物)

これで犬人間よしお選手に呪いをかけ、思いのままに操ってしまう。クギで胸を刺せば苦しみだし、クルクル回せばよしお選手も回り出してしまう。しかも側転なので相当キツイ

そしてトドメだ! とばかりに金槌を持ち出し、これで藁人形の心臓にクギを一突きすれば、哀れよしお選手も……
コーナーポストに押し付けた藁人形にクギをあてがい、
金槌を力いっぱい振り落とした!
会場の恐怖が頂点に達したその瞬間!

怨霊選手自身の指先に金槌が
コレは痛い
この隙に反撃を試みるよしお選手
しかしコーナーポストに登ったところをデッドリードライブで急降下
西永レフェリーの隙をついて取り出したパウダーを浴びて万事休すか……!?
と思われたが、このパウダー攻撃を見逃す西永レフェリーではなく怒られている間に体勢を立て直し再度反撃、さらには掟破りの
怨霊クラッチ!
と叫んで……なんと怨霊選手本人に
「どうやるの?」
と聞いちゃうというこれまた掟破りの展開に

渋々起き上がって犬人間よしお選手自身を実験台に、こうして、こうやって……と丁寧に丸め込みそのままカウントが3つ入るというまさかの結末
ある意味、全く予想してなかったフィニッシュだった。いや怨霊クラッチが決まり手になることは予想出来たが、まさか入り方が入り方だっただけに笑うやら驚くやら
また教えてあげるために丁寧に仕掛けたため、きっといつも以上にガッチリ決まってしまったものと思われる

こんな結末でも全然納得するどころか
珍しいもん見た!
とかえって満足してしまうあたりが、いつも高レベルの試合をやっている証拠でありファンからの支持があってこそ
今回は高次元というか文化水準の高いフィニッシュでした
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