不定期エッセイ キッドさんといっしょ。

ダイナマイト・キッド

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第232回。初めて買ったレコードのはなし。

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私この話したっけ?

もう200回を超えてると読みかえすのもアレなので、してたらごめん。
まあ違うことも言うと思うので…。

ねえねえ、みんなが最初に買ったレコードなんだった?
私は8mmのシングルCDだった。歌手とか曲じゃねえのかよ。
いやまあそれもあるけど、そう言えば買ったCDがそんなだったなって。

たぶんだけど、初めて買ったCDはTHE YELLOW MONEKYの楽園だった…ような気がする。あのラッコの写真を強烈に覚えている。出来たばかりのツタヤだったか、それとも近所の古臭い、店の入り口にカラー2色刷りの新譜情報をベタベタ貼ってる私の好きな店だったか。
ハッキリと、その近所のお店で買った記憶があるのは
PIERROTの「MADSKY 鋼鉄の救世主(メシア)」

TMレボリューションの「バーニングクリスマス」
かなあ…何気にラジオも聞いてたし西川さん好きだったな。
サンダーバードぐらいまではシングル買ってた気がする。

ああいう古い、いわゆるレコードショップって減ったよね。
なんか駄菓子屋とか八百屋さんとか、こんな話ばかりしてるけど。
ひとつのお店、敷地に色々ある方が便利だし、実は中ではテナントが分かれてるから商店街みたいなもんなんだろうけど。

子供の頃、ジャスコの片隅に
大規模小売店街ナンタラ
って、あのホラ、マンションとかにある定礎ってなプレートみたいなのがあったのを見たもんで、ああジャスコって商店街なのかって思ってさ。

あとはメインの食品コーナーで売ってるものの質だったり、店員さんの態度であって。
PB商品だからって製造者のところにイオンとしか書かれてないのはちょっと怖いなとか。

食い物とか、もっと高い買い物(家とか車とか)じゃなきゃどこで買っても同じなんだよね。
だったら買うお店を選ぶには値段だったりアクセスだったりが大事なわけで。
私の場合で言えばRポイント貯まってたらそっちで買っちゃうけど、車で行くと混むところばかりだし歩いて行けるお店で買うのが好きではある。でも、いま店頭で売ってるものってもう本当に売れるものだけだし…田舎だと猶更ね。
2色刷りのポップの流行り物グイグイ感覚は昔から受け付けないから見ないようにしてたし、もらえるオマケのポスターに欲しいものなんか一つもないんだけどね…なんであそこで買ってたんだろうって言えばホントに場所が良いのと、当然ながらお店だから買ってすぐ持って帰って聞けることだわなあ。
先輩が好きだから、とモー娘。のを貰ったり、人にあげてたな。アイドルとかのは特に。

私はお酒を飲まないから酒屋さんにお世話になることはあまりないかな、と思ってたけどウィルキンソンの炭酸水をガブガブ飲むんで、それでまとめ買いをするようになったりした。この酒屋さんは近所で顔見知りで、ご主人は顔を見れば気さくに挨拶してくれるし、奥さんも日本酒をプレゼントで送る時なんか親切に取り計らってくれる。こういうお付き合いが出来るんじゃなきゃ、別にあとはどこでどう買ってもなあ。

そういう意味で言うと、CDとかレコードってのはどこでどう買っても同じで、すごく無機質な感じがする一方で、売り手の人間味も凄く出るんだよね。品揃えとか店構えとかに。古本屋さんでも、イヤーなオヤジがやってるどんよりした店のすぐ近くにブックオフ出来たりして、そうなると最初はソッチ行くじゃん。でも結局ブックオフじゃ手が回らない部分はオヤジの店に行くわけよ。で、まあ、それだけじゃやってられないんでオヤジの店の方はなくなったんだけどもね。

私が高校生ぐらいの時によく行ってたレコード屋さんのご夫婦はいいキャラしてたな。
こんぱく堂ってお店でね、もうやめちゃったんだけど。残念ながら。
賑やかで愛想のいい、社交性の塊みたいなオバチャンと、物静かで典型的な文学青年がそのまま老けたようなオジサンのお店だった。
店内はアナログからビデオ、DVD、もちろん古今東西有名無名問わず色んなCDが所狭しと並んでいた。宝の山だった。ここで色んなものを発掘した。

ロリータ18号さんを知ったのも、このお店だった。
姉さん裸走り、カラテの先生、ヤリタミンと名盤が揃っていた。
ヤリタミンでカバーしたラジオスターの悲劇は、世にあまたあるあの曲のカバーの中でも最高の出来栄えだと思う。というかあの当時10周年記念とかいってたのが、未だに現役稼働バリバリなのが物凄い。
石坂マサヨ様は永遠にかっこいいぜ。でも、あの当時はキムリンさんが好きだった。

でね、そんなこんぱく堂の愛されガールがそのまま年月を重ねたようなオバチャン。
世はおりしも韓流ブーム。ペ・ヨンジュンのドラマにコマーシャルに続いて色んなコンテンツが押し寄せて来ていた。オバチャン、ペ・ヨンジュンにドはまり。
それまではレジで長話するだけだったのが、カウンターの中まで
ちょっと!ちょっとコレ見て!
と言って呼び寄せて、ノートパソコンでペ・ヨンジュン主演の韓国映画だかドラマを見せてくれる加熱ぶり。始末に負えないってんで旦那さんはヤキモチ焼いちゃって(あの大人しいオジサンでも嫉妬するんだなってちょっと可愛かった)ムスっとしてるのに、オバチャンはお構いなしに
かっこいいでしょお!?
すっごいんだからあ!
と止まらない。

私と、一緒に行ってた友人でバンド仲間でもある丸山君は苦笑い…というか圧倒されていた。

ある日、お店に行くと妙に静かだ。
オバチャンが居ない。
オジサンに聞いてみると、なんとご病気とかで入院中。
お大事に…とお見舞いがてらたんまり買い込んで店を出た。

その後しばらくしてまた立ち寄ると、オバチャンは元気になってレジに居た。
少し細くなったけど喋りも明るさも以前と同じだ。
良かったねえ!とまた話し込んでいると
実はね…
とバツが悪そうに切り出すオバチャン。

手術は数時間に及ぶ闘いだったそうで、オジサンはその間ずっと廊下の椅子に座って妻の帰りを待っていた。やがて無事終わり、ストレッチャーに乗ったオバチャンにオジサンが声をかけた。すると、オバチャンは麻酔で朦朧としながら答えたという。
「ヨン様……」
と。

コレにはオジサンもブリ怒り。なんなんだ!と。いや気持ちはわかる。
で、こっからがもうひと転がり。
そんなに言うなら、と病室に持ち込んだDVDで一緒に韓流ドラマ鑑賞としゃれこんだオジサン。
最初は見るのも、オバチャンの要望でDVDをセットするのもイヤだったというが、これが徐々にハマってしまい夫婦そろって韓流ファンに。

なあんだ、納まるべきサヤってのはやっぱり決まってるんだな。

結局その後数年でお店を閉めてしまったので、今どうしていることやら。
こんなお店が残っててほしいので、皆さんもお近くのレコード店に行ってみては如何だろうか。
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