不定期エッセイ キッドさんといっしょ。

ダイナマイト・キッド

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第334回。柔道部物語

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12月30日はね、あ、去年のね。2017年の。
毎年年末になると私の一個下の後輩たちが幹事になって、柔道部の仲間と忘年会をするのでそれに出席してました。
朝から餅つきやって、そのまま忘年会へ。
いやーよくしゃべりました。

今年で10回目だったそうで、みんなキッチリ10歳年を取っている。なんかすごい。
行事やお店をつづけるって大変だなって思うけど、こうして生きてるだけでも10年ぐらいすぐ経っちゃうから、やっぱり大変だ。

10年とはいえ集まるのは年に1度のこの場が殆ど。
みんなそれぞれの道を歩んでいる。
会社員になった奴もいれば、数年前は無職だったり学生だった奴も居た。
警察官や弁護士なんてのもいる。私らの年代では考えられないけど…どこのどんな集まりにも賢い奴はいるもんで。
後輩でプロレスにハマった奴がいるので、クリス・ジェリコVSケニー・オメガの話をしたりしてた。

でもやっぱり色々と思い出すエピソードが話題の中心で。
有難いことにその話題の中心にいることが多い佐野先輩こと先生や同期からは和哉君。

こんなことがあった、といま思い出すと、なぜそんなことになったのか、もうわからなかったりもする。
我がことながら他人事のように感じちゃう。

私が2年生になって3年生が引退してたときに、名古屋にほど近い前後駅(たぶん豊明市)のあたりにある私立高校に出かけたことがあった。
石田杯という柔道の大会があって、それに出ていた。
キッドさんは副将。これでもレギュラーメンバーだったのだ。
えへんぷー。
まあ、試合は負けちゃったし結構な力の差を感じて落ち込んじゃったんだけどね。
それでも団体戦だったので他のみんなが頑張ってくれて入賞は出来たし、そのあとの試合はしっかり見学するようにと言い残し先生はどこぞへ去っていった。

さて愛知県だが、東西に分けて岡崎市を西へまたぐと急に女の子が可愛くなる。
その日も聞いたこともないような名前の中学校の佐藤さんって女子生徒がすげえ可愛かった。
今でも赤い文字で佐藤ってゼッケンをつけた、ちょっとぽっちゃり系のあの子の後姿を思い出す。
黒帯だったし、その試合もたぶん準決勝ぐらいだったから結構な実力者だ。
自分の勉強や仲間の試合そっちのけでじっくり見学していると後ろから背中を強めに
ぼん、
と叩かれて振り向くと先生。
「お前は、もう帰っていい」
と手短に怒られて、とってもいたたまれなくなった和哉君は本当にその高校を後にしてしまった。

怒られたことや気まずさや、色んなものを押し込めるために無理やり明るい気分になろうといったん新安城で降りてミューチケットを買い、パノラマスーパーの最前列で帰っちゃった。
いやー早かったね名鉄特急。
で家に帰ると留守電の雨嵐。
流石に本当に帰ると思ってなかったらしく、心配してくれる奴、オイオイとあきれる奴と反応は様々で。
この期に及んで事の重大さに気が付いて顔面蒼白。
明日先生にどんな顔をして会えばいいんだ…!?

お腹が痛くなっちゃって次の日休んだんだっけな…?
こんこんとお説教された覚えはあるから、きちんとみんなにも先生にも謝ったんだろうけど…。
パノラマスーパーの記憶はハッキリあるんだけど、その後のことはもはやあいまいだな。
14歳かそこらの話だし。

前後駅からだらだらと坂道を登って行ったのを覚えてる。
その後、推薦入試を受けてみないか?と言われたんだったか、私のオツムで入れる学校でアマチュアレスリング部があるのがその前後駅のとこだけだったかで入試を考えたこともあった。
けど、朝から電車乗ってあそこまで通うのすげえ嫌だった…から、市内の定時制高校に入ることにした。結果、柔道は町道場に通うことになったし良かったのかもしれない。けど、あそこでアマレスやってたらどうなってたかな。

今でも、あの頃の話をすると、あの坂道をトボトボ帰る中2か中3の、14歳の和哉君の記憶が蘇ってくる。
とある高名な格闘家が言った。
「強くなりたければ、青春を灰色にしなくてはならない」
私は脳みそも青春もピンク色だったので、そんなに強くならなかった。
でも、まあ、自分の程度というものがあるので、それでよかったと思う。
頑張れよもっとよぉ!
っていうご意見もあるけれど、今となっては頑張ってたんだよな。けど、もっとやれた分を、キッチリ女の子に費やしてたなって。
だから今こうなんだろうなあこの人は。

そういうわけで、実はあの時帰された…というか帰れって怒られた理由はよその中学の女の子に見とれてたからで、帰っちゃったけどホントはパノラマスーパー乗ってたってことをみんなの前で白状しました。笑い話としてね。

顧問の先生は私の中学1年の時の担任の先生でもあって。
この先生だから私はグレなかったし、柔道も続いたし、正直中学に上がってからも色々あって学校行きたくないなーって時も長かったけど、部活やりに行ってたってのもあって。
この仲間と先生だったから、運よく私は楽しい時間を過ごせたと思うし、今考えても奇跡的なタイミングと確立だったと思う。
そういう過去を大事にするために、これからも思い出したことはどんどん書いて笑って頂こうと思ってまーす。
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