不定期エッセイ キッドさんといっしょ。

ダイナマイト・キッド

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第394回。ロードムービーは突然に

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大阪レポのラストは、やっぱり道中記。
今回は高速道路をほとんど使わなかったのでガソリン代が2回給油で1万円と行きに通った西名阪2区間分と阪神高速14号線を合わせた分に、帰りに西名阪1区間のうちラスト数百メートルの410円だけだった。
往復3000円を切っていたと思う。

まあその分時間はかかったけど、前回は豊川から森ノ宮までフル高速で5時間以上かかっていることを考えれば、こっちの方がはるかに早くてマシだった。
前回は午後14時ごろ高速に乗った。そして四日市~鈴鹿~亀山という東海地方最悪の渋滞ゾーンは無事抜けたものの、甲賀から草津で合流したころに17時を迎える。そして滋賀~京都~大阪市内という地獄の渋滞ゾーンに突入するのだ。ココはホントにしんどかった。こんなもんなら下道通っても全然良かった。梅田から天満通って上本町から千日前通りで鶴橋で勝山まですぐだ。
それが森ノ宮インターまでなんて欲をかいたばっかりに、もう最後の1時間ぐらいはギッチリ固まった車列がそのままジワジワ移動する中に入ってじっとしているしかなかった。しかもラジオが干渉するのでトランスミッターも使えず、神戸の方のラジオ(キッスエフエム?)を聞いていたが、これがずっとクリペプもどきのイケ好かないトークをしていて耳の中でオシャレ情報が渋滞していた。

で今回。
国道23号線でずんずん西へ。
西尾~岡崎~安城~刈谷~名古屋圏に近づくにつれてのどかな風景が自動車の部品工場に、運送会社のターミナルに、そして重なり合う高架と轟音を響かせる回遊魚の群れ。
そこから蟹江、弥冨と走って三重県へ。
四日市のコンビナートを冬の陽射しが優しく照らす。

ここまで渋滞らしい渋滞といえばオレンジロードのミカン園周辺、バイパスの始発の交差点くらいのもので。あとは怖いくらい順調に進んでいる。Dream Theaterを聞きながらすでに1時間半ほど走っていた。
時刻は午後14時少し前。
トイレに行きたい…!
下道のいいところはトイレが近くにあるところ。まあ走ってる場所にもよるけど…愛知から三重に抜けるにあたって23号線なんぞを通っていれば周辺にお店は幾らでもある。
コンビニ、ドラッグストア、大人のおもちゃ屋さん、大人のビデオ屋さん、大人のホテルなどなど…お前、どこ見て走ってるんだ。
三重県に入るか入らないか、ぐらいの位置にあるファミマにご入店。
店員さんが美人だった。宝生舞さんみたいなちょっと艶っぽくてドキっとする顔たちをしている。
そうしてまた私はイニシエの名言を思い出すのだ。
この世はデッカイ宝島。

三重県に入ってからも23号線で延々走る。
鈴鹿市に入っても延々と…あれ?途中で1号線に乗ってそこから亀山で25号線に入らなかったっけ?
そう気づくまで30キロかもうちょっと走っていた。鼓ヶ浦の辺りまで来て、漸くおかしいと思い始めたキッドさん。そういえばずいぶん前の青看板に1号線って表示があったような…。
観念してナビソフトを起動するとずいぶん南へ来ていた。
着せ替えスキンのウルトラマンがボタンを押すたびに
デヤッ!
シュワッチ!
と励ましてくれる。
たまに用もないのにセブンのとこタッチして
デュワ!
も頂いたりして。
結局、鈴鹿サーキットを横目に関まで走る。こののどかなこと。
山がちな土地に遅い午後の黄色い陽射し。
道路自体も多くなく交通量も少ない。実に快適なドライブ。

この前の知多半島でも思ったけど、こんな時にこんなことでもなきゃ二度と走らないであろう道を走って、二度と見られないであろう風景の中に自分がいる状況がとても好きだ。
もう一度来ようと思ってもたぶん覚えてないし、来たところで何もない。
だからこそ、通り過ぎてゆくこの一瞬の連なりがとても楽しい。

関インターから国道25号線バイパスで再び西へ。
ここから奈良県まで一本道だ。
久我~伊賀~山添ときて天理に向かう。
途中の伊賀の名阪上野ドライブインでトイレ休憩。
ココは昔、可愛い女の子と待ち合わせ場所にしたところでもある思い出のドライブイン。その真ん前のホテルが改装して名前が変わって数年。
久しぶりに通った名阪国道は相変わらず混んでて、上野ドライブインも外国人観光客が増えていた。

奈良県に入ると西名阪自動車道に直結する。ここから有料道路だ。1区間410円だったか430円だったか。
それも2区間越えたら大阪で、松原から阪神高速で文の里まですぐ。
渋滞も3キロくらいのもので、それもちょっと流れが悪い程度。
時間帯も良かったのかアッサリ高速を降りれば阿倍野区役所。
そっから天王寺駅を見ながら勝山通りへ。
生野区のいつものパーキングに停めて駐車券を見ると入庫時刻が17時59分だった。

三重県のタイムロスと、トイレ休憩が無ければ17時半くらいには着けていただろう。
まさかこんな早いと思わなかったので、得したような持て余してるような不思議な気分で車を降りてJRで天王寺、そして御堂筋線でなんば駅に向かうキッドさんであった。
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