526 / 1,328
第516回。帰ってきたウルトラマンのはなし
しおりを挟む
帰ってきたウルトラマン。
ウルトラQ、ウルトラマン、ウルトラセブンと続いたウルトラシリーズが帰ってきた!ということで始まった帰ってきたウルトラマン。
この当時は、こうした人気シリーズの「帰ってきた」が流行っていたらしい。
その後のウルトラシリーズもスポコンが流行ればレオが「ああなって」教師ものが流行れば80が出た。
どの作品も最終的には予算やストーリーの都合でシンプルにまとまっていったのだが、この帰ってきたウルトラマンも様々な波乱や新機軸を取り入れた意欲的な作品であったと言えよう。
まず主人公、郷秀樹がウルトラマンと一体化するのは初代マンの路線を踏襲している。だが、彼はベータカプセルやウルトラアイといった変身アイテムを持たない。
人間・郷秀樹として最大限の努力をし、戦い抜いた末にのみ変身することが出来るのだ。
このことを視聴者以上にわかっていなかったのは本編第2話の郷秀樹本人だった。
炎上し墜落寸前のマットアローの中で、ウルトラマンになれ!ウルトラマンになれ!と念じるもダメ。
挙句に帰ってきたウルトラマン本人に「お前それはダメだぞ」と叱られる始末。
いついかなる時も、人間・郷秀樹としての戦いが付きまとう今作。
無敵で完璧、スマートな初代マンとハヤタ隊員。
爽やかであまりに人間くさい、泥臭いところのある宇宙人、セブン。
この二人に対して、二枚目でありながらかなり苛烈な運命を背負ってしまった一般人の郷秀樹と、宇宙人。
当初はこのギャップに悩むことも多かった郷だったが、次第にMAT(地球防衛軍)とも打ち解け、自らの使命と戦いを知り成長してゆく。
まずこの人間ドラマ、郷秀樹という一人の男の成長の物語であるという点。
さらに時に美しく、時に残酷で、時に前衛的ですらある映像美の数々。
ウルトラシリーズ恒例のオープニング画面。毎回工夫を凝らし、今から不思議な物語が始まるよ!という物語の大事な導入部分となっている。帰ってきたウルトラマンのそれは、キラキラと輝く琥珀色の光が画面をクルクルと回転し、そこにマリンバか何かの音が響き渡る幻想的な数秒間。
私は数あるウルトラシリーズのオープニングでは、帰ってきたウルトラマンとウルトラマンタロウのが2トップだと思う。この2つは甲乙つけがたい。
シュールな映像で言えば、MATの紅一点、昭和美人顔の丘隊員の陰のある魅力全開の
狙われた女
の、夜の街かどや様々な色合いの照明を使ったカットの数々。
利発で冷静なイメージだった丘隊員が焦燥しきった顔をして、ふらふらと彷徨うように繁華街を歩く様は実に美しい。
そしてウルトラマンとなった郷秀樹に襲い掛かる試練の数々。
キングザウルス三世に敗北し、特訓を重ねる。
帰ってきたウルトラマン初の宇宙怪獣となる宇宙大怪獣ベムスターにも苦戦するが、ここで新兵器ウルトラブレスレットが登場する。このウルトラヒーローが新しく武器を獲得するというのも一つの大きなアトラクションだっただろう。まあ、なんたって万能すぎるほど万能だったわけで賛否はわかれるだろうけれど…。
帰ってきたウルトラマンでの最大のドラマと言えば、やはりナックル星人によって暗殺されてしまう坂田兄妹だろう。
この坂田さんは郷秀樹が働いていた自動車工場の若き社長であり、郷の一番の理解者であった。
仮面ライダーで言う立花のおやっさん的存在のもうちょい若いバージョンで、演じていたのは故・岸田森さん。そしてその妹、アキちゃん。丘隊員とは対照的に可憐で純朴な少女で、郷とアキちゃんは坂田家公認のカップルでもあった。
このアキちゃんのほかに、さらに弟の次郎君が居るのだが、幼い次郎君を残して兄と妹は宇宙人に殺されてしまう。父親と母親はすでに居ない模様で、郷は自分が親代わりになって次郎君と暮らし始める。
コレが最終回の別れのドラマにつながるのだが、確かにウルトラ5つの誓いは唐突な感じがする。
さらにさらにこの帰ってきたウルトラマンを特撮ファンに強く印象付けているのは、今なお名作と謳われる11月の傑作群と呼ばれる作品たちである。放送時の11月にコレが集中したことからそう呼ばれているのだが、この中でも許されざる命、怪獣使いと少年、悪魔と天使の間に……、落日の決闘がそれだ。どれもとても見ごたえのある作品だが、特に私は許されざる命、怪獣使いと少年、悪魔と天使の間に……、この三つは昭和特撮ドラマにおける傑作であるとさえ思う。詳しい内容は気になった方はレンタルや有料放送などで是非ご覧頂きたいし、知ってる人ならもう言わなくてもわかると思う。
でね、なんでこの11月の傑作選の人間ドラマが素晴らしいかと言えば。
これが帰りマン(この略し方も色んな種類があるけどとりあえず今更ながらコレで)だけじゃなく、たとえば初代ウルトラマンの故郷は地球、ウルトラセブンのウルトラ警備隊 西へ、ノンマルトの使者、超兵器R-1号、などでも言えることなのだが、要するに
ウルトラマンなのに、子供向けなのにこんなストーリーにしちゃいました!
って思うからおかしい。
普通に、一つの珠玉の人間ドラマを作ったと思えばいいのだ。
この際にウルトラマンとかは添え物に過ぎない。ウルトラマンというドラマの中で、世界の中で巻き起こった人間の物語。
それは、彼らが命がけで守ってくれたこの星で生きる我々に課せられた戦いであり難題なのだ。
帰ってきたウルトラマン。
この作品の魅力は尽きない。
さあ、ウルトラ5つの誓いを唱和して明日も頑張ろう!(唐突)
一つ、腹ペコのまま学校に行かぬこと!
一つ、天気の良い日に布団をほすこと!
一つ、道を歩く時には車に気をつけること!
一つ、他人の力を頼りにしないこと!
一つ、土の上を裸足で走り回って遊ぶこと!
ウルトラQ、ウルトラマン、ウルトラセブンと続いたウルトラシリーズが帰ってきた!ということで始まった帰ってきたウルトラマン。
この当時は、こうした人気シリーズの「帰ってきた」が流行っていたらしい。
その後のウルトラシリーズもスポコンが流行ればレオが「ああなって」教師ものが流行れば80が出た。
どの作品も最終的には予算やストーリーの都合でシンプルにまとまっていったのだが、この帰ってきたウルトラマンも様々な波乱や新機軸を取り入れた意欲的な作品であったと言えよう。
まず主人公、郷秀樹がウルトラマンと一体化するのは初代マンの路線を踏襲している。だが、彼はベータカプセルやウルトラアイといった変身アイテムを持たない。
人間・郷秀樹として最大限の努力をし、戦い抜いた末にのみ変身することが出来るのだ。
このことを視聴者以上にわかっていなかったのは本編第2話の郷秀樹本人だった。
炎上し墜落寸前のマットアローの中で、ウルトラマンになれ!ウルトラマンになれ!と念じるもダメ。
挙句に帰ってきたウルトラマン本人に「お前それはダメだぞ」と叱られる始末。
いついかなる時も、人間・郷秀樹としての戦いが付きまとう今作。
無敵で完璧、スマートな初代マンとハヤタ隊員。
爽やかであまりに人間くさい、泥臭いところのある宇宙人、セブン。
この二人に対して、二枚目でありながらかなり苛烈な運命を背負ってしまった一般人の郷秀樹と、宇宙人。
当初はこのギャップに悩むことも多かった郷だったが、次第にMAT(地球防衛軍)とも打ち解け、自らの使命と戦いを知り成長してゆく。
まずこの人間ドラマ、郷秀樹という一人の男の成長の物語であるという点。
さらに時に美しく、時に残酷で、時に前衛的ですらある映像美の数々。
ウルトラシリーズ恒例のオープニング画面。毎回工夫を凝らし、今から不思議な物語が始まるよ!という物語の大事な導入部分となっている。帰ってきたウルトラマンのそれは、キラキラと輝く琥珀色の光が画面をクルクルと回転し、そこにマリンバか何かの音が響き渡る幻想的な数秒間。
私は数あるウルトラシリーズのオープニングでは、帰ってきたウルトラマンとウルトラマンタロウのが2トップだと思う。この2つは甲乙つけがたい。
シュールな映像で言えば、MATの紅一点、昭和美人顔の丘隊員の陰のある魅力全開の
狙われた女
の、夜の街かどや様々な色合いの照明を使ったカットの数々。
利発で冷静なイメージだった丘隊員が焦燥しきった顔をして、ふらふらと彷徨うように繁華街を歩く様は実に美しい。
そしてウルトラマンとなった郷秀樹に襲い掛かる試練の数々。
キングザウルス三世に敗北し、特訓を重ねる。
帰ってきたウルトラマン初の宇宙怪獣となる宇宙大怪獣ベムスターにも苦戦するが、ここで新兵器ウルトラブレスレットが登場する。このウルトラヒーローが新しく武器を獲得するというのも一つの大きなアトラクションだっただろう。まあ、なんたって万能すぎるほど万能だったわけで賛否はわかれるだろうけれど…。
帰ってきたウルトラマンでの最大のドラマと言えば、やはりナックル星人によって暗殺されてしまう坂田兄妹だろう。
この坂田さんは郷秀樹が働いていた自動車工場の若き社長であり、郷の一番の理解者であった。
仮面ライダーで言う立花のおやっさん的存在のもうちょい若いバージョンで、演じていたのは故・岸田森さん。そしてその妹、アキちゃん。丘隊員とは対照的に可憐で純朴な少女で、郷とアキちゃんは坂田家公認のカップルでもあった。
このアキちゃんのほかに、さらに弟の次郎君が居るのだが、幼い次郎君を残して兄と妹は宇宙人に殺されてしまう。父親と母親はすでに居ない模様で、郷は自分が親代わりになって次郎君と暮らし始める。
コレが最終回の別れのドラマにつながるのだが、確かにウルトラ5つの誓いは唐突な感じがする。
さらにさらにこの帰ってきたウルトラマンを特撮ファンに強く印象付けているのは、今なお名作と謳われる11月の傑作群と呼ばれる作品たちである。放送時の11月にコレが集中したことからそう呼ばれているのだが、この中でも許されざる命、怪獣使いと少年、悪魔と天使の間に……、落日の決闘がそれだ。どれもとても見ごたえのある作品だが、特に私は許されざる命、怪獣使いと少年、悪魔と天使の間に……、この三つは昭和特撮ドラマにおける傑作であるとさえ思う。詳しい内容は気になった方はレンタルや有料放送などで是非ご覧頂きたいし、知ってる人ならもう言わなくてもわかると思う。
でね、なんでこの11月の傑作選の人間ドラマが素晴らしいかと言えば。
これが帰りマン(この略し方も色んな種類があるけどとりあえず今更ながらコレで)だけじゃなく、たとえば初代ウルトラマンの故郷は地球、ウルトラセブンのウルトラ警備隊 西へ、ノンマルトの使者、超兵器R-1号、などでも言えることなのだが、要するに
ウルトラマンなのに、子供向けなのにこんなストーリーにしちゃいました!
って思うからおかしい。
普通に、一つの珠玉の人間ドラマを作ったと思えばいいのだ。
この際にウルトラマンとかは添え物に過ぎない。ウルトラマンというドラマの中で、世界の中で巻き起こった人間の物語。
それは、彼らが命がけで守ってくれたこの星で生きる我々に課せられた戦いであり難題なのだ。
帰ってきたウルトラマン。
この作品の魅力は尽きない。
さあ、ウルトラ5つの誓いを唱和して明日も頑張ろう!(唐突)
一つ、腹ペコのまま学校に行かぬこと!
一つ、天気の良い日に布団をほすこと!
一つ、道を歩く時には車に気をつけること!
一つ、他人の力を頼りにしないこと!
一つ、土の上を裸足で走り回って遊ぶこと!
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる