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第625回。キッドさんは出光が好き。

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皆さんこんばんは!
ダイナマイト・キッドです。

小説家になろうでもアル・パチーノ、じゃねえやアルファポリスでも社会人だったり、下手すると私より多少年上という人も結構いらっしゃるようで。
いま予測変換でアルまで入れたらアル・パチーノが、ちゃんと「・」(なかぐろ、ってんだってなコレ)つきで出たんでつい…。
こんな小さな黒いただの「・」にも立派な名前があるんだな。マザー2やってたら、スカラベに落ちてたポーキーのアレにしか見えねえのに。

そんなわけで、オトナの皆さんはクルマの運転をなさる方も多いと思われます。
大阪なんか行きますと地下鉄もバスもあるしチャリがあればそれで事足りるって感じもしますが、私ら田舎モンは車が無いと成り立たない。
で車に必要なもの。それは思いやりとゆとりの心…んなわけあるかバァカ!
そーゆーのは、わっざわざ黒いエコカー様のプリウス買ってんのに重たく派手にデコってイキって軽トラ煽ってるバカとか、逆にスクラップみてえな黒いムーヴとかでイキってるパチンコ屋かコンビニからよく飛び出してきたり、道を譲らないと延々煽って来るオッサンとかの骨髄に刻め!
そんな運転免許証の書き換えのたんびに善良でルールを守ってるモラル溢れる運転者の皆さんだけが浴びせられる下らねえ御託とお為ごかしなんかよりずっと大事なもの。

それはガソリン。

皆さんはどこのガソリンを入れてますか?
私はずっと出光興産。

近所のガソリンスタンドが行きつけで、ここは私が生まれて初めてアルバイトをしたお店でもある。そういうわけで15歳の春からお世話になっております。
高校1年の1学期早々に母親からバイト探しを命ぜられ、求人情報誌をドサっと渡されました。
母子家庭の我が家。否も応もなく自分の小遣いは自分で稼ぐことに。
んでパラパラっとやっていたら最初の求人誌の真ん中ぐらいに、出光のガソリンスタンドの募集が。
ガソリンスタンドか。なるほどやってみるか。
特に深い考えもなく、家から近いのと時給が良かったんで応募してみることに。

電話をするとすぐに話がまとまり、早速履歴書なるものをしたためて行ってみると昔ながらのガソリンスタンド。そういえば子供のころからよく通る道だったが、そうかココか。
見慣れた景色の背景に、ひとつ入れるドアが増えた。そんな感じだ。
雑然とした事務所でマネージャーと面接。要するに店長さんだ。
その当時で還暦目前と言っていた。
特に問題もなくすぐ採用。されたのにはワケがあった。
私のあとにもバイトは入るのだが、続かないのだ。
私が面接をする直前に入った奴も即飛んだという。
まあ何しろガソリンスタンドのバイトは色々タイヘンだった。

最初は接客の練習からだ。
マニュアルを見ながら、お店がヒマな時間に代車のカローラ2に社員のコヤマさんが乗ってお客さんとして来店する。それを私がマニュアルを見ながらさばく…。結構難しいがセリフと動きを覚えればあとは早かった。私は覚えがイイというよりは、副店長(サブマネージャー、略してサブマネをみんな呼んでた)に
「オマエは何年もアブラ屋をやってるみたいだなあ」
と言われるほど口が達者だった。何しろ喋るのは苦にならないので、半年もすれば仲良くなったお客さんがちらほら出来た。長年そこで営業しているだけあって、お客さんもお店についてくれる人が多くて、そういう人は親切で優しかった。よく会員カードを返し忘れたり、燃料タンクの蓋を閉め忘れたりもした…。まだすぐそこで信号待ちしてるの見っけてダッシュで行って
パタン!
と閉めてまたダッシュで戻ったりしてたな。当然見つかって怒られたけど。

何しろ生まれて初めてのバイトなので知らないことだらけだった。
タイムカードを切るとか休むときはどうするとか、色々教わったっけな。
そのお店は家族で経営しているので、良くも悪くも従業員同士の距離感が近かったし、バイト同士も結構仲良く楽しくやっていた。けど、飲み会をやったりする雰囲気じゃなかったのも良かった。
よく求人誌に
バイト同士みんな仲良くて、休みの日にも集まって飲み会したりBBQしたりしてるんですよ☆
なんて書いてあるけど、んな職場死んでもゴメンだね。
何が悲しくてそんな完全に出来上がった地方のローカルFMの深夜放送みてえな雰囲気んとこに後から急に入りたがるんだってんだよ。
そんなもん、その輪からあぶれたか溶け込めなくて辞めてるに決まってるじゃん。もしくは噓っぱち書いてるか。どっちみちロクなもんじゃねえよ。
まあ、あの当時のバイトは高校生とか大学生が多かったし、二十代前半くらいのフリーターのお兄さんも大人しくて優しい人だったから、ホントに職場だけの付き合いで上手くいっていた…と私が思っているだけだったらどうしよう。
今じゃどこでどうしているやら。

実はいまだに、ガソリンスタンドのバイトで駆けずり回る夢を見る。
怒られたり、失敗したりする夢ばかり見る。
よほど心に刻まれたものと思われる。
書いてるうちにバイトのこと色々思い出したんで、また改めて書いてみようかな。

それでは、またあした!
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