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第753回。#リプで来たものについて語る プロレス漫画と私

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ツイッターでいただいたお題シリーズ3回目。
プロレス漫画について。
お題を募る際にプロレスとか漫画とか得意です!と書いたら、じゃあその二つを合わせて!ということで。なるほどディック・マードックとダスティ・ローデスが好きだと言ったら
「その二人、タッグ組んでたよ!」
と教えてもらった気分。ザ・テキサス・アウトローズですね。

でプロレス漫画。色々あるけれど、やっぱりプロレススーパースター列伝は外せないな。
当時まだ我が家の近所にも本屋さんが沢山あって、そこで中古の文庫本を買って読んだ。多分まだ小学生ぐらいだったので情報も少ないし、昔のレスラーどころか今現在のプロレスを追いかけるにもテレビ、新聞、雑誌が幾つかぐらいしかなかった。単行本は高くて手が出ないし、スポーツ新聞はエロ記事が恥ずかしくて買えない(もしかしたら買っちゃダメだったのかも…?そんなことはないか?)し、週刊誌もファイトは遂に一度も見ることなくなくなっちゃったし週刊ゴングと週刊プロレスを同時に買うほどお小遣いもない。
あと週刊誌の連載記事で昔の事を書いてたりもするんだけど、それも難しくてよくわからなかったりする。なので、こういう漫画、しかも中古っていうのが大変ありがたかった。
まあ内容は虚実ないまぜのもので頭から信じるには流石の小学校高学年のプロレスバカでもちょっと無理があるものや、逆に妙にリアルなものまで色々で結構面白かった。
マスカラス編で悪役レスラーに教わった温泉に湯治に行ったり、同級生のみならず街の青年団までボコボコにして敵なしだったハンセンはプロモーターに自分を売り込むのにドラム缶を絞め潰して見せたり。
あとでちゃんと自伝やインタビューなどを読んで、意外とホントだったことがあったりするとそっちのがビックリだったりして。

この駅前の本屋さんの話を思い出して、もう一つ記憶の引き出しが開いたんだけど、もう一軒の本屋さんでもプロレスの漫画買ってるんだ私。
このスーパースター列伝を買ったのは名豊ビル(これも今は取り壊されてしまった)の一階にあった小さな本屋さん。
で、もう一軒は豊橋駅の東口の、ファミリーマートのすぐ隣ぐらいにあった本屋さん。
当時は駅前に本屋さんが多かった。
ココで買ったプロレス漫画というのが
ジャイアント台風
の第一巻だった。一冊あたりが相当デカく、百科事典みたいな分厚い本だった。ジャイアント馬場さんについてもあまり知らなかったので、これも何度も読み返した。
まあ内容はスーパースター列伝とどっこいであるが、馬場さんがテキサスでフリッツ・フォン・エリックのアイアンクロー対策のために行った特訓が顔の上に土をかぶせて上からジープで踏むというウルトラマンレオもビックリの内容だったり、試合中に少年ファンがパンだったかハンバーガーだったかを差し入れてくれて、それを食って元気百倍になったりと昭和テイスト溢れるすっ飛び方で面白かった。
ただ私が読んだのは一巻だけで、その本屋さんにも、他のお店でもその後あまり見かけなくって。二巻は緑色の装丁だったと思うんだけど…高くて子供には手が出なかった。
本屋さんも減っちゃったしな。

とまあそんな感じで実在の選手を題材にした本が多かった。プロレスを題材にしたオリジナル作品って何を読んでたかな…深夜の馬鹿力のハガキ職人に「ジャンプ作品ではザ・モモタロウが良かったね」さん(そういうお名前なのだ)という方がいるけど、ザ・モモタロウも読んだことはないしなあ。

そんな私が30歳も超えようかという時になって読んだのが
霧隠サブロー先生の「魔装番長バンガイスト」

ジェントルメン中村先生の「プロレスメン」
だった。この二作品については個別に記事を書かせていただいたし、大のお気に入り作品だ。
バンガイストは主人公の仲間に架空のインディー団体と選手たちが沢山登場して大活躍する。霧隠サブロー先生は私から見ても相当のマニアで、しかも90年代の首都圏で行われていたインディー興行を相当見ていると思われる。実在の選手の名前や特徴をモチーフにしたキャラクターもおり、亡霊選手を見た時は
これは!!!
って思った。そういう細かいところもわかると面白いのがマニアの楽しみで、また書く側としてもわかってくれると嬉しかったりする。
ジェントルメン中村先生のプロレスメンも舞台は架空のインディー団体。こちらは完全にプロレスが主題の作品だが、現代的なプロレスの表舞台から舞台裏まで奮闘する一人の新人レスラーの日々を描きつつも、さっきのスーパースター列伝みたいな昭和的大ボラ吹き感覚による大袈裟で想定外の特訓や仕掛けを繰り出してくる。
試合中にゲロ吐き攻撃をお見舞いするけど、臭くないように試合前にヨモギをモリモリ食っておく、とか。一体どこからそんなことを思いつくんだ!と思うし、そのぶっ飛び方こそが
プロレス
という言葉の持つ魅力、魔力そのものだと言える。プロレスと漫画はその魅力を共有し合える大変親和性の高いジャンルであると言えよう。

意外なところでは初期のパタリロ!はプロレスネタが多いぞ。
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