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第868回。新・桃太郎伝説
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ドンドン!カッ!
というわけで今日は新・桃太郎伝説のお話。もう何年前のゲームソフトになるんだろうか。未だに私の中のベストゲーム10本に入るぐらい好きで、いつ遊んでも面白いRPGだと思う。
主人公は桃太郎で鬼退治に行く、っていうたったワンフレーズが、野を超え山を越え海も空も飛んで最後には世界の終末を迎える壮大なストーリーになってゆく。
新・桃太郎伝説究極本によれば原作のさくまあきらさんはこの作品を
文芸大作にする!
と意気込んでいたとのことだけれど、まさしくこれは日本の、アジアの宗教と歴史を詰め込んだエンターテインメント文芸大作。
鬼とヒトが大地を挟んで対立し、時には共存を望んだりもする。人は人同士で、鬼も鬼同士で争ったり愛し合ったりしている世界。
そこで生きる人々の暮らしが、あの小さな灰色のロムカセットに凝縮されて存在している。そんなソフト。
物語は前回の鬼退治が終わった後。
桃太郎がエンマ大王様に勝利してから6年後の世界。
地獄ではエンマ大王様が鬼族の裁きを受けて奈落の底で幽閉の憂き目を味わっていた。そして桃太郎はおじいさん、おばあさんと静かで平和な日々を送っていた。
が、エンマ大王様の不在をいいことに自らの派閥を強化しのし上がろうとする一人の鬼が居た。それが日本のRPG史上最悪の呼び声も高いカルラである。
カルラは元々位の低い貧乏な鬼族として生まれた。体格にも、武芸の才にも恵まれなかった彼だがただひとつ。ひたすら悪知恵だけは働いた。地獄の豊臣秀吉みたいな奴だ。ただ智将というよりはド畜生で、とにかく血も涙も義理も人情も何もなく、己がのし上がるためになら使えるモノは何だって使った。
この冷酷非道なカルラが率いる鬼たちに対して、愛と勇気と正義と希望をもってタチムカウのが桃太郎たち。
んが、まあここで言う勇気が桃太郎、希望が金太郎でこの二人はまだしも。
正義の浦島太郎と愛の夜叉姫はあんまり使わなかった。メンバーは固定ではなく、大勢の仲間たち(中にはレアな条件を満たさないと加わってくれないキャラもいる)から桃太郎以外は自由に組み合わせることが出来る。
中には夜叉姫やあしゅらたん、前作のラスボスで作中でも最強を誇るエンマ大王様などの鬼族もいるし、敵として出てくる黒河童や貧乏神まで仲間になる。それに福の神、作中ではお金や道具を預かってくれる「といちや」というキャラまで仲間になる。お金次第でどんな術でも攻撃でもこなしてくれるが、お金が払えないと何もしてくれないシビアな奴だ。
あと珍しいのは雷神&風神。コイツら要所で登場して散々こっちを痛めつけてくれるんだけど終盤で仲間になる。いわばタッグ屋なのでシングルでも十分強いが、二人いっぺんに仲間に居ると大変心強い。ロード・ウォーリアーズみたいなやつらだ。元はエンマ大王様直属の鬼で、エンマ大王様に共鳴して戦っていたのがカルラ政権に嫌気がさしていたのだ。あしゅらたんも同様で、戦って桃太郎たちの生き方に共鳴してくれる。
このあしゅらたんの素早さ、華麗さ、そして撃たれ弱さにはほれぼれするね。何しろ防具は絹の布切れ一丁。古典落語で言う錦の袈裟だったら、与太郎にかっぱらわれて褌にされそうな勢いのものしか装備できない。
だからどんなザコの一撃でも致命傷になる可能性がある。が、それを補って余りある個性的かつ使いこなせばかなり有効な妖術の数々。
浦島太郎が終盤のイベントで強制的に離脱するのをいいことにサッサと後釜に座らせるのだ。
長大な物語の中には悲劇もあれば、アホな敵と音痴なボスが出てくる村もある。この音痴ボス、こと猿の ましら も仲間になるうえ使いこなすとコイツも相当強い。
王道のストーリーどころかほぼお馴染みの主人公と物語をたたき台にした自由度の異様に高い、それでいて不思議で不親切きわまりない、不気味な敵や理不尽なストーリーまで飽きの来ない出来上がりになっている作品です。
私は最終メンバーに
桃太郎
はらだし
えんま様
あしゅら
を選びました。勝つことしか考えないならコレです。
でもたまに
桃太郎
ましら
雪だるま
といちや
とかでやってみたくなる。
シャッフルしたり、他にも色々出てくる仲間を全員ちゃんと一度は使ってみたりして遊ぶのもいい。
ココに書いただけじゃなく、もっと色んなのが出てきて楽しい。
それぞれにちゃんと性能があって個性があって、ホントにコレが93年だか94年ぐらいのゲームなのか!?と思うほど。たぶんマザー2と同じくらいで、クロノトリガーより全然前だった。でもクロノトリガーと比べて劣る点はとにかくシステム。カーソルの動きとか仲間の歩きとかそういうの。ストーリーやゲームの遊び要素で言えばスーパーファミコン末期の超大作にも全く引けを取らない。
私は今ここに挙げたマザー2、クロノトリガー、新・桃太郎伝説がスーパーファミコンのRPGトップ3で、ファイナルファンタジーもドラゴンクエストも別に通って来なかった。ドラクエは6をやったけどいきなり6だったから…もっとちゃんと初代とか、せめて3とかからやってればよかったのかも。でも
国民的ナンチャレ
とかいう言葉がその頃から好きじゃなかったので、これで良かったんだろうなーと今も思う。それぐらい、ある一方を通らなかったことによる空白を埋めてなお余りあるぐらいの文化性を持っている。幕張を埋め立てるつもりが三浦半島まで地続きにしちゃったようなもんだ。
とにかく不親切なところはとことん不親切で、おそらくそれは当時の限界だったのだと思う。ゲーム性やストーリーのために早くに見切りをつけていた可能性もある。究極本を読む限り、まだまだもっと詰め込みたいことはあったし、出したいキャラもあったようなので…。
さくまあきらさんがご健在のうちにどうにか、そのまんまでいいからまた新しいハードで出してくれねえかな。もう実機じゃ怖くて…。
仕事辞めたら、またゆっくり遊びたいんだけどなあ。
というわけで今日は新・桃太郎伝説のお話。もう何年前のゲームソフトになるんだろうか。未だに私の中のベストゲーム10本に入るぐらい好きで、いつ遊んでも面白いRPGだと思う。
主人公は桃太郎で鬼退治に行く、っていうたったワンフレーズが、野を超え山を越え海も空も飛んで最後には世界の終末を迎える壮大なストーリーになってゆく。
新・桃太郎伝説究極本によれば原作のさくまあきらさんはこの作品を
文芸大作にする!
と意気込んでいたとのことだけれど、まさしくこれは日本の、アジアの宗教と歴史を詰め込んだエンターテインメント文芸大作。
鬼とヒトが大地を挟んで対立し、時には共存を望んだりもする。人は人同士で、鬼も鬼同士で争ったり愛し合ったりしている世界。
そこで生きる人々の暮らしが、あの小さな灰色のロムカセットに凝縮されて存在している。そんなソフト。
物語は前回の鬼退治が終わった後。
桃太郎がエンマ大王様に勝利してから6年後の世界。
地獄ではエンマ大王様が鬼族の裁きを受けて奈落の底で幽閉の憂き目を味わっていた。そして桃太郎はおじいさん、おばあさんと静かで平和な日々を送っていた。
が、エンマ大王様の不在をいいことに自らの派閥を強化しのし上がろうとする一人の鬼が居た。それが日本のRPG史上最悪の呼び声も高いカルラである。
カルラは元々位の低い貧乏な鬼族として生まれた。体格にも、武芸の才にも恵まれなかった彼だがただひとつ。ひたすら悪知恵だけは働いた。地獄の豊臣秀吉みたいな奴だ。ただ智将というよりはド畜生で、とにかく血も涙も義理も人情も何もなく、己がのし上がるためになら使えるモノは何だって使った。
この冷酷非道なカルラが率いる鬼たちに対して、愛と勇気と正義と希望をもってタチムカウのが桃太郎たち。
んが、まあここで言う勇気が桃太郎、希望が金太郎でこの二人はまだしも。
正義の浦島太郎と愛の夜叉姫はあんまり使わなかった。メンバーは固定ではなく、大勢の仲間たち(中にはレアな条件を満たさないと加わってくれないキャラもいる)から桃太郎以外は自由に組み合わせることが出来る。
中には夜叉姫やあしゅらたん、前作のラスボスで作中でも最強を誇るエンマ大王様などの鬼族もいるし、敵として出てくる黒河童や貧乏神まで仲間になる。それに福の神、作中ではお金や道具を預かってくれる「といちや」というキャラまで仲間になる。お金次第でどんな術でも攻撃でもこなしてくれるが、お金が払えないと何もしてくれないシビアな奴だ。
あと珍しいのは雷神&風神。コイツら要所で登場して散々こっちを痛めつけてくれるんだけど終盤で仲間になる。いわばタッグ屋なのでシングルでも十分強いが、二人いっぺんに仲間に居ると大変心強い。ロード・ウォーリアーズみたいなやつらだ。元はエンマ大王様直属の鬼で、エンマ大王様に共鳴して戦っていたのがカルラ政権に嫌気がさしていたのだ。あしゅらたんも同様で、戦って桃太郎たちの生き方に共鳴してくれる。
このあしゅらたんの素早さ、華麗さ、そして撃たれ弱さにはほれぼれするね。何しろ防具は絹の布切れ一丁。古典落語で言う錦の袈裟だったら、与太郎にかっぱらわれて褌にされそうな勢いのものしか装備できない。
だからどんなザコの一撃でも致命傷になる可能性がある。が、それを補って余りある個性的かつ使いこなせばかなり有効な妖術の数々。
浦島太郎が終盤のイベントで強制的に離脱するのをいいことにサッサと後釜に座らせるのだ。
長大な物語の中には悲劇もあれば、アホな敵と音痴なボスが出てくる村もある。この音痴ボス、こと猿の ましら も仲間になるうえ使いこなすとコイツも相当強い。
王道のストーリーどころかほぼお馴染みの主人公と物語をたたき台にした自由度の異様に高い、それでいて不思議で不親切きわまりない、不気味な敵や理不尽なストーリーまで飽きの来ない出来上がりになっている作品です。
私は最終メンバーに
桃太郎
はらだし
えんま様
あしゅら
を選びました。勝つことしか考えないならコレです。
でもたまに
桃太郎
ましら
雪だるま
といちや
とかでやってみたくなる。
シャッフルしたり、他にも色々出てくる仲間を全員ちゃんと一度は使ってみたりして遊ぶのもいい。
ココに書いただけじゃなく、もっと色んなのが出てきて楽しい。
それぞれにちゃんと性能があって個性があって、ホントにコレが93年だか94年ぐらいのゲームなのか!?と思うほど。たぶんマザー2と同じくらいで、クロノトリガーより全然前だった。でもクロノトリガーと比べて劣る点はとにかくシステム。カーソルの動きとか仲間の歩きとかそういうの。ストーリーやゲームの遊び要素で言えばスーパーファミコン末期の超大作にも全く引けを取らない。
私は今ここに挙げたマザー2、クロノトリガー、新・桃太郎伝説がスーパーファミコンのRPGトップ3で、ファイナルファンタジーもドラゴンクエストも別に通って来なかった。ドラクエは6をやったけどいきなり6だったから…もっとちゃんと初代とか、せめて3とかからやってればよかったのかも。でも
国民的ナンチャレ
とかいう言葉がその頃から好きじゃなかったので、これで良かったんだろうなーと今も思う。それぐらい、ある一方を通らなかったことによる空白を埋めてなお余りあるぐらいの文化性を持っている。幕張を埋め立てるつもりが三浦半島まで地続きにしちゃったようなもんだ。
とにかく不親切なところはとことん不親切で、おそらくそれは当時の限界だったのだと思う。ゲーム性やストーリーのために早くに見切りをつけていた可能性もある。究極本を読む限り、まだまだもっと詰め込みたいことはあったし、出したいキャラもあったようなので…。
さくまあきらさんがご健在のうちにどうにか、そのまんまでいいからまた新しいハードで出してくれねえかな。もう実機じゃ怖くて…。
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