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ファーストサマーウイカさんのラジオが終わってしまったよ

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ファーストサマーウイカさんのオールナイトニッポン0(以下ANN0)が最終回を迎えてしまって寂しい。テレビを全く見なくなり、ラジオも無数にあるもんだから追いきれなくなって諦めて、TBSの深夜の馬鹿力ぐらいしか聞いて居なかった。それがTwitterでラジオが好きな人と繋がったり切られたりしているうちに空気階段の踊り場を聞き始め、腹を抱えて笑い、佐久間宣行さんのANN0を聞いて面白かったので聞き続けるようになり。
そうこうしているうちに番宣CMで耳にした月曜のANN0担当がファーストサマーウイカさんだった。
そういえばTL(Time Line=タイムライン)(←プロレスマニアにはお馴染み、フミ・サイトーさんのエッセイでよくある表記)に流れて来るradiko様のシェアツイートで時々みかけるなあ。あの人、何者なんだろう?

名前からしてお笑いの人なのか、それともモデルさんなのか?
はたまた歌手……?
どのラジオも通勤中にradiko様で聞いているので、どうせならと検索してみると、シュっとした美人なのにマイクを引っ掴んでコッチを睨んでいる。ああ、この顔だ!TL(Time Line=TinTin Libertyの略ではない)でよく見る顔!

なんとなく、シュっとした女の人がイケ好かないオシャレや芸能のオシゴトの話なんかをしてやがるのかと思ってたのが、番宣CMの良くも悪くも賑やかでチョイ下品な感じと、あのマイクを引っ掴んでる時の顔で
(もしかすると大丈夫なのかも?)
と思えて来て、物は試しと聞いてみたのが三時のヒロインの福田麻貴さんがゲストの回だった。
テレビを見なくなって、ネットも結局は自分の好きなものだけ見ているから、興味の埒外から何か流し込まれることが、良いことも嫌なこともぐっと減って。
福田さんのことも知らなければ、ウイカさんのことすらよく知らないで聞き始めた「スペシャル番組」が、殊の外おもしろくって。
ミナミのバーで隣の席に座ってたお姉さん2人組の話がすげえ面白い
そんな感じだった。それで、次の週からも聞き始めて、最終回まで何度か聞き逃しつつもずっと聞いてた。

綾小路翔さんの回なんかサイコーだったなあ…スペシャル回のトークが特に面白くって、普段もネタコーナーに行くまでの色んなお喋りが好きだった。
適度に無礼で、時々媚びて、怒られない程度にセクシーで。

ネタコーナーといえば、最終回でもメールが読まれてた藤原基央スマブラ参戦さんは、確かにこの番組で読まれるようになって名前も憶えた(覚えやすい名前だったし)ころに、他の番組でも読まれてることに気付いてさ。
けど、スマブラさん、ウイカさんの番組で読まれるメールは結構おとなしいというか、優しかったな!?
あんたマヂカルラブリーとかCreepy Nutsの時もっとバカで下品なこと書いてたじゃん!クラスの根暗男子と一軍の女の子とでTPOを弁えた喋りをしてるけど、それが根暗男子にバレてるみたいでちょっとニヤニヤしていた。オレ好きだけどな、スマブラさんのちょっと下品だけどセンスあるネタ。自転車チートの回とか。Twitterとかやってんのかな…?

年明けに予定されてたベッド・インとでか美ちゃんとの四つ巴スペシャルが延期になった時に、もしかするとこれは間に合わないかも…と思っていた。
しかして無事に四人によるスペシャル番組は決行され、四人寄ればマン、いや文殊の痴恵とばかりにサイコーにしてサイテーの90分が過ぎて行った。
ベッドインはベッドインで中川ホメオパシーさんの漫画やTwitterで知って以来ずっと応援してたし、かおりさんのプロレスマニアぶりはよくある「ニッチ狙い」でないことは、あの人のビデオラックを見れば一目瞭然。まさかウイカさんと二人して葛西純さんのデスマッチまで見に行ってるとは思わなかったけど……流石かおりさんだなあ。

四人ともイメージがあったうえでの言うだけヤリマンであるのは変わらないにしても、あんだけの質量で喋られたらバンザイするしかない。福田さんとのトークがミナミのバーなら、アッチは日宝三ツ寺会館の地下の乱痴気騒ぎに近い。

最終回と聞いた時に寂しいながらも驚かなかったのは、落ち目で終わるわけじゃないのが明らかだったからだった。ドラマにバラエティー番組に歌にと、こんだけ忙しい人が毎週月曜の夜中3時に起きてて、仕事として喋ってるんだもん。
どう考えたって無理がある。いつかぶっ壊れてしまうんじゃないか。心の何処かで、いつもそう思ってた。
今が働き盛りで、人生は毎秒その時その場の自分がいちばん若い。
だけど、それを永遠に浪費し続けることは出来ない。

ウイカさんは最後の最後まで、未練も悔しさも包み隠さずぶちまけてくれた。
結局この人の良さ、素敵さ、可愛さは、そう言うところに尽きるのだと思う。
下ネタやセクシーなことを言うのではなく、媚びたり失礼ぶっこいたり泣いたり笑ったりすることを、良くも悪くも隠さない。言わないだけ、出さないだけのことはあっても、あんまり嘘や作りが無いように思えて。
だから、私みたいな門外漢の肥満児でも、取っ付きやすかったし、一度ちゃんと聞いてしまえばあとは惹かれるばかりだった。

ウイカさんは遅くまで開いてるお店のママで、リスナーは飲みに来るお客のような関係性の番組だったんじゃないかな。

いきなりソブエさんて人が出て来てエロそうでエロくない、だけど結局ちょっとエロい話をしていったけれど、あんなイイ話をされた後だと
「私たちレベルになるとカニ、食いながらエロトーク全然する」
みてえな、ヨソで聞いたら前田VSアンドレばりに、太ももの裏が真っ黒になるまで蹴り込んでやりたくなるようなフレーズも納得するしかない。
私もソブエさんのレジュメ出来る限り聞いてみたいと思ったし……!

これだけ娯楽もコンテンツも溢れた世の中で「私にとって〇〇は~」なんて、そうそうそんな御大層な物語なんかあるかい、と思っていたけれど。
御大層なもんじゃないけど、その人ひとりひとりの小さな物語が集まって、大きなうねりになるんだな。久しぶりに一つの終わりに立ち会って、そんなことも改めて思いました。

私にとっては「ギャップ萌えからの一目惚れ」だったウイカさんの一人遊び、いや一人喋りが毎週コンスタントに聞けなくなるのは寂しいけれど、あんだけジタバタして去って行った人だから、タダじゃ転ばないと思うし、マンをジイしての再登板や、オールナイトニッポン本チャンでの返り咲きにも期待しつつ。

次の世界への扉が開かれた(Open the Door)のだと思って今後も応援しております。
開くものがあれば閉じる場所もある。ずっと開きっぱなしじゃ有難みもないし、乾いちゃうからな。
何が?涙腺だよ!
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