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アックス第149号 感想
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今回、残念ながら一押しの「めだかのこ」がお休みなのだけれど。
目当ての漫画があって買い始めた雑誌で他にも好きな作品が見つかるというのが、我ながら豊かでいいなと独り言ちている次第です。ドブリンさんも見かけないなあ…。
まどの一哉さん
「猿渡教授の華麗なる戦い」
黒山羊の陰謀。今回は山羊の旧友と再会する猿渡教授。
途中から読み始めたのでよくわかってなかったけど、どうも猿渡教授はサル科の動物らしい。
そしてお友達は山羊。異星からやってきた動物宇宙人たち、というのが各地に住み着いている日本っぽい国で、山羊さんは失業中。面接に行ったのは山羊の牧場。
放牧する山羊を貸し出すサービスはホントにあって、ウチの近所の会社も行っている。そこの社長さんが山羊大好きで、NPO法人か何か立ち上げて自分トコの敷地で普段はメーメーと草を食んでいる。
でコッチの悪い山羊、その名も黒山羊は牧場の山羊たちを操って次々と山羊系の宇宙人を本物の山羊に変えてしまっていた。それに気づいた猿渡教授が乗り込み巨大化。
手下の山羊人たちに囲まれ、輪の中に入ると山羊にされてしまう!
しかし黒山羊の、古式ゆかしきヘソで投げるバックドロップを喰らう猿渡教授。
が!この時に、猿渡教授は輪の外へ。黒山羊は山羊たちの輪の中へ。
意外なフィニッシュで事件は解決。ミドルの転職も楽じゃない、と結ぶ。
いいオチだ…!
毎度、まどの一哉さんの描くプロレス技の見事なこと。
それもちょっと楽しみにしています。
清水沙さん
「BLUE BELL KNOLL」
何故か川べりのコンクリート堤防で座り込む金髪ショートカットで痩せ気味の女性。
三ツ寺会館に夜、居そうなお姉さんだ。
タバコ吸ってないところが若そうに見えていい。可愛いし。
そこへ覆面みたいな顔のユリカモメが一羽。夏羽、とは誰なのか。
そしてユリカモメが招くように何処かへ向かう。それを、ついつい追いかける主人公。
何度も試されるように追いかけては、町の中を東へ西へ。
巨大な水門の絵が精緻で、生活感とか身近さを感じられていい。
だけど結局、見つかったのはラムネの瓶。
ユリカモメに向かって踊りながら語り掛ける爽やかな幕切れ。そして
うんと先に会える予感
を残して物語は終わる。午後の(たぶん14時ぐらいじゃねえかな)ひと時、町の片隅。
ツージーQさん
「ぶどう園物語 第十一話」
コマ送りのように進む日々、スターリンと別れて自分の人生を歩む日々。そこに詩を添えるように寄せてある言葉たち。
当時の時代というか、世相みたいなものが背景にずっと流れてて、でも決してその中に馴染んでいない主人公の立場の浮き方がとてもいい。
夢の中に愛は無かった
夜はいつでも重い心
とてもいい言葉。そして自身も暑苦しい歌手とともに足掛かりを掴みつつあるなか(何となく居心地の悪そうなバンドに思うのは私の社交性の無さゆえか?)テレビで躍進するスターリンを目撃する。うらやましい、と正直な心情が吐露される。
その後も意地にすがって続けた音楽。なんの予感も生まれなくなっても、また生まれ変わっても音楽をやめたりはしないだろう、と言いつつ、内側から外側へ白い鳥が飛んで行く。
よるのなおこさん
「うみのきさき」
なんとなく舞台が四国の海のそばなのかな?と思うのは、たぶん私が西原理恵子さんの愛読者だからだろう。海が近いところの、女の人の物語は寂しくて美しい。
元気な女の子と、妙齢の美女。とてもきれいなひとだけど、ひと目見て、何かが壊れている感じがする。儚く、放っておけないのに、何処へも連れ出せ無さそうな。そんな人。
赤ちゃんがヨチヨチ歩いてどっか行っちゃいそうなのを見て、足なのかな、と。
神様が待ってる双六をして、なかなか上がり(HEAVEN)に行けないなあ、と。
そしてお姉さんの大事な十字架。
少女は引っ越し先が決まって、このお姉さんの実家の離れから近くの町へと去ってゆく。
そしてお姉さんの夢を見る。海に行きたい、泳いでみたいというお姉さんは人魚だった。
お姉さんは、もう家に居なかった。よかった、よかったねえ、と近所のおばあちゃんがしきりに言う。
文章では、いつも杉作J太郎さんのコラムが面白い。
気に食わないとか、不満であるとかじゃないけど、つまらないと思う。
この「つまらないな」と思う、豊かさがぽろぽろと剥がれて落ちてしまうような感覚。
変わってゆくことの是非じゃなく、良くも悪くも変わってゆく中で、どう感じて過ごすのか。っていう。
だぶだぶの制服で料金所に居た女の子、今どうしているのかなあ……。
あの日あの時あの場所でしか会えなかった人だったんだ、と、後になって思う人って結構いる。
そういう機会を奪ってしまうかわりに、一体何を得るんだろうか。
目当ての漫画があって買い始めた雑誌で他にも好きな作品が見つかるというのが、我ながら豊かでいいなと独り言ちている次第です。ドブリンさんも見かけないなあ…。
まどの一哉さん
「猿渡教授の華麗なる戦い」
黒山羊の陰謀。今回は山羊の旧友と再会する猿渡教授。
途中から読み始めたのでよくわかってなかったけど、どうも猿渡教授はサル科の動物らしい。
そしてお友達は山羊。異星からやってきた動物宇宙人たち、というのが各地に住み着いている日本っぽい国で、山羊さんは失業中。面接に行ったのは山羊の牧場。
放牧する山羊を貸し出すサービスはホントにあって、ウチの近所の会社も行っている。そこの社長さんが山羊大好きで、NPO法人か何か立ち上げて自分トコの敷地で普段はメーメーと草を食んでいる。
でコッチの悪い山羊、その名も黒山羊は牧場の山羊たちを操って次々と山羊系の宇宙人を本物の山羊に変えてしまっていた。それに気づいた猿渡教授が乗り込み巨大化。
手下の山羊人たちに囲まれ、輪の中に入ると山羊にされてしまう!
しかし黒山羊の、古式ゆかしきヘソで投げるバックドロップを喰らう猿渡教授。
が!この時に、猿渡教授は輪の外へ。黒山羊は山羊たちの輪の中へ。
意外なフィニッシュで事件は解決。ミドルの転職も楽じゃない、と結ぶ。
いいオチだ…!
毎度、まどの一哉さんの描くプロレス技の見事なこと。
それもちょっと楽しみにしています。
清水沙さん
「BLUE BELL KNOLL」
何故か川べりのコンクリート堤防で座り込む金髪ショートカットで痩せ気味の女性。
三ツ寺会館に夜、居そうなお姉さんだ。
タバコ吸ってないところが若そうに見えていい。可愛いし。
そこへ覆面みたいな顔のユリカモメが一羽。夏羽、とは誰なのか。
そしてユリカモメが招くように何処かへ向かう。それを、ついつい追いかける主人公。
何度も試されるように追いかけては、町の中を東へ西へ。
巨大な水門の絵が精緻で、生活感とか身近さを感じられていい。
だけど結局、見つかったのはラムネの瓶。
ユリカモメに向かって踊りながら語り掛ける爽やかな幕切れ。そして
うんと先に会える予感
を残して物語は終わる。午後の(たぶん14時ぐらいじゃねえかな)ひと時、町の片隅。
ツージーQさん
「ぶどう園物語 第十一話」
コマ送りのように進む日々、スターリンと別れて自分の人生を歩む日々。そこに詩を添えるように寄せてある言葉たち。
当時の時代というか、世相みたいなものが背景にずっと流れてて、でも決してその中に馴染んでいない主人公の立場の浮き方がとてもいい。
夢の中に愛は無かった
夜はいつでも重い心
とてもいい言葉。そして自身も暑苦しい歌手とともに足掛かりを掴みつつあるなか(何となく居心地の悪そうなバンドに思うのは私の社交性の無さゆえか?)テレビで躍進するスターリンを目撃する。うらやましい、と正直な心情が吐露される。
その後も意地にすがって続けた音楽。なんの予感も生まれなくなっても、また生まれ変わっても音楽をやめたりはしないだろう、と言いつつ、内側から外側へ白い鳥が飛んで行く。
よるのなおこさん
「うみのきさき」
なんとなく舞台が四国の海のそばなのかな?と思うのは、たぶん私が西原理恵子さんの愛読者だからだろう。海が近いところの、女の人の物語は寂しくて美しい。
元気な女の子と、妙齢の美女。とてもきれいなひとだけど、ひと目見て、何かが壊れている感じがする。儚く、放っておけないのに、何処へも連れ出せ無さそうな。そんな人。
赤ちゃんがヨチヨチ歩いてどっか行っちゃいそうなのを見て、足なのかな、と。
神様が待ってる双六をして、なかなか上がり(HEAVEN)に行けないなあ、と。
そしてお姉さんの大事な十字架。
少女は引っ越し先が決まって、このお姉さんの実家の離れから近くの町へと去ってゆく。
そしてお姉さんの夢を見る。海に行きたい、泳いでみたいというお姉さんは人魚だった。
お姉さんは、もう家に居なかった。よかった、よかったねえ、と近所のおばあちゃんがしきりに言う。
文章では、いつも杉作J太郎さんのコラムが面白い。
気に食わないとか、不満であるとかじゃないけど、つまらないと思う。
この「つまらないな」と思う、豊かさがぽろぽろと剥がれて落ちてしまうような感覚。
変わってゆくことの是非じゃなく、良くも悪くも変わってゆく中で、どう感じて過ごすのか。っていう。
だぶだぶの制服で料金所に居た女の子、今どうしているのかなあ……。
あの日あの時あの場所でしか会えなかった人だったんだ、と、後になって思う人って結構いる。
そういう機会を奪ってしまうかわりに、一体何を得るんだろうか。
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