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第二章「毒親母子家庭育ちの怪力巨大小学生が死神(本物)&サムライ(本物)と恩人探しの旅に出たよ」
1. 荒涼たる世界で偽太陽に背いて
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「なあーシローのおじさあん」
「だあーから、俺をおじさんって呼ぶな、ヒジリ!」
「じゃじゃじゃ、じゃあーなんて呼べばいいんだあ?」
「うーーん、なんかあんだろ、もっと若い感じの」
「シロリン」
「それじゃ銭湯の風呂桶だよ」
「しろっち」
「バンダイナムコのオモチャじゃねえんだ、たまごっちだよそれじゃ」
「なあー、もういいだろぉシローのあんちゃん!」
「おっ、それだ」
「へえ?」
「あんちゃんでいいよ、いいじゃねえか。あんちゃん」
「福山雅治のようであるのぅ」
「酒井殿、些かたとえが古くないか?」
「拙者は古い人間であるからな」
「平成のトレンディドラマに詳しいサムライが居てたまるかって」
元死神で任務に失敗したために追放され能力も失った男は神田詩郎と名乗り、現世でたこ焼きの屋台を切り盛りしていた
そもそものきっかけは毒親母子家庭育ちの身長197センチ、体重100キロを超える巨大小学生の篁 聖(タカムラ ヒジリ)が発する心のSOSをキャッチしてお望みどおりに命を頂戴しようとしたところ、たこ焼きの屋台主でもある奥戸利保によって妨害されてしまった。その挙句、かわりに奪うつもりだった奥戸の命も取り逃したことで詩郎は死神をクビになり、彼らの世界から追放されてしまったことだった
仕方がないので奥戸の説得により弟子入りした(?)詩郎は自らも屋台に立ち、日々たこ焼き修行に励んでいた。しかし、ある日そこに突如として出現した異形のタコ人間によって奥戸は連れ去られてしまう。自らも絶体絶命のピンチに立たされた詩郎を助けに来たのは現代にフラリとやって来て、奥戸の屋台でたこ焼きを食べて感銘を受けたという正真正銘のサムライであり剣豪の酒井正次郎親保だった
酒井、そして毒親と決別したヒジリは詩郎に奥戸救出を申し出る。詩郎は全ての事情を話し、彼らを伴って死神の世界へと舞い戻ることにした
死界を追放された裏切り者の元・死神として……
「して、詩郎殿。死神の世界とやらへは如何にして向かうのだ?」
「そだそだあ、オラァもそれが聞きたかっただぁよ」
「ああ、それはな──
三人して白昼の街中をほっつき歩きながら詩郎が話し始めた
この世には、目に見えてないだけで見ているはずの有象無象が数多ある。死神族もその一つで、死神の世界・死界への入り口もまた目に見えてないだけで何処にでも存在しているのさ。みんなが日常、何気なく通り過ぎている見知らぬ古い扉、地下鉄の階段のタイルが剥がれたところ、棄てられて朽ち果てた廃車のドア。なんでもいいのさ。そこにドアがあれば死神の国と繋がってる。だけど、まあなるべく目立たなくて人のいない場所が良いわな。イチイチ迷い込んで来られちゃかなわんし……
そんなわけで、君たちの知らないだけで死神の世界へのドアはそこかしこに存在しているのだ……ん? どうした?
「む、なんだか視線を感じてな」
「サムライのおじさんもかぁ、オラァもなんだか胸騒ぎがするだぁよ」
そりゃあまあ、白昼に世界のミフネ顔負けのサムライルックと筋骨隆々で身長197センチの小学生、そして赤目に銀髪で黒ずくめの男がマントをなびかせて並んで歩いてたら野次馬も出そうなもんだが
「否。衆目の向こう側に、何やら異形の気配がする」
「オラたち目立つけども、明らか悪意を感じる奴が混じってラァ」
どうもヒジリはたった一人の肉親であり猛烈な毒親だった母から受けた様々な暴言・暴力によって何か感覚の中に研ぎ澄まされてしまった部分があるようだ。ヒトの持つ悪意や憎悪、嫌悪、そうしたイヤな部分に対しての神経が摩耗し削れてしまった結果……そこだけが悲しいくらい鋭敏になっているのだろう。逆に鈍麻し何も感じなくなり、感覚(sense)自体が死んでしまう奴も居るが……ヒジリは自らを殺そうとするあまりに感覚まで研ぎ澄ましてしまったらしい
「詩郎殿、如何致すか」
「流石にこんな街中じゃあ襲って来ねえんでネェかあ?」
「さあーな、何しろソイツらは最早ニンゲンですらねえ、ニンゲンだった頃の記憶も無ね。ただの純粋な
バサッ!
突然、駅前通りの歩道に群がる野次馬をすり抜けるように伸びた触手を酒井の居合斬りが打った。ぽーん、と切り捨てられた触手の先っちょがすっ飛んで行って自転車道にボトリと落ちた
「キャーー!」
無意味で自意識過剰な悲鳴を上げる中年女が喧しい。自分がこの白昼の悪夢の主人公にでもなったつもりだろうか、残念だがお前は──
「あっ、オバハンが食われるぞぅ!」
「いかん、間に合わんか」
残念だがお前は、名もなき犠牲者その1に過ぎない
「純粋な悪意そのもの、だからな。ヒトなんか幾ら居やがったって構いやしねえのさ」
喧しく癇に障る中年女を、斬られた触手の先に居たタコ人間が音もなく丸飲みにした。中年女はお望み通り悲劇の主人公になった瞬間、悪意に飲まれた哀れな餌食としてこの世から消え去った
タコ人間は胴体の肩から上に生のタコがへばりついているような形をしていて、ニンゲンを丸飲みにするときはそこが傘のように広がって袋状にしたまま頭からガボーっと飲み込んでゆく。やってる事は、どちらかと言えばズダ袋を持った人攫いに近い。斬られた触手からドボドボと青黒い体液をあふれ出しながら、タコ人間は目玉をギョロ付かせて中年女を完全に飲み干した
白昼の陽射しが反射して、灰銀色の素肌を覆う粘液がギラリと光る。鈍く重たい金色の縦割れの目玉がギョロリと回る。野次馬は散り散りに逃げ失せ、俺たち三人だけが大通りの歩道で異形のバケモノと対峙している。目の前にはフツーの老舗パン屋、その向こうには証券会社のビル、昔からあるパチンコ店、そして聳え立つ真新しい駅ビル
何もかもフツーの風景が続く日常の中を、何事も無いようなそぶりで路面電車が走ってゆく。片側三車線の道路には色とりどりの自動車、バス、トラック、タクシー。おかしな格好の三人組と、輪をかけてヘンテコなタコ人間が存在していることなど、最早この世の中の誰もが忘れてしまっているかのようだ
鮮やかな舗装したタイルの切れ目に流れ込んだ青黒いタコ人間の体液が俺の足元まで伝ってきて、ツンとイヤな臭いを放つ。じめっぽくて焦げ臭いようなカビ臭いような、不愉快極まりない臭い。そう、これこそが死そのものの臭いだ。死神だった俺が散々ぱら嗅いできた死臭だ。奴等は死の世界からやって来て、この世のニンゲンを襲うようになったんだ。一刻の猶予もない、やはり行くしかない、俺を追放した死神の世界へ
「ぬおおおおおお!」
声の方を見ると、ヒジリがタコ人間の首根っこを掴んでそのまま持ち上げている。ニンゲンのアタマに巨大なタコの乗っかった姿をしてても、まだヒジリの方がアタマ二つぐらいデカい。このタコ人間が小さいのかヒジリが頭抜けてデカいのかよくわからなくなりそうだ
「そおーら!」
そしてヒジリが高い高いでもするように空中に放り投げたタコ人間を、時を同じくして飛び上がった酒井の空中居合斬りでバサバサッと斬り捨てられた。地上に落ちてくる頃には手足や嘴がバラバラ、胴体まで真っ二つになって転がった。バラバラ死体なのか、タコの刺身なのか、またわからなくなる
「二人とも、いいコンビじゃないか」
「いやあー、このおサムライさん強(つえ)えぞう」
「なんのヒジリ、お主の膂力は百人力じゃわい」
早くもお互いの実力を認め合い、得意な分野を組み合わせて戦っている。この二人が居れば、あるいは如何にか出来るかもしれない……
「しかし、やけに静かになったな」
「あんちゃん、オラ達もしかして見えてねえのかあ」
ああ、そうか。いよいよ来たか
「酒井殿、ヒジリ、いよいよ君たちは死に近づいているらしい」
「ええーっ!?」
「今から俺たちが向かうのは死神の世界、つまり向かう先は死そのもの。そこに近づいているんだ。だから、俺たちの存在はどんどん現世から遠ざかっている。あのババアがタコ人間に喰われたのも、それが奴の寿命だったからさ。つまり死に触れたんだ。だから呑まれた。俺たちは今、この世とあの世の狭間に居るってわけさ」
「じゃじゃじゃ、じゃあオラ達もう死んじまうのかあ」
「そうだな、生きたまま死神の世界に入ることは出来ない。位相転換の段階で魂が消滅してしまうんだ。そうなると肉体も空っぽになるし、完全に死ぬなあ」
「諸行無常、いづれは訪れる死だ。遅かれ早かれ死ぬのは良いとして、しからば如何様にして死神の世界へ向かうのだ?」
「イメージさ」
「いめいじ?」
「そーぞーするんだあ、ナァあんちゃん?」
「そ。自分の姿やカタチ、声、力を強く念じるんだ。カラダは魂の入れ物に過ぎない。だが魂の持つチカラをフルに使うためには心身の練磨が必要だ。ところがそのカラダが要らなくなるとどうなるか。実は精神だけになって生き続けているのさ。その代わり、肉体があった頃の記憶とイメージを保てなくなると、どんどん姿が薄れたり崩れたりして、最終的には消えて失くなっちまう。これが完全に死ぬってことさ。だけど逆を言えば、体がどんなに貧弱でもイメージを強く持つことが出来れば精神だけの世界じゃサイキョーの存在にだってなれるんだ。どんだけ強くかはわからねえけど」
「拳禅一如、というわけであるか」
「そうだな、生きてるうちは心のイメージを肉体に巡らせて鍛錬にするけど、今度は逆で肉体のイメージで心を作るんだ」
「そっかあー。でもオラァもっと小さくなりてえなあ……デカいだけでイイことネェし、近所じゃ鬼っ子って呼ばれて大変ダァ」
「お主も苦労しておるのだな」
「おサムライさんだってえ、ときどき物凄い顔してるぞぅ。目つきは鋭いけど死んでラァ。オラァなんかよりよっぽど地獄見てるんダナァ」
「拙者は武士としての本分を全うして生きておるのみ、然程の事は御座らんよ。しかしヒジリ、其方は、まだ若い。拙者や詩郎殿には甘えるが良いぞ」
「そうであるぞ」
「よせやぁい、オラァもう12だど、おサムライさんの時代なら元服ってんだろォ。大人でネェかあ」
「カッカッカ、こりゃ一本取られたわい」
呵々と笑った酒井の目尻が下がる。どうも本当にヒジリを自分の子供か、さもなくば弟のように思っているらしい。お互いに自分じゃ言わないが、地獄を見た者同士で通じ合うものがあるのかもしれない
おサムライさんと巨大小学生が打ち解けて来たところで、駅前の階段から地下歩道に入る。真新しく巨大な駅ビルとホテルとは対照的に昭和が名残るこの通路は寂れてしまって久しい。今は古びた定食屋がひっそりと暖簾を出しているのと、安い床屋がズラっと並んだ電球がビカビカ光る派手な看板を出しているだけだ。人通りもない。くすんだ白いタイルが湿っていて、通路の両脇に設けられた排水路がじめっと苔むしている。往時の賑わいを想像するのが少し難しいな、と思うこの通路の突き当り。丁字路を右に行けば駅ビルの地下食品コーナー、左に向かえばバスターミナルと路面電車乗り場だ。だけど
「あんちゃん、どっちに行くんダァ?」
「あん? 真っすぐ行くんだよ。真っすぐ」
「壁であるが……」
「お二方、よくご覧あれ。丁字路の突き当りやや左をね。そう、あそこに薄いドアが見えるだろう?」
「ああー、あのコゲ茶色の鉄ドアかあ」
「そ。あれを開けるのさ」
「む、開かぬが……?」
早速と手を伸ばしてドアノブをひねった酒井が怪訝な顔をする。ドアは当然の如く施錠されており、ガタゴン! と騒々しい金属音を立てただけだったからだ。でも
「そ。今はカギがかかってる。でも……」
すい、と詩郎が手を伸ばしドアノブをひねると
カチャン……イイイィ
軋んで嫌な音を不気味に鳴らして、コゲ茶色をした金属製の扉が開いた
「おおー開いたなあー。このドア開いたとこオラァ初めて見た」
「さあ、この先が俺の……元居た場所だ」
「いよいよであるか」
「たこ焼きのおじさん、待ってろヨォ」
詩郎が黒いブーツで一歩、ドアの向こうに足を踏み入れる。ヒジリと酒井がそれに続く。ヒジリの足はデカ過ぎて子供用の靴など見つからず、何処かからか手に入れた黒い皮のブーツだった。頑丈で柔らかい上物で、本人も気に入っているようだった。黒い皮に白い靴紐が眩しいブーツと対照的に酒井は草鞋に足袋だ。年季の入った草鞋に白い足袋が眩しい
つくづくいいコンビだ、と含み笑いを漏らす詩郎が振り返るとさっきのドアは既になく。荒れ果てた大地と乾いた空が一面を覆い尽くす別世界だった
「ウヒャーー、でっけえぞぅ」
「壮観であるな、些か殺風景だが」
「ようこそお二人さん、ここが俺たち死神の国さ」
ヒョオ、と鳴く風が荒涼たる世界を渡ってゆく。雨も雪もここには降らない。あるのは気の遠くなるほど長い間ずっと登り続けている晴天公社の偽太陽と、その逆に律儀な夜を造り出す銀天公社の偽満月。今は偽太陽のシフトだから昼間だ。人間たちの現世とは少々のズレがある
「自我をしっかり保てよ、じゃないと持たないぞ。肉体は現世に置いて来ちゃってる筈だからな。今のアンタ二人は自分自身のイメージで作りだした、言わば想像の産物なんだ」
「ほえーー、でも大して変わらねえなあ」
「拙者もであるな。はて」
ははーん、この二人タイプは真逆だが既にすっかり出来上がってるんだな
「流石おサムライさんは泰然自若、要するに自我でなく無我なんだろ。位相が変わっても己こそ己の寄る辺、常に平常心だから変わらないんだ」
「うむ、常在戦場。拳禅一如であるからな」
「オラァはぁ?」
「うーーん、ヒジリ君は、その、なんというか天然なんだろうなあ」
「ふうーん」
要するに、この子は根が素直で幼いながらも大木(たいぼく)なのだ。言っちゃナンだがそこらの子供に比べて格段に苛烈な経験をした分、人よりも早く自我が固まってしまった。だけど、いびつでゆがんだ人格にならず奇跡的に真っすぐ育ったのだ……気は優しくて力持ちを地で行くヒジリの底知れぬ強さがここにも表れている
「さて、いずこへ向かおうかのぅ」
酒井が顎髭をざりざり掻きながらつぶやいた。ヒジリは生まれ育った街の外が珍しいのか、この何もなさ過ぎる景色をしげしげ見渡している
「街へ行こう。この先にラカ・ラカという小さな街があって、そこでンネリ屋が待ってる」
「んねりや?」
「炭鉱で暴れると危ないっていうあの小鳥かあ」
「そりゃカナリアだヒジリ。ンネリ屋の松ってのが居るのさ。案内人と情報屋を兼ねてる」
「高い背広と外車を借りて写真撮って、それっぽいプロフィール作って儲け話を売りつけるのであろう」
「その情報屋じゃねえよ、なんだってアンタおサムライさんの癖にそんなこと知ってるんだ」
「敵を知り己を知らば百選危うからず、と言うからのう」
「誰と戦うつもりだアンタは!」
どうも思いがけず賑やかな旅路になりそうだが、むしろ戦いは始まったばかりなのだ。今まさに
「そのンネリ屋の松なる御仁を訪ねて如何致す」
「ヤツならアイツの、奥戸の足取りを知ってるかもしれない。死界と現世の境界線が曖昧になってるって話はしたと思うが、ヤツもそれを察知して調べていたんだ。俺がアッチにいるときも何度かコンタクトを取ってたんだが、コッチの事情も踏まえて一度ざっくりハナシをしてみたくてな」
「どのぐらい歩くんだあ」
「さあーな、ココがラカ・ラカにどんだけ離れてるか見当もつかん」
「方角や場所は」
「ああ、あの偽太陽の反対側に向かって歩きゃいいのさ」
「にせたいよう?」
「ネタの練習してるモノマネ芸人かあ」
「似せたいよう、じゃねえよ偽太陽!」
「いかなる代物であるかそれは」
「アンタらの世界の太陽を模して死神の世界でも太陽を打ち上げたのさ。それまでココはずーっと暗闇だった。だけどそれじゃ色々と不都合も多くてな。造り物の昼と夜を繰り返すようになったってわけさ」
「んじゃあ、そのニセモンのお日様に背中向けて歩きゃ着くんだなあ」
「荒涼たる世界で偽太陽に背いて、か」
俺たちは街を目指し歩き始めた、荒れた大地に孤影を踏んで
「だあーから、俺をおじさんって呼ぶな、ヒジリ!」
「じゃじゃじゃ、じゃあーなんて呼べばいいんだあ?」
「うーーん、なんかあんだろ、もっと若い感じの」
「シロリン」
「それじゃ銭湯の風呂桶だよ」
「しろっち」
「バンダイナムコのオモチャじゃねえんだ、たまごっちだよそれじゃ」
「なあー、もういいだろぉシローのあんちゃん!」
「おっ、それだ」
「へえ?」
「あんちゃんでいいよ、いいじゃねえか。あんちゃん」
「福山雅治のようであるのぅ」
「酒井殿、些かたとえが古くないか?」
「拙者は古い人間であるからな」
「平成のトレンディドラマに詳しいサムライが居てたまるかって」
元死神で任務に失敗したために追放され能力も失った男は神田詩郎と名乗り、現世でたこ焼きの屋台を切り盛りしていた
そもそものきっかけは毒親母子家庭育ちの身長197センチ、体重100キロを超える巨大小学生の篁 聖(タカムラ ヒジリ)が発する心のSOSをキャッチしてお望みどおりに命を頂戴しようとしたところ、たこ焼きの屋台主でもある奥戸利保によって妨害されてしまった。その挙句、かわりに奪うつもりだった奥戸の命も取り逃したことで詩郎は死神をクビになり、彼らの世界から追放されてしまったことだった
仕方がないので奥戸の説得により弟子入りした(?)詩郎は自らも屋台に立ち、日々たこ焼き修行に励んでいた。しかし、ある日そこに突如として出現した異形のタコ人間によって奥戸は連れ去られてしまう。自らも絶体絶命のピンチに立たされた詩郎を助けに来たのは現代にフラリとやって来て、奥戸の屋台でたこ焼きを食べて感銘を受けたという正真正銘のサムライであり剣豪の酒井正次郎親保だった
酒井、そして毒親と決別したヒジリは詩郎に奥戸救出を申し出る。詩郎は全ての事情を話し、彼らを伴って死神の世界へと舞い戻ることにした
死界を追放された裏切り者の元・死神として……
「して、詩郎殿。死神の世界とやらへは如何にして向かうのだ?」
「そだそだあ、オラァもそれが聞きたかっただぁよ」
「ああ、それはな──
三人して白昼の街中をほっつき歩きながら詩郎が話し始めた
この世には、目に見えてないだけで見ているはずの有象無象が数多ある。死神族もその一つで、死神の世界・死界への入り口もまた目に見えてないだけで何処にでも存在しているのさ。みんなが日常、何気なく通り過ぎている見知らぬ古い扉、地下鉄の階段のタイルが剥がれたところ、棄てられて朽ち果てた廃車のドア。なんでもいいのさ。そこにドアがあれば死神の国と繋がってる。だけど、まあなるべく目立たなくて人のいない場所が良いわな。イチイチ迷い込んで来られちゃかなわんし……
そんなわけで、君たちの知らないだけで死神の世界へのドアはそこかしこに存在しているのだ……ん? どうした?
「む、なんだか視線を感じてな」
「サムライのおじさんもかぁ、オラァもなんだか胸騒ぎがするだぁよ」
そりゃあまあ、白昼に世界のミフネ顔負けのサムライルックと筋骨隆々で身長197センチの小学生、そして赤目に銀髪で黒ずくめの男がマントをなびかせて並んで歩いてたら野次馬も出そうなもんだが
「否。衆目の向こう側に、何やら異形の気配がする」
「オラたち目立つけども、明らか悪意を感じる奴が混じってラァ」
どうもヒジリはたった一人の肉親であり猛烈な毒親だった母から受けた様々な暴言・暴力によって何か感覚の中に研ぎ澄まされてしまった部分があるようだ。ヒトの持つ悪意や憎悪、嫌悪、そうしたイヤな部分に対しての神経が摩耗し削れてしまった結果……そこだけが悲しいくらい鋭敏になっているのだろう。逆に鈍麻し何も感じなくなり、感覚(sense)自体が死んでしまう奴も居るが……ヒジリは自らを殺そうとするあまりに感覚まで研ぎ澄ましてしまったらしい
「詩郎殿、如何致すか」
「流石にこんな街中じゃあ襲って来ねえんでネェかあ?」
「さあーな、何しろソイツらは最早ニンゲンですらねえ、ニンゲンだった頃の記憶も無ね。ただの純粋な
バサッ!
突然、駅前通りの歩道に群がる野次馬をすり抜けるように伸びた触手を酒井の居合斬りが打った。ぽーん、と切り捨てられた触手の先っちょがすっ飛んで行って自転車道にボトリと落ちた
「キャーー!」
無意味で自意識過剰な悲鳴を上げる中年女が喧しい。自分がこの白昼の悪夢の主人公にでもなったつもりだろうか、残念だがお前は──
「あっ、オバハンが食われるぞぅ!」
「いかん、間に合わんか」
残念だがお前は、名もなき犠牲者その1に過ぎない
「純粋な悪意そのもの、だからな。ヒトなんか幾ら居やがったって構いやしねえのさ」
喧しく癇に障る中年女を、斬られた触手の先に居たタコ人間が音もなく丸飲みにした。中年女はお望み通り悲劇の主人公になった瞬間、悪意に飲まれた哀れな餌食としてこの世から消え去った
タコ人間は胴体の肩から上に生のタコがへばりついているような形をしていて、ニンゲンを丸飲みにするときはそこが傘のように広がって袋状にしたまま頭からガボーっと飲み込んでゆく。やってる事は、どちらかと言えばズダ袋を持った人攫いに近い。斬られた触手からドボドボと青黒い体液をあふれ出しながら、タコ人間は目玉をギョロ付かせて中年女を完全に飲み干した
白昼の陽射しが反射して、灰銀色の素肌を覆う粘液がギラリと光る。鈍く重たい金色の縦割れの目玉がギョロリと回る。野次馬は散り散りに逃げ失せ、俺たち三人だけが大通りの歩道で異形のバケモノと対峙している。目の前にはフツーの老舗パン屋、その向こうには証券会社のビル、昔からあるパチンコ店、そして聳え立つ真新しい駅ビル
何もかもフツーの風景が続く日常の中を、何事も無いようなそぶりで路面電車が走ってゆく。片側三車線の道路には色とりどりの自動車、バス、トラック、タクシー。おかしな格好の三人組と、輪をかけてヘンテコなタコ人間が存在していることなど、最早この世の中の誰もが忘れてしまっているかのようだ
鮮やかな舗装したタイルの切れ目に流れ込んだ青黒いタコ人間の体液が俺の足元まで伝ってきて、ツンとイヤな臭いを放つ。じめっぽくて焦げ臭いようなカビ臭いような、不愉快極まりない臭い。そう、これこそが死そのものの臭いだ。死神だった俺が散々ぱら嗅いできた死臭だ。奴等は死の世界からやって来て、この世のニンゲンを襲うようになったんだ。一刻の猶予もない、やはり行くしかない、俺を追放した死神の世界へ
「ぬおおおおおお!」
声の方を見ると、ヒジリがタコ人間の首根っこを掴んでそのまま持ち上げている。ニンゲンのアタマに巨大なタコの乗っかった姿をしてても、まだヒジリの方がアタマ二つぐらいデカい。このタコ人間が小さいのかヒジリが頭抜けてデカいのかよくわからなくなりそうだ
「そおーら!」
そしてヒジリが高い高いでもするように空中に放り投げたタコ人間を、時を同じくして飛び上がった酒井の空中居合斬りでバサバサッと斬り捨てられた。地上に落ちてくる頃には手足や嘴がバラバラ、胴体まで真っ二つになって転がった。バラバラ死体なのか、タコの刺身なのか、またわからなくなる
「二人とも、いいコンビじゃないか」
「いやあー、このおサムライさん強(つえ)えぞう」
「なんのヒジリ、お主の膂力は百人力じゃわい」
早くもお互いの実力を認め合い、得意な分野を組み合わせて戦っている。この二人が居れば、あるいは如何にか出来るかもしれない……
「しかし、やけに静かになったな」
「あんちゃん、オラ達もしかして見えてねえのかあ」
ああ、そうか。いよいよ来たか
「酒井殿、ヒジリ、いよいよ君たちは死に近づいているらしい」
「ええーっ!?」
「今から俺たちが向かうのは死神の世界、つまり向かう先は死そのもの。そこに近づいているんだ。だから、俺たちの存在はどんどん現世から遠ざかっている。あのババアがタコ人間に喰われたのも、それが奴の寿命だったからさ。つまり死に触れたんだ。だから呑まれた。俺たちは今、この世とあの世の狭間に居るってわけさ」
「じゃじゃじゃ、じゃあオラ達もう死んじまうのかあ」
「そうだな、生きたまま死神の世界に入ることは出来ない。位相転換の段階で魂が消滅してしまうんだ。そうなると肉体も空っぽになるし、完全に死ぬなあ」
「諸行無常、いづれは訪れる死だ。遅かれ早かれ死ぬのは良いとして、しからば如何様にして死神の世界へ向かうのだ?」
「イメージさ」
「いめいじ?」
「そーぞーするんだあ、ナァあんちゃん?」
「そ。自分の姿やカタチ、声、力を強く念じるんだ。カラダは魂の入れ物に過ぎない。だが魂の持つチカラをフルに使うためには心身の練磨が必要だ。ところがそのカラダが要らなくなるとどうなるか。実は精神だけになって生き続けているのさ。その代わり、肉体があった頃の記憶とイメージを保てなくなると、どんどん姿が薄れたり崩れたりして、最終的には消えて失くなっちまう。これが完全に死ぬってことさ。だけど逆を言えば、体がどんなに貧弱でもイメージを強く持つことが出来れば精神だけの世界じゃサイキョーの存在にだってなれるんだ。どんだけ強くかはわからねえけど」
「拳禅一如、というわけであるか」
「そうだな、生きてるうちは心のイメージを肉体に巡らせて鍛錬にするけど、今度は逆で肉体のイメージで心を作るんだ」
「そっかあー。でもオラァもっと小さくなりてえなあ……デカいだけでイイことネェし、近所じゃ鬼っ子って呼ばれて大変ダァ」
「お主も苦労しておるのだな」
「おサムライさんだってえ、ときどき物凄い顔してるぞぅ。目つきは鋭いけど死んでラァ。オラァなんかよりよっぽど地獄見てるんダナァ」
「拙者は武士としての本分を全うして生きておるのみ、然程の事は御座らんよ。しかしヒジリ、其方は、まだ若い。拙者や詩郎殿には甘えるが良いぞ」
「そうであるぞ」
「よせやぁい、オラァもう12だど、おサムライさんの時代なら元服ってんだろォ。大人でネェかあ」
「カッカッカ、こりゃ一本取られたわい」
呵々と笑った酒井の目尻が下がる。どうも本当にヒジリを自分の子供か、さもなくば弟のように思っているらしい。お互いに自分じゃ言わないが、地獄を見た者同士で通じ合うものがあるのかもしれない
おサムライさんと巨大小学生が打ち解けて来たところで、駅前の階段から地下歩道に入る。真新しく巨大な駅ビルとホテルとは対照的に昭和が名残るこの通路は寂れてしまって久しい。今は古びた定食屋がひっそりと暖簾を出しているのと、安い床屋がズラっと並んだ電球がビカビカ光る派手な看板を出しているだけだ。人通りもない。くすんだ白いタイルが湿っていて、通路の両脇に設けられた排水路がじめっと苔むしている。往時の賑わいを想像するのが少し難しいな、と思うこの通路の突き当り。丁字路を右に行けば駅ビルの地下食品コーナー、左に向かえばバスターミナルと路面電車乗り場だ。だけど
「あんちゃん、どっちに行くんダァ?」
「あん? 真っすぐ行くんだよ。真っすぐ」
「壁であるが……」
「お二方、よくご覧あれ。丁字路の突き当りやや左をね。そう、あそこに薄いドアが見えるだろう?」
「ああー、あのコゲ茶色の鉄ドアかあ」
「そ。あれを開けるのさ」
「む、開かぬが……?」
早速と手を伸ばしてドアノブをひねった酒井が怪訝な顔をする。ドアは当然の如く施錠されており、ガタゴン! と騒々しい金属音を立てただけだったからだ。でも
「そ。今はカギがかかってる。でも……」
すい、と詩郎が手を伸ばしドアノブをひねると
カチャン……イイイィ
軋んで嫌な音を不気味に鳴らして、コゲ茶色をした金属製の扉が開いた
「おおー開いたなあー。このドア開いたとこオラァ初めて見た」
「さあ、この先が俺の……元居た場所だ」
「いよいよであるか」
「たこ焼きのおじさん、待ってろヨォ」
詩郎が黒いブーツで一歩、ドアの向こうに足を踏み入れる。ヒジリと酒井がそれに続く。ヒジリの足はデカ過ぎて子供用の靴など見つからず、何処かからか手に入れた黒い皮のブーツだった。頑丈で柔らかい上物で、本人も気に入っているようだった。黒い皮に白い靴紐が眩しいブーツと対照的に酒井は草鞋に足袋だ。年季の入った草鞋に白い足袋が眩しい
つくづくいいコンビだ、と含み笑いを漏らす詩郎が振り返るとさっきのドアは既になく。荒れ果てた大地と乾いた空が一面を覆い尽くす別世界だった
「ウヒャーー、でっけえぞぅ」
「壮観であるな、些か殺風景だが」
「ようこそお二人さん、ここが俺たち死神の国さ」
ヒョオ、と鳴く風が荒涼たる世界を渡ってゆく。雨も雪もここには降らない。あるのは気の遠くなるほど長い間ずっと登り続けている晴天公社の偽太陽と、その逆に律儀な夜を造り出す銀天公社の偽満月。今は偽太陽のシフトだから昼間だ。人間たちの現世とは少々のズレがある
「自我をしっかり保てよ、じゃないと持たないぞ。肉体は現世に置いて来ちゃってる筈だからな。今のアンタ二人は自分自身のイメージで作りだした、言わば想像の産物なんだ」
「ほえーー、でも大して変わらねえなあ」
「拙者もであるな。はて」
ははーん、この二人タイプは真逆だが既にすっかり出来上がってるんだな
「流石おサムライさんは泰然自若、要するに自我でなく無我なんだろ。位相が変わっても己こそ己の寄る辺、常に平常心だから変わらないんだ」
「うむ、常在戦場。拳禅一如であるからな」
「オラァはぁ?」
「うーーん、ヒジリ君は、その、なんというか天然なんだろうなあ」
「ふうーん」
要するに、この子は根が素直で幼いながらも大木(たいぼく)なのだ。言っちゃナンだがそこらの子供に比べて格段に苛烈な経験をした分、人よりも早く自我が固まってしまった。だけど、いびつでゆがんだ人格にならず奇跡的に真っすぐ育ったのだ……気は優しくて力持ちを地で行くヒジリの底知れぬ強さがここにも表れている
「さて、いずこへ向かおうかのぅ」
酒井が顎髭をざりざり掻きながらつぶやいた。ヒジリは生まれ育った街の外が珍しいのか、この何もなさ過ぎる景色をしげしげ見渡している
「街へ行こう。この先にラカ・ラカという小さな街があって、そこでンネリ屋が待ってる」
「んねりや?」
「炭鉱で暴れると危ないっていうあの小鳥かあ」
「そりゃカナリアだヒジリ。ンネリ屋の松ってのが居るのさ。案内人と情報屋を兼ねてる」
「高い背広と外車を借りて写真撮って、それっぽいプロフィール作って儲け話を売りつけるのであろう」
「その情報屋じゃねえよ、なんだってアンタおサムライさんの癖にそんなこと知ってるんだ」
「敵を知り己を知らば百選危うからず、と言うからのう」
「誰と戦うつもりだアンタは!」
どうも思いがけず賑やかな旅路になりそうだが、むしろ戦いは始まったばかりなのだ。今まさに
「そのンネリ屋の松なる御仁を訪ねて如何致す」
「ヤツならアイツの、奥戸の足取りを知ってるかもしれない。死界と現世の境界線が曖昧になってるって話はしたと思うが、ヤツもそれを察知して調べていたんだ。俺がアッチにいるときも何度かコンタクトを取ってたんだが、コッチの事情も踏まえて一度ざっくりハナシをしてみたくてな」
「どのぐらい歩くんだあ」
「さあーな、ココがラカ・ラカにどんだけ離れてるか見当もつかん」
「方角や場所は」
「ああ、あの偽太陽の反対側に向かって歩きゃいいのさ」
「にせたいよう?」
「ネタの練習してるモノマネ芸人かあ」
「似せたいよう、じゃねえよ偽太陽!」
「いかなる代物であるかそれは」
「アンタらの世界の太陽を模して死神の世界でも太陽を打ち上げたのさ。それまでココはずーっと暗闇だった。だけどそれじゃ色々と不都合も多くてな。造り物の昼と夜を繰り返すようになったってわけさ」
「んじゃあ、そのニセモンのお日様に背中向けて歩きゃ着くんだなあ」
「荒涼たる世界で偽太陽に背いて、か」
俺たちは街を目指し歩き始めた、荒れた大地に孤影を踏んで
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