ドMなんかじゃない

みきてぃー。

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6.混沌と失意

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そのままバーを出て、言われた通りにMUTOへ向かった。

バーのドアを閉める時に一瞬目が合った紫音は、いつもみたいにニコッと笑っていた。

「…………」

とりあえず、気にしないことにする。

…よし。
私は何も知らないし、何も聞いていない。

そうゆうことにして、私はヒールをコツコツ鳴らして、煌びやかなネオン街を通り抜けていった。













「……………」

いつものMUTOの部屋に着いたが、特にすることがないので風呂に浸かった。

藤宮の仕事が終わる午前1時まではまだまだ時間がある。

…温かい風呂に浸かりながら、頭に浮かんでくることは、紫音のことだった。

いい意味で、普通っぽくて、大きな悩みなんてなさそうだった紫音。

彼の言う通りこの街で出会う人たちは、基本的に素性を晒すことないし、表面的で希薄な関係ばかりだ。

…だからいつ誰がどうなるかなんてわからない。
言ってしまえば、突然蓮二さんやクロが飛んだり、裏切ることだって有り得るのだから。

…思えば最近、平和ボケしすぎていたのかもしれない。

この藤宮とのコトだっていつ周りにバレるか、いつ紫音が他言するかわからない。

もしくはいつ藤宮自身が私に飽きて、動画をネットに流し出すのかわからない。

…って。

なんで私は藤宮のことを考えてるんだろう…


………熱くなってきた。

逆上せる前に上がろう……




ガチャン

身体を拭いていると、ドアが開く音が聞こえた。
足音が近づいてきて、脱衣所のドアが開いた。

「…………いたのね」

藤宮が顔を出してきた。
いつものように少し意地悪く口角を上げて。

「…アンタがここにいろって言ったんでしょ」

そういうと、いつものように、フンと鼻で笑われた。

「…ってか早くない?まだ12時くらいだけど…」

「……暇だから早上がりしてきた。悪い?」

藤宮はそう言い捨てると、すぐに背を向けて、脱衣所を後にしようとした。

店長なのに早上がりって…いいのか?

…しかし、何故だかその大きな背中に、飛びつきたい衝動にかられた。


その時、藤宮がふと振り返った。


「………お前、なんかあった?」

「は?」

目を細めてこちらを見つめている。

睨んでいるのか、心配してるのか、よくわからない。


「…なんもないけど」

「…ふうん。つまんねー女」

「はい?」

藤宮はまた背を向けて、脱衣所のドアをバタンと閉めた。

…何を見て、私の様子がいつもと違う、とそう感じたのか。

私の何を見てるのか、何を知っているのか。…読めないので、末恐ろしい男だ。


ガウンを着て、脱衣所を出た。
仕事終わりでスーツだった藤宮は、ネクタイを緩めて取ると、ベッドに座り込んだ。

「…何、ガウンなんて着て。やる気満々じゃん」

「……どうせ脱ぐんだから何でもいいでしょ」

「ふうん。別にお前がしてほしくないなら何もしないけど」 

無言で奴を見ると、また意地悪くニタリと笑っていた。

「…勝手にして。何もしないなら私は寝るから」

私はそう言って、藤宮から離れてベットに座る。

「…………」

「…何?寝るんじゃないの?」
 
チラリと藤宮の方を見るも、奴はまだニタリとして笑っていた。

「……」

何も言わずに私は奴に背を向けて、横になった。

…全然眠たくなど、ない。

藤宮が近づいてくる物音が聞こえた。

「…ネクタイってさ、エロいと思わない?」

「は?」

後ろからそんな声が聞こえて、寝返りを打った瞬間に視界が真っ暗になった。 

「なにこれ?」

「ネクタイ」

「なにしてんの?」

「目隠し」

藤宮のネクタイで目隠しをされたらしい。

頭の後ろでネクタイを結ばれたので取ろうと手を伸ばした瞬間に、両手を掴まれて上で固定された。

「…なに、やめっ、」

藤宮は有無を言わさずに、両手を上で固定したまま、私の上に跨った。

「…なんで俺はいつも脱がないのかって言ってたよね?」

片手で私の両腕を固定させて、もう片手で何やらガチャガチャとした物音を立てる。

ベルトをいじる時の音が聞こえて、どきりとしてしまう。

「…そんなに欲しいなら、あげるよ。…その口にね」

目隠しをされ、両腕を上に固定された身動きの取れないまま、私の口に無理やりに何かが入ってきた。

「……っ、はぁっ…!」

「歯立てんなよ。ちゃんと口開けろって」

それが何か、なんて言うまでもない。

見えないし触ってもいないけれど、私の口の中に藤宮が入ってきている。

強引に喉奥まで突っ込まれて軽く咳き込んでも、容赦なくまた奥まで突っ込まれた。

「…ゲホッ…ぁ、はあっ……」

呼吸をするので精一杯だ。


「…苦しい?」

そう言いながらも、藤宮の腰の動きは止まらなかった。
容赦なく喉奥を突く。

「…ほら、もっとちゃんと気持ちよくして」

腕を掴んでいた藤宮の手が離れて、私の頭を掴んだ。
頭を固定されたまま、藤宮のが喉奥を突き刺す。

えづきそうになり、オエッと何回もなる。唾液がたくさん出てくる。

何度も何度も、奥まで突かれた。


「……ゴホッ…ゲホッ……ゲホッ、う、」

本格的に噎せ出したところで、藤宮はソレを抜いた。

私が激しく咳き込んでいると、藤宮の手がガウンから入っていき、さらに私の秘部にスルリと入っていく。

「…イラマされて、ぐしょぐしょに濡れるってヤバ」

「…はぁ、……あ、やめ」

「とんだ変態女だな」

淡々とした声が聞こえてくる。
ネクタイのおかげで藤宮の表情は見えない。

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