おそらく、僕だけ違うゲームをしている。

鵩 ジェフロイ

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本編

224:欲のままに ※大剣使い視点

 俺の欲望が、トウノを貫いている。

 しっかりほぐしたとはいえ、痛みを感じているのがあらゆる感覚で伝わってくる。
 ……しかし、それでも嬉しいとトウノは涙を溢す。

 ずっと、こいつのこの表情が見たくて飢えていた気がする。

 充足感と背徳感に思考が焼き切れそうだ。

 そんなことを知ってか知らずか、トウノが俺の頭を抱えて言う。


「僕に愛をくれて、ありがと、う……」


 ────その瞬間、トウノの匂いが強く香り、深い夜の森に淡い光がいくつも浮かんでいるのを幻視する。
 その光の中には、いくつもの“俺”が映っていた。……おそらくはトウノから見た景色だ。

 その光からは、どれもあたたかさや安心感が伝わってくる。……俺はこんな間抜けな顔をしていたか? というくらい、締まらない顔をしているものもあった。

 ……これはトウノの俺との思い出、か。いや、ただの思い出じゃなく────。

 上手く、息が出来ずに視界が歪む。

「……はっ…………ぅ、くっ……」

 最後に流したのはいつなのかも覚えていない涙が、頬を伝い、トウノの肌へと落ちる。


 俺のこの、まるで綺麗な形をしていない醜い想いを『愛』と、そう言ってくれるのか。


 だが……己が思っているほど醜く映ってはいなかったのを知る。

 今までにないほど、心が満たされ“安心感”が胸に広がる。


 そして、トウノが俺の耳元で囁く。


「愛してる、バラム。だから、バラムの欲を僕にくれ」


 その言葉を認識した瞬間、枷が外れた。

 俺は腰を引き、再び、トウノを貫く。

 ばちゅっ!

「あっ! はっ、あぁ、ひぅっ、うぅん!」
「ぐっ……!」

 先ほどまで、痛みを感じて強張っていたのが、徐々にほどけて艶かしく俺の欲望を締めつけだす。こいつ自身も感じているのか、涙は流しているが顔が快楽にとろけている時の顔になってきた。

 ……もし、痛みを感じていたところで、枷を外された以上、もう止まれないが。

 トウノの肩口を押さえて、何度も突き上げる。その度にトウノの身体が跳ね、口からは悲鳴とも嬌声ともつかない声があがる。
 ……はぁ、いい気分だ。

 ほんの少しだけ余裕を取り戻した俺は、トウノの感じる場所を重点的に責める。

 とん、とちゅっ、ぐちゅっ、とん、とん……

「ひぁっ! そ、こっ、あぁ、きもち、いいっ……」

 ビクビクと身を震わせながら、中は大きくうねるし、かわいく「気持ちいい」と伝えてくるしで危うく暴発しかける。最高に興奮する。

「あぁ、うぅん、バラ、ムっ……」

 弱いところを激しく責められながら、俺の首にしがみついていた腕に少し力が入る。
 ……求めに応じて、トウノの唇を塞ぐ。

 堰を切ったように、トウノの目からは涙が溢れだして止まる気配がない。……すべて嬉しさからくるものなのだと思うと、流れ落ちていくのが惜しくて、舐めとる。
 舐めても舐めても溢れてくるから、キリがない。

「あ、ぅ、ふぅ、ん……バラ、ム……バラム……」

 快楽に思考がとけたトウノがうわ言のように俺の名前を呼ぶ。

 ……トウノが俺に告げた自身のことは、俺たちの中で深いおりになっているが……今、ここに存在するトウノが全てだ。
 宣言した通り、消えたってどこまでもこいつを追う。


 ────辟易するほど言われてきたが、それが『夜狗』なんだろ?


 だから、今この時を確かめる為に、互いに名を呼び合う。

「ああ、トウノっ……!」
「バラあぅっ、ひっ……名前……」
「トウノ、トウノ……」

 ばちゅっ、ばちゅっ、ぬぢゅっ、ばちゅっ……

 名前を呼び合う度に、お互い昇り詰めていく。限界が近い。

「ふぁっ……ん、ぁ、呼んで、僕の名前っ……嗣治、って……」
「は……ツグハル?」
「ぅ、ん」

 トウノから出てきた聞き慣れぬ音。……これがトウノの、名前……?

「ツグハル」
「あぁう! あぁっ……」
「っ! くっ!」

 トウノの耳元でその音を呟くと、たったそれだけで、軽く達してしまったようだった。中の蠢きも凄まじい。

 たしか、異人の名は元の世界の名と違うことも多いと聞いたことはあるが……それか?
 と、達さないように少し思考を逸らす意味で思い出す。

 ……これが、本当の名前……。


 ────ついに、こいつの全てを差し出されたと直感する。


「っ、ツグハル……ツグハル……!」
「ひぅっ、バラ、ムっ……んんっ、バラム……!」

 ばちゅっ、ばちゅっ、どちゅっ、どちゅっ!

 もう、わけも分からず本能のままにトウノ……ツグハルを貪る。


 そして────。


「ああぁぁっ!」
「ぐうっ!」

 最奥を思い切り穿った時、ツグハルの陰茎から白濁が弾けると共に、中が強烈に蠢き、俺の欲望も弾けた。思わず、目の前の首筋に噛みつく。

 ビュクッ、ビュルッ、ビュルッ、ビュー……

「ふ、く……」

 我ながら信じられないくらい長く、濃い精をツグハルの中に吐き出す。
 腰が勝手に動き、さらに奥に吐き出さんと、ツグハルの奥をぐっと突く。

「あぁ……はぁっ……ふぅ、ん……熱、い……」

 俺の精の感触にも快楽を拾っているのか、見たこともないほど恍惚とした表情で、涙を溢れさせながら腰を揺らめかせる。首筋には血が滲んだ俺の噛み跡……。

 ごくっ……

 その様に、喉が鳴る。
 まだ、吐き出している最中だというのに、俺の欲はまた勃ち上がりはじめる。

「うぅん……はぁ……バラム、もっと……」
「ああ」

 ツグハルが俺に縋りつき、腰を押しつける。体力は……俺の精を中で吸収したのか、まだいけそうだ。

 その時、鼻孔をひどく甘い匂いが漂う。その元はツグハルの首筋に滲んだ……。

 首筋に舌を這わす。


 ドクンッ


 ────甘い。

 これは……精などとは比較にならない、力と熱が身体を駆け巡る。頭が沸騰する。

「ひぅっ! あ、うぅ、んっ、あぁっ」

 ばちゅっ、ぐちゅっ、ばちゅっ、どちゅっ!

「はぁっ、はぁっ……」

 気づけば、再びツグハルを穿っていた。
 今度こそ本当に、情け容赦なく。

 既に、ツグハルの奥に到達しているが、その壁を突き破るようにさらに深く抉る。
 薄い腹が突く度に、少し盛り上がる。

「はぁっ……」

 もうどうしようもない程、興奮している。



 …………それから、何度も何度も俺たちは交わった。

 途中、ツグハルが短い異人の眠りに去っても、そこから戻ってきても、抜くことなく貫き続けた。
 最後の方はとっくに記憶を飛ばしているだろうと思うほど、とろけて、意味のある言葉を発さなくなっていた。

 そして、ツグハルが長い異人の眠りに落ちてやっと、俺たちの初めての交わりが終わる。



 …………ツグハルの中から引き抜いたあと、もう何回か抜いた。…………さすがに、ツグハルの血は自制しようと思った。

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