2 / 2
第1話 アバターメイクと説明
しおりを挟む
VRハードのモニターに7/21、17:59:00と時刻が表示されていた。あと60秒と吸った空気を吐き、ベッドにあお向けに横たわる10代の少年が空中のモニターに釘付けになっている。
その少年の名は時野時男という。
今年から高校に通う15才、入学祝いと実用を兼ねて両親からプレゼントされた最新式のVRハードを装着した状態が冒頭である。
今か今よと時男が待っているのは、後43秒後に始まる新たなVRMMO《ネオ・ワールド・オンライン》略称《NWO》。今日がその正式サービス開始日である。
時男は腐れ縁の友達と《NWO》でパーティーを組、一緒に遊ぶ約束をしていた。
時男はパーティーでタンクジョブのガードナイトをやろうと計画している。なぜ、ガードナイトかというと、公式サイトで紹介されていたフルプレートな鎧が、かっこよく一目で気に入ってしまった。しかし、公式からは基本的な格ジョブの紹介はされているが、そのジョブになる方法が詳しく説明されていなかった。ただ一文だけ、行動や嗜好によってなれるジョブが決まるとあった。
VRハードのモニターがミュージックとともに発光しログイン画面が表示される。時男は迷わずモニターを思考アクションでタッチする。それが《NWO》へ旅立つトリガーとなった。
雲が流れ風が流す。青々と空を反射する大海があり、そこに浮かぶようにして連なる大小ある大陸を写真のように収めるがごとく目の前に写しだされていた。
「すげー!!」
時男は世界の全貌が見渡せるような高さにありながら興奮の只中にいた。世界は広くただただ無限の可能性の想像させる。興奮冷めやまず、急に体の安定を感じた時男の前に白く燐光する球体が現れた。
「ようこそ、ネオ・ワールド・オンラインへ。私は初回プレイヤー様のガイドを勤めます、ネオンと申します。よろしくお願いします」
「どうも、はじめましてプレイヤーの時男と言います」
「ではさっそく、時男様のアバターメイクに入りたい思いますが、いかが致しましょうか?」
「お願いします!」
時男の前にウィンドウが現れ、そこにはアバターメイクに必要な項目が並んでいた。
<アバターメイクメニュー>
・アバター名:未入力
・種族:未設定
・性別:男
・容姿:タイプ未設定
・体格:タイプ未設定
・声色:タイプ未設定
「まずは、アバター名を決めてください。また、事前にアバターデータをご用意されていましたらそれを反映致します。時男様はすでにデータをご用意されていますが、反映されますか?」
「はい、データの反映をお願いします」
ウィンドウが発光し、データが反映された。
<アバターメイクメニュー>
・アバター名:トキオ
・種族:人族
・性別:男
・容姿:タイプB
・体格:タイプC
・声色:タイプG
ウィンドウが消え、時男の前に光が生じアバターモデルが現れた。アバター名:トキオと頭上に表示され、容姿は時男のままで赤茶色の髪と蒼色近い黒の目、体格は少し身長が伸び、がっしりとした体格になった。声色は、元の声より若干低めに調整されていた。
「このアバターでよろしければ、次にステータスの説明と設定を行いますがいかが致しますか?」
「このアバターでOKです、ステータスの説明をお願いします」
「はい、了解致しました。このアバターが時男様のこの世界での姿になります。では、ステータスの説明を行います」
また、時男の前にウィンドウが現れた。
<ステータス:トキオ>
・Lv:1/35
・HP:40/40
・MP:11/11
・ST:100/100
・攻撃力:10
・防御力:15
・敏捷力:10
・影響力:12
・抵抗力:14
「ウィンドウに表示されているのが、時男様のアバター:トキオのステータスです。上から順に、レベル:総合的な強さ指標、HP:生命力で0になると死亡となり拠点、町や村などに自動で送還されデスペナルティ状態で蘇生されます。デスペナルティは、ステータスの半減と拠点からの移動が《NWO》時間で1時間半制限されます。アイテムやマネーのロストはランダムで行われますので、ご承知の上プレイしてください。また、デスペナルティを緩和するアイテムやアビリティが、ありますので利用してください」
「はい!」
「次に、MP:魔力の量表す値で、マジックを使用すると消費されます。マジックは、各種ジョブによって制限が違うのジョブ選びの参考にしてください。ST:スタミナを表す値で連続で走る場合やアイテムの作成行動で消費し20の値になると疲労状態でしばらく行動できなくなります。STの上限値や消費量を緩和するアイテム、スキル、アビリティが有りますので利用してください」
「わかりました!」
「最後に、攻撃力や防御力などの5つのパラメーターですが、武器や防具、魔道具などの装備条件で参照されます。また、スキルやアビリティ、魔法の行動とダメージの数値に影響します。詳しくはヘルプの【ステータスについて】を確認してください」
「了解です!」
「これで、ステータスの説明は終了です。最後にアイテムボックスとネオ・ビギナーセットについてご説明します。アイテムボックスとはプレイヤーのデフォルトのアビリティで装備品や素材などのアイテムを保管することができます。同名のアイテムは99までスタックでき100種類のアイテムを保管できます。スタック数や保管数は、スキルやアビリティ、アイテムで増やすことができます。次に、ネオ・ビギナーセットですが基本の各ジョブの入門用武器と防具、ジョブに制限されずに装備できる初心者用武器と防具が入っていています。スタート時のジョブはノービスで統一されてますので、ジョブ制限のないものを装備してください。」
「わかりました!……あの、ガードナイトのジョブになるにはどうすればいいんですか?」
「うーん……そうですね、詳しくはお答えできませんが、そのジョブに関係する、場所や装備品について調べ行動することが、なりたいジョブになれる近道です」
「そうなんですね。ありがとうございます!」
「はい、これでネオ・ワールドへ旅立つ準備を完了しました。戦闘や生産の説明は最初に拠点になる町、ネオスの各ジョブギルドで行われます。また、わからないことがありましたら町に住むNPCへの質問やアバターメニューのヘルプをご参照ください。では、拠点へとお送りしますがよろしいですか?」
「はい、お願いします!」
時男の了承で、時男の意識がアバター:トキオに重なるような感覚に包まれ意識が暗転した。
その少年の名は時野時男という。
今年から高校に通う15才、入学祝いと実用を兼ねて両親からプレゼントされた最新式のVRハードを装着した状態が冒頭である。
今か今よと時男が待っているのは、後43秒後に始まる新たなVRMMO《ネオ・ワールド・オンライン》略称《NWO》。今日がその正式サービス開始日である。
時男は腐れ縁の友達と《NWO》でパーティーを組、一緒に遊ぶ約束をしていた。
時男はパーティーでタンクジョブのガードナイトをやろうと計画している。なぜ、ガードナイトかというと、公式サイトで紹介されていたフルプレートな鎧が、かっこよく一目で気に入ってしまった。しかし、公式からは基本的な格ジョブの紹介はされているが、そのジョブになる方法が詳しく説明されていなかった。ただ一文だけ、行動や嗜好によってなれるジョブが決まるとあった。
VRハードのモニターがミュージックとともに発光しログイン画面が表示される。時男は迷わずモニターを思考アクションでタッチする。それが《NWO》へ旅立つトリガーとなった。
雲が流れ風が流す。青々と空を反射する大海があり、そこに浮かぶようにして連なる大小ある大陸を写真のように収めるがごとく目の前に写しだされていた。
「すげー!!」
時男は世界の全貌が見渡せるような高さにありながら興奮の只中にいた。世界は広くただただ無限の可能性の想像させる。興奮冷めやまず、急に体の安定を感じた時男の前に白く燐光する球体が現れた。
「ようこそ、ネオ・ワールド・オンラインへ。私は初回プレイヤー様のガイドを勤めます、ネオンと申します。よろしくお願いします」
「どうも、はじめましてプレイヤーの時男と言います」
「ではさっそく、時男様のアバターメイクに入りたい思いますが、いかが致しましょうか?」
「お願いします!」
時男の前にウィンドウが現れ、そこにはアバターメイクに必要な項目が並んでいた。
<アバターメイクメニュー>
・アバター名:未入力
・種族:未設定
・性別:男
・容姿:タイプ未設定
・体格:タイプ未設定
・声色:タイプ未設定
「まずは、アバター名を決めてください。また、事前にアバターデータをご用意されていましたらそれを反映致します。時男様はすでにデータをご用意されていますが、反映されますか?」
「はい、データの反映をお願いします」
ウィンドウが発光し、データが反映された。
<アバターメイクメニュー>
・アバター名:トキオ
・種族:人族
・性別:男
・容姿:タイプB
・体格:タイプC
・声色:タイプG
ウィンドウが消え、時男の前に光が生じアバターモデルが現れた。アバター名:トキオと頭上に表示され、容姿は時男のままで赤茶色の髪と蒼色近い黒の目、体格は少し身長が伸び、がっしりとした体格になった。声色は、元の声より若干低めに調整されていた。
「このアバターでよろしければ、次にステータスの説明と設定を行いますがいかが致しますか?」
「このアバターでOKです、ステータスの説明をお願いします」
「はい、了解致しました。このアバターが時男様のこの世界での姿になります。では、ステータスの説明を行います」
また、時男の前にウィンドウが現れた。
<ステータス:トキオ>
・Lv:1/35
・HP:40/40
・MP:11/11
・ST:100/100
・攻撃力:10
・防御力:15
・敏捷力:10
・影響力:12
・抵抗力:14
「ウィンドウに表示されているのが、時男様のアバター:トキオのステータスです。上から順に、レベル:総合的な強さ指標、HP:生命力で0になると死亡となり拠点、町や村などに自動で送還されデスペナルティ状態で蘇生されます。デスペナルティは、ステータスの半減と拠点からの移動が《NWO》時間で1時間半制限されます。アイテムやマネーのロストはランダムで行われますので、ご承知の上プレイしてください。また、デスペナルティを緩和するアイテムやアビリティが、ありますので利用してください」
「はい!」
「次に、MP:魔力の量表す値で、マジックを使用すると消費されます。マジックは、各種ジョブによって制限が違うのジョブ選びの参考にしてください。ST:スタミナを表す値で連続で走る場合やアイテムの作成行動で消費し20の値になると疲労状態でしばらく行動できなくなります。STの上限値や消費量を緩和するアイテム、スキル、アビリティが有りますので利用してください」
「わかりました!」
「最後に、攻撃力や防御力などの5つのパラメーターですが、武器や防具、魔道具などの装備条件で参照されます。また、スキルやアビリティ、魔法の行動とダメージの数値に影響します。詳しくはヘルプの【ステータスについて】を確認してください」
「了解です!」
「これで、ステータスの説明は終了です。最後にアイテムボックスとネオ・ビギナーセットについてご説明します。アイテムボックスとはプレイヤーのデフォルトのアビリティで装備品や素材などのアイテムを保管することができます。同名のアイテムは99までスタックでき100種類のアイテムを保管できます。スタック数や保管数は、スキルやアビリティ、アイテムで増やすことができます。次に、ネオ・ビギナーセットですが基本の各ジョブの入門用武器と防具、ジョブに制限されずに装備できる初心者用武器と防具が入っていています。スタート時のジョブはノービスで統一されてますので、ジョブ制限のないものを装備してください。」
「わかりました!……あの、ガードナイトのジョブになるにはどうすればいいんですか?」
「うーん……そうですね、詳しくはお答えできませんが、そのジョブに関係する、場所や装備品について調べ行動することが、なりたいジョブになれる近道です」
「そうなんですね。ありがとうございます!」
「はい、これでネオ・ワールドへ旅立つ準備を完了しました。戦闘や生産の説明は最初に拠点になる町、ネオスの各ジョブギルドで行われます。また、わからないことがありましたら町に住むNPCへの質問やアバターメニューのヘルプをご参照ください。では、拠点へとお送りしますがよろしいですか?」
「はい、お願いします!」
時男の了承で、時男の意識がアバター:トキオに重なるような感覚に包まれ意識が暗転した。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
────────
自筆です。
【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました
鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。
だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。
チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。
2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。
そこから怒涛の快進撃で最強になりました。
鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。
※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。
その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。
───────
自筆です。
アルファポリス、第18回ファンタジー小説大賞、奨励賞受賞
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは
勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?
猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」
「え?なんて?」
私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。
彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。
私が聖女であることが、どれほど重要なことか。
聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。
―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。
前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。
「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる