みんなで創るネオ・ワールド・オンライン/ロード・オブ・ザ・アーマーズ

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第1話 アバターメイクと説明

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 VRハードのモニターに7/21、17:59:00と時刻が表示されていた。あと60秒と吸った空気を吐き、ベッドにあお向けに横たわる10代の少年が空中のモニターに釘付けになっている。
 その少年の名は時野時男ときのときおという。
 今年から高校に通う15才、入学祝いと実用を兼ねて両親からプレゼントされた最新式のVRハードを装着した状態が冒頭である。
 今か今よと時男が待っているのは、後43秒後に始まる新たなVRMMO《ネオ・ワールド・オンライン》略称《NWO》。今日がその正式サービス開始日である。
 時男は腐れ縁の友達と《NWO》でパーティーを組、一緒に遊ぶ約束をしていた。
 時男はパーティーでタンクジョブのガードナイトをやろうと計画している。なぜ、ガードナイトかというと、公式サイトで紹介されていたフルプレートな鎧が、かっこよく一目で気に入ってしまった。しかし、公式からは基本的な格ジョブの紹介はされているが、そのジョブになる方法が詳しく説明されていなかった。ただ一文だけ、行動や嗜好によってなれるジョブが決まるとあった。
 VRハードのモニターがミュージックとともに発光しログイン画面が表示される。時男は迷わずモニターを思考アクションでタッチする。それが《NWO》へ旅立つトリガーとなった。

 
 雲が流れ風が流す。青々と空を反射する大海があり、そこに浮かぶようにして連なる大小ある大陸を写真のように収めるがごとく目の前に写しだされていた。

 「すげー!!」

 時男は世界の全貌が見渡せるような高さにありながら興奮の只中にいた。世界は広くただただ無限の可能性の想像させる。興奮冷めやまず、急に体の安定を感じた時男の前に白く燐光する球体が現れた。

 「ようこそ、ネオ・ワールド・オンラインへ。私は初回プレイヤー様のガイドを勤めます、ネオンと申します。よろしくお願いします」

 「どうも、はじめましてプレイヤーの時男と言います」

 「ではさっそく、時男様のアバターメイクに入りたい思いますが、いかが致しましょうか?」

 「お願いします!」

 時男の前にウィンドウが現れ、そこにはアバターメイクに必要な項目が並んでいた。

 <アバターメイクメニュー>
 ・アバター名:未入力
 ・種族:未設定
 ・性別:男
 ・容姿:タイプ未設定
 ・体格:タイプ未設定
 ・声色:タイプ未設定
 
 「まずは、アバター名を決めてください。また、事前にアバターデータをご用意されていましたらそれを反映致します。時男様はすでにデータをご用意されていますが、反映されますか?」

 「はい、データの反映をお願いします」

 ウィンドウが発光し、データが反映された。

 <アバターメイクメニュー>
 ・アバター名:トキオ
 ・種族:人族
 ・性別:男
 ・容姿:タイプB
 ・体格:タイプC
 ・声色:タイプG

 ウィンドウが消え、時男の前に光が生じアバターモデルが現れた。アバター名:トキオと頭上に表示され、容姿は時男のままで赤茶色の髪と蒼色近い黒の目、体格は少し身長が伸び、がっしりとした体格になった。声色は、元の声より若干低めに調整されていた。

 「このアバターでよろしければ、次にステータスの説明と設定を行いますがいかが致しますか?」

 「このアバターでOKです、ステータスの説明をお願いします」

 「はい、了解致しました。このアバターが時男様のこの世界での姿になります。では、ステータスの説明を行います」

 また、時男の前にウィンドウが現れた。

 <ステータス:トキオ>
 ・Lv:1/35
 ・HP:40/40
 ・MP:11/11
 ・ST:100/100
 ・攻撃力:10
 ・防御力:15
 ・敏捷力:10
 ・影響力:12
 ・抵抗力:14
 
 「ウィンドウに表示されているのが、時男様のアバター:トキオのステータスです。上から順に、レベル:総合的な強さ指標、HP:生命力で0になると死亡となり拠点、町や村などに自動で送還されデスペナルティ状態で蘇生されます。デスペナルティは、ステータスの半減と拠点からの移動が《NWO》時間で1時間半制限されます。アイテムやマネーのロストはランダムで行われますので、ご承知の上プレイしてください。また、デスペナルティを緩和するアイテムやアビリティが、ありますので利用してください」

 「はい!」

 「次に、MP:魔力の量表す値で、マジックを使用すると消費されます。マジックは、各種ジョブによって制限が違うのジョブ選びの参考にしてください。ST:スタミナを表す値で連続で走る場合やアイテムの作成行動で消費し20の値になると疲労状態でしばらく行動できなくなります。STの上限値や消費量を緩和するアイテム、スキル、アビリティが有りますので利用してください」

 「わかりました!」

 「最後に、攻撃力や防御力などの5つのパラメーターですが、武器や防具、魔道具などの装備条件で参照されます。また、スキルやアビリティ、魔法の行動とダメージの数値に影響します。詳しくはヘルプの【ステータスについて】を確認してください」

 「了解です!」

 「これで、ステータスの説明は終了です。最後にアイテムボックスとネオ・ビギナーセットについてご説明します。アイテムボックスとはプレイヤーのデフォルトのアビリティで装備品や素材などのアイテムを保管することができます。同名のアイテムは99までスタックでき100種類のアイテムを保管できます。スタック数や保管数は、スキルやアビリティ、アイテムで増やすことができます。次に、ネオ・ビギナーセットですが基本の各ジョブの入門用武器と防具、ジョブに制限されずに装備できる初心者用武器と防具が入っていています。スタート時のジョブはノービスで統一されてますので、ジョブ制限のないものを装備してください。」

 「わかりました!……あの、ガードナイトのジョブになるにはどうすればいいんですか?」

 「うーん……そうですね、詳しくはお答えできませんが、そのジョブに関係する、場所や装備品について調べ行動することが、なりたいジョブになれる近道です」

 「そうなんですね。ありがとうございます!」

 「はい、これでネオ・ワールドへ旅立つ準備を完了しました。戦闘や生産の説明は最初に拠点になる町、ネオスの各ジョブギルドで行われます。また、わからないことがありましたら町に住むNPCへの質問やアバターメニューのヘルプをご参照ください。では、拠点へとお送りしますがよろしいですか?」

 「はい、お願いします!」

 時男の了承で、時男の意識がアバター:トキオに重なるような感覚に包まれ意識が暗転した。
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