上 下
1 / 1

1.

しおりを挟む

_____

......私の婚約者。
一応、第一王子なのだけれど、遊び惚けてばかりで、王になる気が全くない。
仕事は私に押し付けてばかり、もううんざりだわ!!

今まで王妃教育を受けてきて、第一王子とは支えあって困難を乗り越えていくものだと思っていたのだけれど...そう思った私が馬鹿だったのかしら?
第一王子には現在の王や第二王子も呆れていて、きっと王は第二王子が即位するんだろうと全国民が思っている。
...まぁ、第一王子と生きていくしかないのよね、頑張ろう。

_____

......と思っていた矢先のことでした。
王子は、浮気をしていました、しかも平民の女性と。
...今までも遊び惚けていたので、少しは目をつぶっていましたが......。
平民の女性にまで手を出されては、王家の名に傷がつきます。

......私はもう第一王子にうんざりし、全て現在の王に話すことにしました。

すると、現在の王は深刻に受け止めたようで、
「...そんなことがあったのだな、分かった。
我が息子と君の婚約を、王名義で破棄しよう。
......それと、第一王子には王家を名乗る資格は無いな、勘当だ。」
「…わかりました、ありがとうございます。」

_こうして、第一王子と私の婚約は途切れた。

_____

私はあの後実家に戻り、両親の業務の手伝いをしていました。
第一王子は約束通り勘当されたようで、平民として暮らしているようですが...?

ある日、私の実家の元へ、怒りで真っ赤になった第一王子が乗り込んできました。
...しかも、愛人?である平民の女性を連れて。

「おい、お前!!! お前のせいだ!!!」
(...は?)

私は精一杯の侮辱を込めて、話しかける。
「...第一王子さん?? 何しに来たんですか??」

そうすると、真っ赤だった顔はもっと真っ赤になった。随分とご立腹な様子ね?
「元...だと!?!?俺はれっきとした王家だ!!!侮辱するな!!
お前のせいだ、お前が密告したんだろ!?」

...密告?
......あぁ、浮気のことか。

「自分が悪いということすら分からないのですか?赤ちゃんなんですか?」

......これ以上元第一王子と話していると、疲れてしまう。
「とにかく、貴方と話すことはもうございませんので、お帰り下さい。」

_____

あの後、元第一王子は悪い噂ばかり流れ始め、愛人の平民女性とも破局してしまったそうです。
......あんなのがこの国の王にならなくて、本当に良かった。
私としても、妻になるんだったら、もっとしっかりしていて誠実な方がいいですしね。



私は、今誠実な人とお付き合いしているので、幸せですよ!!
本当に、元第一王子と結婚してなくて良かった~
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...