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しおりを挟む_悪役令嬢!
…誰かがそう言った。
気づいた時には私は、断罪されていた。
_____
あれ?ここは…?
私は断罪されて、この世を去ったはずなのに、まだ生きてる?
…ここは私の部屋ね。
今は…朝かしら?
私が動揺していると、使用人が起こしに来た。
「おはようございます、お嬢様。
今日は、婚約者様とのパーティーがあります。
お早めに準備してくださいませ。」
…パーティー?
「…ねえ、今日って、何日?」
使用人は、困惑しながら、
「10日…です、けど…どうしましたか?」
…10日!
私が断罪されるのは、今日だわ。
「…大丈夫、ありがとう。」
「?
失礼いたします。」
…時が、戻ったのかしら?
今日のパーティーで、私は断罪される。
まず、身に覚えのない罪を私の婚約者になすりつけられ、婚約破棄をされた後、断罪される。
…そういえば、その時に、私の婚約者の隣に居たのは、他の女性だった。
もしかしたら、というか十中八九私の婚約者は浮気していて、私が邪魔だったから罪をなすりつけたんじゃない!?
それなら、浮気している事実を突きつけた後に、こっちから婚約破棄してやりましょう。
浮気する婚約者なんて、こっちから願い下げだわ!
~パーティー~
パーティーが始まった。
とりあえず、牽制でもしてみようかしら。
「あら、貴方。
私ではなくて、他の女性が隣にいるのですね。」
…言い過ぎかしら?
まぁ、どうせ婚約破棄するのだからいいでしょう。
私の婚約者が言った。
「そうだ、お前に話がある。」
ここだ。
ここで身に覚えのない罪をなすりつけられる。
「私もありますのよ。
先に話してもよろしくて?」
「…許可しよう。」
…許可って(笑)
貴方、いつから偉くなったのかしら?
「貴方、浮気してますね?」
ここで、私は仕掛けた。
さて、貴方は何を言うかしら?
「なっ!?
浮気などしていない!!!証拠はあるのか!?」
「証拠もあります。
…だけれど、ここで言っていいのかしら??」
…本当は証拠などないのだけれど、きっと貴方は本当に浮気しているから、動揺するでしょう。
「やっぱりやめてくれ!!
だけど、俺は浮気などしていない!!」
…浮気してないなら堂々としてればいいのにね。
「婚約破棄しましょう。
貴方もどうせ婚約破棄したいんでしょう?」
ここで婚約破棄できれば最高だわ。
貴方の地位も下がるし、私は婚約破棄できるし。
「わかった。
婚約破棄、しよう。」
やった!
これで、私は断罪されずに済む。
「それじゃあ、さようなら。」
「じゃあな、悪役令嬢!」
…最後まで悪役令嬢と貴方は言うのね。
まぁ、いいわ。これで貴方とはおさらば。
私はこれで自由よ!
さぁ、これからどんな人生にしようかしら?
後から噂で聞いた話だけれど、私の元婚約者は、勝手に婚約破棄したせいで父親からこっぴどく叱られたらしいわ。
ざまぁないわね。
応援ありがとうございます!
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