冗談はお辞めにして？婚約破棄、したいのでしょう？？それじゃあ今すぐにでもしましょう。

1.

毎日毎日.........。
「俺という婚約者がいないとお前は、何も価値がないんだからな！？」
「婚約破棄するぞ？？いいのか？俺が居なくなっても。」
婚約破棄という単語とともに貴方は私に罵声を浴びせますね。
そんなに婚約破棄したいなら、勝手にすればいいのに。

ただ、怒られるのは貴方の方ですけど。
...この婚約は、国王の命に従ってただ婚約しただけ。
そこに愛など何もない。
私はそれでいい、国王に従っていれば、ずっと衣食住が保証される。

それがどんなに幸せなことか。
...もともと、私は貧乏な孤児だった。
だけど、護衛としての才能が認められ、国王のお気に入りとまで上り詰めた。
そんなときに、国王が、「君にも婚約相手が必要だろう。」と思ったらしく、私たちは婚約をした。

貴方は......その婚約が不服だったようで、
「なんで俺が護衛なんかと結婚しないといけないんだ！！」と毎日怒鳴り散らかしていた。
私はもう耳が痛くなったので、国王に婚約破棄して良いか聞いた結果、婚約破棄していいらしい。

だから、私は今日婚約破棄を申し込もうと思う。
だけれど、国王には全て話してある。
貴方が罵声を浴びせてきたこと、時には暴力まで振るわれそうになったこと......など。
国王は全て知ってるんですよ？？
今までの生活に戻れるとは思わないことね。

「お前が俺の価値をどれだけ下げてると思っているんだ！！！
お前がいなければ俺はもっと上の地位についてたはずだったのに.....！！！」
...はいはい、いつものヒステリックね。
ほんと、聞きすぎて迷惑してるわ。

「じゃあ、婚約破棄、します？？」
私がそう言うと、貴方は驚いたように...その後に、喜んだように。
「...婚約破棄できるのか！？」
「えぇ、国王には話を通してあります。
私も、貴方にはうんざりでしたので。」
無論、貴方は今までの生活には戻れませんけど。

「分かった、婚約破棄、よろしく頼む。」
「はい、今までありがとうございました。」

......あの後、国王に無事婚約破棄したことを伝えた。
一応、私の元婚約者はどんな処遇を受けるのか聞くと、
「他国に留学させに行く、それで改心すればいいけどな。」
とのことだった。
留学と言っても、この国には程遠い田舎に行かせるそうだ。
本当、馬鹿なことをしたわね。
罵声を浴びせずに、大人しく婚約破棄を待てば少しは良かっただろうに.........。

私は、今まで通り護衛として仕事をするつもりだ。