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しおりを挟む聖女は、国に一人しかいない存在だ。
この国は、代々聖女を崇め、信仰している国だった。
私は、聖女だ。
小さな願い事から、大きな願い事まで、何でも願えば叶えられる。
だけれど、そんな信仰されたり、神様の様に扱われるのは絶対嫌なので、それを隠して生きてきました!
幸い、家は裕福な方だったから、今は婚約相手もいるし、幸せに暮らしている。
…そう思っていたのだけれど、今日までは。
リリアンヌ、私を呼ぶ声が聞こえる。愛しい彼の声。
「リリアンヌ、。
突然で悪いのだが、婚約を破棄してくれないか、?」
「…え?今、なんと?」
「…婚約を破棄してくれないか、?」
…聞き間違いじゃなければ、「婚約を破棄してくれないか」って言った?
「…なんで、ですか?」
「…俺だって、リリアンヌと一緒に暮らせればそれで幸せだったよ!!」
「理由は、?」
「この国を守る聖女って言ってる子が。
俺のことを好きなんだって、だから…、俺もそれに応えないと。」
「…なにそれ。
私だって、貴方の事好きなんですよ?」
「…仕方ないじゃん、好きになっちゃったんだから。」
「…そうですか、じゃあもういいです。
貴方の事なんか知りません。」
(その子の言う、聖女って言うのは、多分この国の聖女とは違う。
だって、私が聖女だもん。)
…こんなことを言ってしまったら、駄目なのかもしれないけれど、。
…どうか、彼女の嘘が、すぐにばれますように。
その後私は、出来るだけ彼と会いたくないから、他国へ出ることにした。
…この国は、私にどれだけ守られていたか。
_その後、彼が生きている国は、聖女を騙る女に騙されて、破滅に向かったようだ。
多分、彼も…、破滅へ向かったでしょうね。
私はというと、他国で私を本当に好きだと言ってくれる人と結婚し、幸せに暮らしています!
その人だけには、聖女と明かしています。
最初から、聖女と周りに公言しておけば、彼の気持ちは変わらずにいてくれたのかなぁ。
まぁ、今更もう彼のことは知りませんけどね!!
私は今幸せですもの!!
応援ありがとうございます!
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