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第五章 王太子の愛情 メイヴィス×シャーロット❷
3・騎士団長 グリード
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「グリードよく来てくれた、少し相談したい事がある。二年近く前の魔獣討伐遠征を覚えているか?」
メイヴィスは入室して来たグリードに着座をするように促す、彼は頷いてメイヴィスの対面に座った。
「殿下が私の静止を振り切って単独行動を取った挙句に、危うく儚くなる所だったアレでしょうか?」
メイヴィスはグリードの言葉にグサグサと心を刺されて傷付いたが、表情には出さずに話しを続ける。
「その辺はともかく西の辺境伯領の近くだっただろう、近々シャーロットが巡回治癒であの辺りへ行く、それに私も同行する事にしたから、警護面の相談をしたい」
聖女の巡回治癒に騎士団から護衛を出した事は無いが、シャーロットはいまや王太子の婚約者だ、メイヴィスも同行するなら厳重な警護が必要になる。
「分かりました、神殿の方の日程や行程が決まり次第こちらも警護の試案書を提出します」
「今回私が彼女に同行する表向きの理由は、地方視察と婚約者との親睦をはかる事だが、裏の目的は辺境伯の周辺を内密に調査をする事だ、巡回治癒には君も同行してくれ」
「調査ですか、何か辺境伯に不審な点が有るのでしょうか?」
グリードは私の様子に違和感を感じたのか微妙な表情をしている。私は以前からシコリのように感じていた事を彼に話した。
「そうだな、二年前に起きた魔獣の襲撃について、ザカリー辺境伯が何らかの形で関与をしているのではと私は疑っている。まだ疑いの段階で確証は一つも無い、だから内密に調査するんだ」
「・・・・・」
「おかしいと思わないかグリード?、あの時私達が行くまでは魔獣は大人しかった。なのに突然、狂った魔獣が一斉に私達に向かって襲いかかって来た、私が討伐したデビルズベアも狂っていた」
あの時の事はグリードも不審に思っていた、だが表面的には解決しているので追求したくても出来ない。メイヴィスは思案顔のグリードを見つめて話を続ける。
「誰かが邪魔な魔獣と私達を同時に始末しようと裏で画策していた可能性が考えられる」
「まさか!、誰が何のためにそんな事を!」
グリードはメイヴィスの言葉に驚き声が荒くなる、それが事実ならあの場にはメイヴィスも居たのだ、王族の殺害を企てた事になる。
「それを探るんだ既にマーリオを潜らせている、君に彼との繋ぎをして欲しい。あの襲撃の裏に誰かの思惑があったとしたら、その誰かは知られたら不味い事をしている筈だ」
・・・・・聡明なメイヴィス殿下の事だ、まだ私に明かしていない事柄で、殿下が疑いを持つ何かが有るのだろう・・・・・
「承知しました、同行する騎士の人選だけはしておきます」
◆◇◆◇◆◇
今日の仕事を終えたシャーロットとアリーは神殿の休憩室で焼き菓子を食べながらお喋りをしていた。
「ねぇアリーどう思う?、やっぱり婚前旅行なのかしら・・・・」
シャーロットは頬を染めて、もじもじとしながらアリーに問いかける。アリーはそんなシャーロットをジト目で見て、お菓子をばくばく食べている。
「ロッテ、貴女本来の目的を覚えてる?、私達は巡回治癒をしに行くのよ。メイヴィス殿下だって地方視察が目的でしょ、それに忘れてるかも知れないけど私も行くのよ、殿下と二人っきりじゃないから」
アリーの言葉にシャーロットは ハッとした、巡回治癒は二人一組で行うものなので、今回シャーロットはアリーと一緒なのだ、気心の知れた女友達との旅。
「いやーん、婚前旅行じゃなくて、もしかして聖女の卒業旅行的な感じかも」
シャーロットは両頬に手を当てクネクネし始めた。また別な方向に壊れ始めたシャーロットを見るアリーの目つきは、完全に残念な子を見る目つきでだった。
・・・・・やれやれ、これでも彼女の治癒能力は聖女の中でも最上位なのだ。シャーロットだからあの時殿下を助ける事が出来たし居合わせたのが私だったら助けられなかった・・・やっぱり二人は運命の恋人なのかも・・・・・・・・
アリーはまだクネクネしているシャーロットをみて羨ましく思う、たった一人の運命の人に出逢ったら少しは壊れても仕方ないだろう。
「私にも何処かに運命の人が居るのかしら」
ただ見つかってもシャーロットみたいには壊れないぞとアリーは構えた。
メイヴィスは入室して来たグリードに着座をするように促す、彼は頷いてメイヴィスの対面に座った。
「殿下が私の静止を振り切って単独行動を取った挙句に、危うく儚くなる所だったアレでしょうか?」
メイヴィスはグリードの言葉にグサグサと心を刺されて傷付いたが、表情には出さずに話しを続ける。
「その辺はともかく西の辺境伯領の近くだっただろう、近々シャーロットが巡回治癒であの辺りへ行く、それに私も同行する事にしたから、警護面の相談をしたい」
聖女の巡回治癒に騎士団から護衛を出した事は無いが、シャーロットはいまや王太子の婚約者だ、メイヴィスも同行するなら厳重な警護が必要になる。
「分かりました、神殿の方の日程や行程が決まり次第こちらも警護の試案書を提出します」
「今回私が彼女に同行する表向きの理由は、地方視察と婚約者との親睦をはかる事だが、裏の目的は辺境伯の周辺を内密に調査をする事だ、巡回治癒には君も同行してくれ」
「調査ですか、何か辺境伯に不審な点が有るのでしょうか?」
グリードは私の様子に違和感を感じたのか微妙な表情をしている。私は以前からシコリのように感じていた事を彼に話した。
「そうだな、二年前に起きた魔獣の襲撃について、ザカリー辺境伯が何らかの形で関与をしているのではと私は疑っている。まだ疑いの段階で確証は一つも無い、だから内密に調査するんだ」
「・・・・・」
「おかしいと思わないかグリード?、あの時私達が行くまでは魔獣は大人しかった。なのに突然、狂った魔獣が一斉に私達に向かって襲いかかって来た、私が討伐したデビルズベアも狂っていた」
あの時の事はグリードも不審に思っていた、だが表面的には解決しているので追求したくても出来ない。メイヴィスは思案顔のグリードを見つめて話を続ける。
「誰かが邪魔な魔獣と私達を同時に始末しようと裏で画策していた可能性が考えられる」
「まさか!、誰が何のためにそんな事を!」
グリードはメイヴィスの言葉に驚き声が荒くなる、それが事実ならあの場にはメイヴィスも居たのだ、王族の殺害を企てた事になる。
「それを探るんだ既にマーリオを潜らせている、君に彼との繋ぎをして欲しい。あの襲撃の裏に誰かの思惑があったとしたら、その誰かは知られたら不味い事をしている筈だ」
・・・・・聡明なメイヴィス殿下の事だ、まだ私に明かしていない事柄で、殿下が疑いを持つ何かが有るのだろう・・・・・
「承知しました、同行する騎士の人選だけはしておきます」
◆◇◆◇◆◇
今日の仕事を終えたシャーロットとアリーは神殿の休憩室で焼き菓子を食べながらお喋りをしていた。
「ねぇアリーどう思う?、やっぱり婚前旅行なのかしら・・・・」
シャーロットは頬を染めて、もじもじとしながらアリーに問いかける。アリーはそんなシャーロットをジト目で見て、お菓子をばくばく食べている。
「ロッテ、貴女本来の目的を覚えてる?、私達は巡回治癒をしに行くのよ。メイヴィス殿下だって地方視察が目的でしょ、それに忘れてるかも知れないけど私も行くのよ、殿下と二人っきりじゃないから」
アリーの言葉にシャーロットは ハッとした、巡回治癒は二人一組で行うものなので、今回シャーロットはアリーと一緒なのだ、気心の知れた女友達との旅。
「いやーん、婚前旅行じゃなくて、もしかして聖女の卒業旅行的な感じかも」
シャーロットは両頬に手を当てクネクネし始めた。また別な方向に壊れ始めたシャーロットを見るアリーの目つきは、完全に残念な子を見る目つきでだった。
・・・・・やれやれ、これでも彼女の治癒能力は聖女の中でも最上位なのだ。シャーロットだからあの時殿下を助ける事が出来たし居合わせたのが私だったら助けられなかった・・・やっぱり二人は運命の恋人なのかも・・・・・・・・
アリーはまだクネクネしているシャーロットをみて羨ましく思う、たった一人の運命の人に出逢ったら少しは壊れても仕方ないだろう。
「私にも何処かに運命の人が居るのかしら」
ただ見つかってもシャーロットみたいには壊れないぞとアリーは構えた。
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