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第一章
8. おっさん、胡椒を売ってみる
しおりを挟む「ちなみにこの獣人っ子はどうなりますかね?」
まだブツブツと独り言を呟いているオバちゃんに訊ねる。
「・・え、ああその子は奴隷だから、この場合所有権はあんたに移るね。この国では奴隷以外に獣人はいないから」
「・・そうなのですか?」
「ああ、あんたは旅人だったね。このエマージス神聖国は人族至上主義の国だからね。奴隷以外に獣人の入国が認められていないんだ。みんながみんな獣人嫌いという訳じゃないんだけどね・・。ただこのザシールの街の領主様は獣人が大嫌いだから、その子は領主様の目に触れさせない様に気をつけな。何言われるか分からないからね」
「・・そうですか。わかりました」
獣人っ子をぎゅっと抱きしめる。早いところ別の国に移動しよう。
「ちなみに、なんで領主様は獣人が嫌いなんですかね?」
「・・ここだけの話、獣人奴隷を無理やり手篭めにしようとして反撃されたらしいよ。頬に付いている傷はその時のものだとか」
どクズじゃねーか。
「この魔物の所有権も問題ありませんか?」
「ああ、討伐者が死んでいる場合、拾ったもん勝ちさね」
「それでは売却をお願いします」
「・・こんな大物いくらになるか・・査定に大分時間がかかるだろうね。・・数日はみてもらった方がいいね」
あまり時間はかけたくないな・・。
「ちなみに売り物になる部位は?解体にかかる時間は?」
「売り物になるのは、魔石・毛皮・牙・爪・骨・胆ってところかね。解体はどんなに急いでも明日になるよ」
おう、そうだ。魔石だいじ。
「それでは売却は無しで、解体だけお願いします。急ぎの用事で別の街に行かなければならないので。売り物にならない部分は処分してください」
「あいよ。これだけの大物だから解体費用は大銀貨3枚ってところだね」
(まずい・・金無いんだった、どうすっか。・・・そうだ!)
「手持ちが無いので、こちらで何か買い取ってもらえませんか?例えば・・塩とか胡椒とか」
「塩はここでは買い取れないよ。近くに岩塩が採れる場所があるから、買い取ってもウチの旨みがないからね。でも、胡椒だったら高級品だから喜んで買い取らせてもらうよ」
(よし!わざわざ商人と交渉する手間がはぶけた。流石は異世界定番の高級品、胡椒さんやでぇ!!)
「ちょっと待っててください!」
ギルドを出て物陰に隠れ、まわりに誰もいないのを確認する。
ネットショップで粒胡椒 [ブラックペッパー ホール200g] 1,000円とそれを入れる [麻袋 スモール] 200円を購入し、胡椒を麻袋に移す。残金200円。
解体場に取って返しオバちゃんに麻袋ごと渡す。
「いくらになりますか?」
「そうだね・・金貨3枚でどうだい?」
金貨キタコレ!価値がまったく分からんが。
「ではそれでお願いします。そこから解体費用を引いてください」
「あいよ」
カウンターに戻りオバちゃんから代金を受け取る。
ついでに獣人っ子の奴隷登録証も貰った。これが無いと色々面倒らしい。
「金貨3枚から解体費用の大銀貨3枚を引いて、金貨2枚と大銀貨7枚になるよ。確認しとくれ」
(大銀貨10枚で金貨1枚ってことか・・)
「問題ありません。あ、そうだ!」
俺は大銀貨2枚を取り、オバちゃんに渡す。
「街に入るのに必要な分です。門番さんに渡してもらえますか?」
「あいよ。解体は明日までには終わらせとくよ」
「わかりました。それと、この街で風呂のある宿ってどこですかね?」
「・・風呂かい?そんな豪勢なものがあるのは 《黄金の荒鷲亭》 くらいだね。ギルド前の大通りを北に向かえばすぐに分かるよ。なんせ立派な建物だからね」
(・・すげー名前だな)
「ありがとうございます。それでは明日また伺います」
俺達はギルドを後にした。
====================
購入品リスト
・[ブラックペッパー ホール200g] 1,000円
・[麻袋 スモール] 200円
合計 1,200円 残金 200円
現地通貨残高 金貨2枚 大銀貨5枚
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