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第一章
15. おっさん、エルフに出会う①
しおりを挟む思わず吹き出した。
シラユキさんがびっくりしてこっちを見る。
「ご・・ごめん、何でもないよ・・」
気持ちを落ち着かせる。
(なんだよ1億って・・桁がおかしいだろ!・・あの魔石にそれだけの価値があったってことか。ベヒモス・・災害級とか言ってたしな・・。想像以上にレアでヤバいやつだったって訳か・・そりゃレベルも上がるわな)
それに、お金はあるに越したことはないし。
シラユキさんが退屈していたので肩車をしてあげる。きゃっきゃ言いながら喜んでいる。
お金の心配が無くなったところで、奴隷を買いに行きますか。
街行く人に尋ね歩くことしばし、目的の奴隷商館を見つけ中に入る。
不健康そうに太った男が一瞬隣のシラユキを見た後、厭らしい笑みを浮かべて近寄ってきた。
「奴隷をお探しですか?」
「ええ。読み書きが出来る女性奴隷がいいのですが・・」
「ええ、ええ、おりますとも。種族のご希望はございますか?」
一応ダメもとで聞いてみるか。
「・・エルフとかっていたりします?」
「申し訳御座いません。エルフは希少な為、現在在庫を切らしておりまして」
「そうですか・・それは残念」
(・・いる事はいるんだな、エルフ)
「あ・・ただ、ダークエルフならいるのですが・・」
なぬ!ダークエルフとな!?
「是非、見せていただきたい!」
奴隷商人の案内で地下室へと向かう。
地下室の中は薄暗く、饐えた臭いがした。
一番奥まで歩き、奴隷商人は立ち止まる。
「・・こちらになります」
そこには、鎖で繋がれ襤褸切れを纏った15~6歳くらいの少女がいた。
「お客様もご存知の通り、ダークエルフは《忌み子》とも呼ばれ不吉な存在とされています。」
・・ん?そうなの?
「ですが曲がりなりにもエルフですので魔力量が多く、使い捨ての兵士として需要がある・・と思ったのですが。この国では信心深い方が多くて、まったく売り物になりません。最近は戦争もありませんし。仕方なく従業員の福利厚生にでも使おうと思ったのですが、従業員ですら災いを恐れて近寄らない始末でして・・。今なら金貨2枚でお売りしますよ?」
奴隷商は下卑た笑みを浮かべる。
「・・わかりました。ですが、今日は下見のつもりで金を持ってきていません。かわりに現物でもよろしいでしょうか?」
「現物ですか・・?」
「ええ、胡椒になります」
「・・まあ、いいでしょう。どうせ売れ残りですし」
「ちょっと待っていてください」
冒険者ギルドの時と同じように一旦奴隷商館の外に出て物陰に隠れる。まわりを確認してからネットショップで[ブラックペッパー ホール200g] 1,000円と[麻袋 スモール] 200円を購入し、胡椒を麻袋に移す。
商館に戻り、奴隷商に胡椒を渡す。
「これでどうでしょうか?」
麻袋の中を確認した奴隷商が汚らしい笑顔を浮かべる。
「・・問題ありません」
そりゃそうだろう。少なくとも金貨3枚以上の価値はあるからな。
「お客様は胡椒を扱っておられるのですか?」
「そうですが、何か問題でも?」
「いえいえ、もし宜しければ私共にもっと譲って頂けないかと思いまして」
おや?少々話の風向きが変わってきたな。
「・・どの程度入用でしょうか?」
「あればあるだけ譲って頂きたい。なにせ胡椒は高価な上、いくらでも需要がありますからな・・ワッハッハッ」
ほう・・あればあるだけとな?
「ご予算はいくらぐらいでしょうか?」
「・・・白金貨2枚分までなら。流石に多すぎますかな」
おそらくコイツは俺の事を、金貨3枚分の胡椒を2枚で売るカモだと思っているのだろう。
(いいだろう・・お望み通り売ってやろうじゃないか)
俺は心の中で邪悪な笑みをこぼす。
「白金貨2枚なら胡椒20kgでいかがでしょうか?」
「!!!・・商談成立ですな」
奴隷商は内心の喜びを隠しきれていない。馬鹿な田舎者を手玉に取ってやった感が滲み出ている。
(おまえ、商人むいてないよ)
俺は心の中でひとりごちた。
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