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第一章
22. おっさん、暗躍する⑤
しおりを挟む「カグヤー、シラユキをお風呂に入れてくれるか?」
カグヤさんにシャンプーとボディーソープの使い方をおしえる。
「わかりました。シラユキちゃん、一緒にお風呂にいきましょう」
「・・・や!」
そういって俺にしがみついてくるシラユキさん。
「どしたー?お風呂イヤかー?」
「・・・おっしゃんとはいるー」
「女の子同士で入った方がいいんじゃないかー?」
「ヤ!!おっしゃんとはいるのー!!」
目に涙を溜めてギュウウウッとさらにしがみついてくる。
カグヤさんは苦笑い。
「しょうがないなぁ・・ごめんなカグヤ。俺が入れるわ・・」
「お気になさらずに。ご主人様をとられてしまうんじゃないかと不安なんでしょう」
カグヤさんは優しく微笑んで見送ってくれた。
まずササッと自分を洗った後、シラユキさんを丁寧に洗ってやる。女の子なのでキレイにしてあげないとね。
髪と尻尾はリンスインシャンプーを使ったので大分指通りが滑らかになった。
これで至高のモフモフにまた一歩近づいたな!
洗い終わった所で湯船につかる。また膝の上に乗せてくらげを作ってやる。
「・・シラユキはカグヤのことキライか?」
ぶんぶんと首を横にふるシラユキ。
「それじゃあ、ちゃんとなかよくするんだぞ?」
こくりと頷いたあと、『うぅー』と泣きながらぎゅっと抱きついてくる。
(カグヤの言った通り不安にさせちゃったみたいだな)
頭を撫でながら優しく言って聞かせる。
「シラユキは俺にとって、とても大切な女の子だよ。だから何も心配することなんかないんだぞ?」
「・・・・あぃ」
『バァンッ!!』急に風呂場のドアが開いた。
「話は聞かせていただきました!!」
目に涙を溜めたカグヤさんが、いきなり風呂場に入ってきた。全裸で。
「ちょ、なにしてんの?なんで裸!?」
「ひとり寂しかったので、ドアの前で一緒にお風呂に入る機会を窺っていました。全裸で!」
「とりあえず前かくしなさい!」
「そんなことよりも、シラユキちゃん。私にはあなたの気持ちが痛いほどわかります。今までつらい思いをしてきたのでしょう。そしてそこから救い出してくれたご主人様に対する崇拝にも似た気持ち。そしてそれを失うことへの不安。わかります!私もまた同じだからです!でも心配はいりません。われわれは同志です。ともにご主人様を愛する仲間です。これからはふたりでご主人様を支え、愛を育んでいきましょう!!!」
「・・・ヤッ!!!」
シラユキさんはほっぺをふくらませ、ふたたびギュウウウッとしがみついてきた。
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