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第三章
ガルダの死闘
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すると、今度は怪物が腕を振りかぶると爪から衝撃波がいくつも放たれる。幸いにも動きが大雑把で狙いは正確ではないため、衝撃波のいくつかを相殺しながら対処できた。
まだ、身体が馴染んでいないということですかな。ならば、短期決戦といきますかな。ガルダが思案していると、怪物の口から衝撃波が放たれる。
「一度見てしまえばなんてことありませんな。今度はこっちの番ですぞ!」
怪物から放たれる衝撃波の軌道を弾いて変えると、オーラを全解放した。ガルダの筋肉がエネルギーを溜め込むように膨れ上がると、はち切れそうな腕で戦斧を振り上げ、一気に大地に叩きこむ。
「はぁぁぁぁ!!!グランドクラッシャー!!!!」
ガルダが大地に戦斧を叩きこむと、大地が揺れ始める。グラグラとまるで海のうねりのように大地が波打つと、戦斧を叩きこんだ箇所から前方に向かって放射状に地割れが起こった。
怪物は地面のうねりと地割れの両方に立っているのも困難な状態になると、ガルダを睨み上に飛んだ。飛びながらガルダを直接狙おうと腹積りなのだろう。ガルダはその瞬間を見逃さなかった。
戦斧を持ち直し、前方へ走るとガルダも怪物のほうへ飛ぶ。飛びながらオーラを身体中に巡らせていく。再び怪物は咆哮を上げると衝撃波を口から放った。ガルダはそれを真正面から弾くと、そのまま戦斧を振り上げた。
「これで終わりにする!鬼斧神撃《きふしんげき》ぃぃぃ!!!」
ガルダが戦斧を思い切り振り下ろすと、とてつもなく巨大なオーラの斬撃がまるで巨大な斧のように現れる。そして、その巨大な斧は怪物の身体を縦から真っ二つに両断した。
ガルダが怪物を討ち取った頃、エルンストもヴェルナーと協力して同じく化け物と化した十傑の成れの果てを討ち取っていた。
フランツとクルトの戦いは熾烈を極める。クルトはベルンハルトから渡された得体の知れない小瓶の中身に耐えきり、戦闘力は膨れ上がっていた。しかし、フランツもクルトの戦いの中で成長していく。突き、弾き、薙ぎ、袈裟斬り、打ち下ろし、打ち上げる。この剣撃のパターンをあらゆる角度で、あらゆるタイミングに変化をさせると無限のパターンを生み出す。
彼らはそれを瞬時に判断し、その時出来るお互いの最大の攻撃を繰り出す。クルトの動きに最初こそついていけなかった場面が何度かあったが、限界を超えながら徐々に適応しつつあった。既に彼らが打ち合った数は優に三百合を超えている。数百合を超える打ち合いのなかでフランツは何度もクルトから傷を負っている。
致命傷を避け続けているのはフランツの類まれなるセンスに他ならない。受けきれないと判断したときは、剣先に集中させたオーラを爆発させて相手の剣そのものを弾き飛ばすという荒業を続けた。
クルトはこれほど自分と打ち合える敵をベルンハルト以外に知らない。これは、彼にとって衝撃的なことだった。彼はある日ベルンハルトに連れて来られた。無口で、過去も語らず、感情の起伏が乏しいため何を考えているのかわからないと周りからは言われていた。
ただ、その強さは群を抜いている。反面、その性格と十傑最強の称号は、彼を常に孤立させた。クルトは、ここまで自分と打ち合えるフランツに、ある意味、親近感を抱き始めていた。
「これほど戦いが面白いと感じたことはなかったな。君、やっぱり強いよ」
「あ?てめぇの感想なんか聞いてねぇよ」
「君が隊で最強なの?残念だったね、アルトゥース王子を助けに行けなくて」
「何言ってんだ、おまえ?そもそも心配なんかしてねぇよ。あいつは俺と同じくらいには強えぇよ。つまりアルスはおまえよりも強えぇんだよ」
「どうかな?少なくともベルンハルトさまは俺より強い。アルトゥース王子が討たれれば君の部隊も終わりだろ?」
「俺はてめぇを倒すことが仕事だ。あいつはあいつの仕事をすればいい。そんだけだ。それ以上でもそれ以下でもねぇさ。無駄話してねぇでとっとと続けるぞ?」
「ふふふ。随分フラフラしてるようだね。そろそろ決着を付けるか。ベルンハルトさまの補佐をしに戻らないと」
フランツの意識は少しずつぼやけて来ていたのは確かだった。クルトとの打ち合いでたまに視界が歪むようになっている。これ以上時間を掛ければフランツが不利になるのは明らかだった。
「余計なお世話だ。アルスの元には行かせねぇよ。あいつの邪魔は誰にもさせるつもりはないからな」
フランツはオーラを初めて全解放した。それを見てクルトは目を見開いて少し驚き、彼もまたオーラを全解放する。互いのオーラがぶつかり合い、フランツの眩いオーラとクルトのどす黒いオーラがお互いに弾き合った。
「これで終わりだよ。スネークラッシュ」
クルトの蛇のような剣筋から黒いオーラが纏わりつく。その無数の黒いオーラがクルトの剣筋そのままに蛇行しフランツを襲う。フランツは感覚を研ぎ澄まし全集中力をもって軌道を視て感じる。集中、集中、集中、集中する。限界までオーラを高めたまま黒い軌道を感じる。
まだ、身体が馴染んでいないということですかな。ならば、短期決戦といきますかな。ガルダが思案していると、怪物の口から衝撃波が放たれる。
「一度見てしまえばなんてことありませんな。今度はこっちの番ですぞ!」
怪物から放たれる衝撃波の軌道を弾いて変えると、オーラを全解放した。ガルダの筋肉がエネルギーを溜め込むように膨れ上がると、はち切れそうな腕で戦斧を振り上げ、一気に大地に叩きこむ。
「はぁぁぁぁ!!!グランドクラッシャー!!!!」
ガルダが大地に戦斧を叩きこむと、大地が揺れ始める。グラグラとまるで海のうねりのように大地が波打つと、戦斧を叩きこんだ箇所から前方に向かって放射状に地割れが起こった。
怪物は地面のうねりと地割れの両方に立っているのも困難な状態になると、ガルダを睨み上に飛んだ。飛びながらガルダを直接狙おうと腹積りなのだろう。ガルダはその瞬間を見逃さなかった。
戦斧を持ち直し、前方へ走るとガルダも怪物のほうへ飛ぶ。飛びながらオーラを身体中に巡らせていく。再び怪物は咆哮を上げると衝撃波を口から放った。ガルダはそれを真正面から弾くと、そのまま戦斧を振り上げた。
「これで終わりにする!鬼斧神撃《きふしんげき》ぃぃぃ!!!」
ガルダが戦斧を思い切り振り下ろすと、とてつもなく巨大なオーラの斬撃がまるで巨大な斧のように現れる。そして、その巨大な斧は怪物の身体を縦から真っ二つに両断した。
ガルダが怪物を討ち取った頃、エルンストもヴェルナーと協力して同じく化け物と化した十傑の成れの果てを討ち取っていた。
フランツとクルトの戦いは熾烈を極める。クルトはベルンハルトから渡された得体の知れない小瓶の中身に耐えきり、戦闘力は膨れ上がっていた。しかし、フランツもクルトの戦いの中で成長していく。突き、弾き、薙ぎ、袈裟斬り、打ち下ろし、打ち上げる。この剣撃のパターンをあらゆる角度で、あらゆるタイミングに変化をさせると無限のパターンを生み出す。
彼らはそれを瞬時に判断し、その時出来るお互いの最大の攻撃を繰り出す。クルトの動きに最初こそついていけなかった場面が何度かあったが、限界を超えながら徐々に適応しつつあった。既に彼らが打ち合った数は優に三百合を超えている。数百合を超える打ち合いのなかでフランツは何度もクルトから傷を負っている。
致命傷を避け続けているのはフランツの類まれなるセンスに他ならない。受けきれないと判断したときは、剣先に集中させたオーラを爆発させて相手の剣そのものを弾き飛ばすという荒業を続けた。
クルトはこれほど自分と打ち合える敵をベルンハルト以外に知らない。これは、彼にとって衝撃的なことだった。彼はある日ベルンハルトに連れて来られた。無口で、過去も語らず、感情の起伏が乏しいため何を考えているのかわからないと周りからは言われていた。
ただ、その強さは群を抜いている。反面、その性格と十傑最強の称号は、彼を常に孤立させた。クルトは、ここまで自分と打ち合えるフランツに、ある意味、親近感を抱き始めていた。
「これほど戦いが面白いと感じたことはなかったな。君、やっぱり強いよ」
「あ?てめぇの感想なんか聞いてねぇよ」
「君が隊で最強なの?残念だったね、アルトゥース王子を助けに行けなくて」
「何言ってんだ、おまえ?そもそも心配なんかしてねぇよ。あいつは俺と同じくらいには強えぇよ。つまりアルスはおまえよりも強えぇんだよ」
「どうかな?少なくともベルンハルトさまは俺より強い。アルトゥース王子が討たれれば君の部隊も終わりだろ?」
「俺はてめぇを倒すことが仕事だ。あいつはあいつの仕事をすればいい。そんだけだ。それ以上でもそれ以下でもねぇさ。無駄話してねぇでとっとと続けるぞ?」
「ふふふ。随分フラフラしてるようだね。そろそろ決着を付けるか。ベルンハルトさまの補佐をしに戻らないと」
フランツの意識は少しずつぼやけて来ていたのは確かだった。クルトとの打ち合いでたまに視界が歪むようになっている。これ以上時間を掛ければフランツが不利になるのは明らかだった。
「余計なお世話だ。アルスの元には行かせねぇよ。あいつの邪魔は誰にもさせるつもりはないからな」
フランツはオーラを初めて全解放した。それを見てクルトは目を見開いて少し驚き、彼もまたオーラを全解放する。互いのオーラがぶつかり合い、フランツの眩いオーラとクルトのどす黒いオーラがお互いに弾き合った。
「これで終わりだよ。スネークラッシュ」
クルトの蛇のような剣筋から黒いオーラが纏わりつく。その無数の黒いオーラがクルトの剣筋そのままに蛇行しフランツを襲う。フランツは感覚を研ぎ澄まし全集中力をもって軌道を視て感じる。集中、集中、集中、集中する。限界までオーラを高めたまま黒い軌道を感じる。
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