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第一章 始まる新生活

第11話 旧石器時代の実習

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 特別授業の前夜。俺と原田さんは燃えたぎる興奮的な感情をなんとか抑え、交わることなく就寝することができた。

 ここで少し惚気話をさせてほしい。同室のペアである俺と原田さんは主に夜セックスの時間において情事を交わす事になる。

 行為のことを抜きにしても少し前からいい感じな雰囲気が漂っていたと感じていたが、それは俺の思い違いでは無かった様だ。

 一昨日の初セックスを堺に距離感が近くなったがそれと同時に変な壁を意識している様子が見受けられた。と、言うことは俺が原田さんから男として意識してくれているということだろう。

 俺が原田さんの事が好きになってしまっているのはもう周知の事実だと思う。が、彼女から向けられている?意外な矢印に俺は嬉しさと驚きを覚えていた。

 以降、俺たち二人は長く設定されている夜の時間が楽しみで仕方なくなっていた。昨夜だってゆったり濃厚な交わりを行った。

 しかし、翌日(土曜日)に行われる特別授業では大量の精子を使用することになる。回数には自身があるが残しておいたほうがいいだろうという事になり、その夜の挿入中止が決定して俺が原田さんを愛撫するだけになってしまった。

 そのため一夜開けた今この時。俺は様々が欲望が満たされず悶々としている。

 朝食の時間に蓮と大山さんの尊い夫婦漫才を見せつけられたり、涼悟と杉山さんのぎこちない会話の様子を温かい目で見ていたら……「ヤリたい。」「射精したい。」バカみたいだがこんな事を思ってしまった。

 童貞に逆戻りした様な俺は40人のクラスメイトたちと共に一時間目開始の合図を教室ではなく教室棟の玄関前で聞いた。

「はい。みなさんおはようございます。今日は特別授業ということで皆さんに旧石器時代のセックスを体験してもらおうと思います。実習場所と自分のグループを確認したらバスに乗り込んでください。」

 二人の先生の指示どおり確認をとってからバスに乗った。俺はBグループで実習場所はBエリアに指定されていた。仲間は原田さん、蓮、大山さん、涼悟、杉山さんのいつものメンツに、男女のペア二組を加えたメンバーだった。

 バスで敷地内を10分ほど移動したところにこの学校で一番広いグラウンドがある。サッカーコートを並べて2面作れるこの広さは都内(奥多摩)の学校とは思えない設備である。

 そのグラウンドであるはずの場所が今日は原始時代の集落と思わしき物に変わってしまっていた。その光景に見た生徒全てが口を大きく開いている。

「今日はこの旧石器時代の集落を真似たセットを使って実習をします。かなりお金が掛かっているので壊さないように気をつけてください。」

 集落と言っても各エリアに敷かれた人工芝の上に木板を使った超簡易的なテントが建てられていて、ところどころに発泡スチロール製の木が植えられているくらいの簡易セットだ。おい政府、良いぞもっとやれ。

 俺たちは自分のグループの木製テントの前に分け集められて拡声器を使って届けられる先生の指示を受けている。

「旧石器時代の人々は洞窟や岩陰を主な住居として生活していました。しかしそれらを再現することは難しいので、当時の遺跡からも発見されているテント状の建造物を再現されています。」

「ただ、彼らは屋内で行為に及ぶことは少なかったとされていますのでみなさんも青空の下でセックスしてみましょうか。」

 まさか40人の学生が同時に青姦する授業がこの世に存在して良いのだろうか。そんな一般的な考えはこの学校で寮生活していたら自然と氷解していってしまう。

 志水先生の吹いたホイッスルの音を合図に実習が始まった。俺たちはひとまず制服を脱いでテントの中に閉まった。

 一応男女別れて別々のテントで服を脱いだ。裸体を見たり見られたりする事よりも「脱衣の瞬間」を見られる方が思春期の俺たちには恥ずかしい事だった。

 5人の全裸男子と同じく5人の全裸女子がそれぞれのテントから出てきた。特に指示があった訳ではないが何故か一列ずつに並んでじっと前を見つめていた。面白いことに前にいるのはそれぞれ相部屋同士で、そろそろ見慣れきた「いつもの裸」がそこにはあった。

 二人の距離は時間が毎秒経過していくのに連れてそのスピードを加速しながらどんどん近くなっていく。あっという間に素肌と素肌は出会い、絡み合うようなハグを始めた。

 己の舌をペアの身体に這わせて体表の味を感じる。原田さんの味は塩辛く、恥ずかしさと緊張が拭いきれていない様子が生き生きと映し出されている。

 男の口は唇を奪うと、その後だんだんと高度を降ろしていく。女の持つ小さな丘のてっぺんに咲く美しい桜の木を上に下に右へ左へと揺らして、快楽の花びらを堕とそうとする。

 始まったときはまだまだ蕾だったそれは刺激に耐えることができずあっという間に自ら動き始めた。そして桜の木が折れてしまった瞬間だ。女の内部から雷が発生し彼女に直撃した。

 昨日の夜に大変な攻撃を受け続けた為、まだまだ過敏状態が継続されていたのかもしれない。

 意識が薄くなった原田さんを右腕でしっかり受け止めていると、反対側の腕が無意識の内に下へ下へと向かったいた。

 微赤に染められた身体が二本の足に分岐する地点までたどり着くと、そこでは洪水が起こっていて人差し指はあっという間に溺れてしまいそうになる。

 余りにも意外だったので視線を向けてみるとグラウンドが水分によって楕円形に湿っていた。蛇口はもちろん原田さんであり、バルブが壊れたかのようにボタボタと次々に愛液が溢れ落ちてきて止まる気配が見られない。

 徐々に膨張と緊張を抱え始めていた俺の愛息は、その様子を目の当たりにして一瞬のうちに屈強な男児に成長した。

 俺は原田さんを少し強引に押し倒すと正常位で結合した。セットの雰囲気も相まって気分は原始人そのものだった。

 青空のもと卑猥な事をしているうちにタガが外れて理性の数値が異常に低下している様だ。ひたすら彼女を求めて彼女と繋がることを望んでいる。

 ひと思いに腰を押し入れて完全に結合すると休む間も置かずに前後運動を開始した。湧き溢れ止むことない潤滑油が摩擦力を奪い運動のスピードを加速させる。

 原田さんの腰を押さえて何度も何度も腰を打ち付ける。後から思い返してみればまさに「野生の猿」の如く狂ったように行為をしていた。

 ときどき原田さんの下半身が飛び浮いて細かく震えるのが分かった。ただそれ以外のことは見えず聞こえず感じられなかった。自分が何度か果てて彼女の膣内に自らの精液を放った時ですら自覚なく腰を奮っていた。

「た………くん!!たちば……くん!!」

「立花くん!!」

 気がつくと原田さんが涙を浮かべながら俺の顔を優しく掴んでいた。やらかした。そうすぐに直感してくっついたままの身体を離そうとすると、想定外にも原田さんは俺の身体を抱きしめた。

「原田……さん!?」

「ごめんね。立花くん。私、わたし…」

 何故原田さんが謝っているのか、俺には全く分からなかった。謝らなければいけないのは俺の方だというのに。

「なんで原田さんが謝ってるの?」

「私、立花くんの意識を操作してちょっと面白がってたの……でも、私が間違ってた。ごめんなさい。」

 だんだん涙の数が増えていきながら謝る彼女を見て、不思議と抱きしめたくなった。彼女が欲しくなった。

 俺は寝ている原田さんを起こしてしっかりと抱きしめる。

「原田さんが何を思っていたのか俺には分からない。詳しく教えてほしいとも思わない。俺も真正面が見えなくなってたし。」

 自然と俺も涙を流していた。ボロボロと大粒の涙が頬を伝っていた。

「立花くん、お願い。私を犯して。背伸びした私を抱き殺して、素直な私に作り変えて!!」

 原田さんの願いに返事も返さないうちに俺は再び腰を振り始めた。今度はさっきとは違う。ちゃんと前を向けている。とろけていく原田さんを見れている。原田さんの悦ぶ声を聞けている。そして原田さんのマンコを感じることが出来ている。

 その後お昼過ぎに授業は終わったが、それまでずっと離れることなく俺と原田さんはセックスをし続けた。周りが相手を変えながらしている中ずっと二人で及んでいたので、このことがまた後で別の噂を呼んで来ることになるのは、まだ少し先のお話……
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