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第7章:愚者の目覚めは月の始まり編
第319話:荷物
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「やッ、やめッ―――ッぶぁ」
「貴様ァァッ、悪魔めッ!!こんな―――ッツ」
小隊程の人数の団体を見付けて空から強襲すると、突然現れた俺に即座に反応した二人が襲い掛かって来たが、俺は其れに対応しつつ同時に能力を使い対応する。
動きを封じつつ記憶を読み屠る。そんな事を一動作で行うが、心と身体がまるで完全にシンクロした様な感覚に陥る。
「シッ!」
ただ、強襲した筈が何故か初手を取られた為今度は俺が先手を取る。
二人を粗同時に屠った俺は残りの敵が動き出す前に近くに居た奴に一瞬で肉薄して首から上を強引に殴り吹き飛ばす。
「内側に入られたぞ!」
「あの悪魔だッ」
三人目を屠ったと同時にくらいに敵の声が響く。全員が自分達の陣形の内側へ顔と身体を向けたのが分かる。
既に抜刀していたり、動き出す者が居てその反応の速さに舌を巻くが、俺は既に敵陣形から影移動を使い抜け出して外からの攻めに変えて敵の動きを嘲笑いながら一人を殺す。
ここまで最初と同じで能力を使い記憶を覗いたり動きを封じたり阻害したりしながら同時に殺す。
「外からだとッ!?」
俺の動きに気付いた一人が声を荒らげるが、俺はその時には既にその場には居ない。
「どこ行った!?」
「クソ野郎がッ、散れッ、いいなッ!?このプランも頭に入ってる筈だ!作戦通りやれば問題―――ッぷ!?」
周囲に指示の様なものを出していた小隊長なのかは分からないが一人の男は言葉を終える事無く頭部が弾け飛ぶ。
外側からの攻撃に切り替えた後、直ぐに俺は上空へと飛び上がっていた。
そこから踵落としをその男に喰らわせたのだか、俺の踵を不意に喰らった瞬間、まるで内部から破裂した様にパンッと音を立てて弾けた様を見て俺自身も驚いてしまった。
っと、そんな場合じゃない
呆けそうになるのを必死に抑えて俺は全方位に一瞬で確認する。
この確認は視覚によるものだけでは無い。ヴァンパイア特有なのかアリシエーゼ特有なのかは知らないが、そのアリシエーゼに変えられてから身に付いた臭いを嗅ぎ分けるその力を行使する為の所謂儀式的な事も含まれる。
まぁ全員覚えたからいいか
そう、この場に居た全ての者の臭いと言う特徴を俺は瞬時に記憶したのだ。
だが、あまり対象との距離が離れてしまうとこの能力も効力が発揮出来ない為、狩りは手早くすませようと直ぐに行動を再開する。
「やはり話は本当だったのかッ、あの悪魔め!」
「―――その話ってのは何だ?」
「ッ!?」
バラバラに散って行った中で一番距離的に近かった者へ影移動し、横並びになりながら男の独り言に相槌を打つと、男は目を見開いて驚いたが顔を此方に向けつつ急制動から腰に挿していた短剣を左手で抜き放ちフックを放つ様に俺目掛けて振るう。
「残念」
俺はニヤつきながら男の一撃を影移動を使う事で回避して言う。
既に死角へと移動を済ませていたが、この一言が男はに自身の攻撃の空振りから更にもう一撃背後へと蹴りを放つ時間と言う猶予を与えてしまった。
なーんてな
影移動後に俺は更にもう一度影移動を発動していて男の頭上へと移動していた。
俺の視界は百八十度回転しており、見えるもの全てが逆さだ。
つまりは俺と男は頭同士を近付けている形で一直線に並んでいる。
「――ぁ」
移動後に俺は男の頭部を両手で掴んでそのまま腕の力と身体に回転を加える事で男の首から上を一気に捩じ切る。
男は何か言葉を発し様としていたが特に聞く気も無いので俺は一思いにトドメを刺す。
「思ったより荷物持ちの動きが早いな・・・」
敵の小隊が散開した時、馬車から麻袋に入った何かを担いで持ち出す三人を目撃していた。
その担ぎ出した荷物は人一人分くらいの大きさであったし、そうならば自ずとその荷物が何なのかは想像が付く。
ガバリス大司教か、それともラルファか
この戦いとも言えない一方的な虐殺―――基、狩りの間能力を使った情報収集も同時に行っている。
今更ながら気付いてしまったのだ。一々、敵にトドメを刺さずにおいて戦闘後に能力を使って情報収集をするよりも、戦いながら情報収集をしてしまえば目的の情報さえ抜ければそいつは用無しになる訳だからそのまま殺せば時短になるじゃないかと。
なのでそんな事をしつつ用済み糞虫共を屠っていたのだが、情報では既に荷物は分残されており隊も三つに別れている様なのだ。
つまり敵は小隊では無く中隊規模で行動していた事になり、俺はその内の一つと交戦中と言う事だ。
ただ、この小隊が連れていたのがガバリス大司教なのかラルファなのかは分からなかった。
小隊長と言うかそう言った存在のみが知り得る情報らしく他の有像無像は殆ど情報を渡されていないのだ。
敵に捕縛された際、隠密行動を生業としている暗部は情報の漏洩をもっとも重大なリスクとして捉えている。
なので、情報を知る者か少なければ少ない程そう言ったリスクは低減される。
徹底したリスク管理が教会暗部、しいてはこの世界の暗部の鉄則なのかも知れないが、俺に掛かればそんなものは無いものと同じだ。
「先ずは荷物の確保を先にするか」
鼻を一つ鳴らして敵の位置情報を確認する。
全力で逃げているのが分かるその散開速度に若干驚きつつすぐ様臭いの元を辿って狩りを再開させた。
時折影移動を交えつつ移動し、一分程で荷物を運んでいる三人組を捕捉する。
俺がそいつらを補足すると同時にその三人組も俺に気付いた様で走りながら後ろを振り返り俺の姿を確認する素振りを見せる。
何で分かった・・・?
少し距離もあるし今丁度影移動で移動してきたばかりだし、何より同時に俺の影移動の終わりに地面に着地した瞬間振り返った事に違和感を覚える。
何らかの設置型トラップでも踏んだか?
魔法的なトラップに引っ掛かると、それを知らせる合図の様な物が術者に返ってくる様なものかも知れないと思いつつ、不確かな推測を行動決定のプロセスに組み込むべきでは無いと自らを否定し俺は構わずに距離を詰める。
「ッ!?」
着地した脚に力を込めて、地面を力強く蹴った俺は次の瞬間には身体をクルリと回してから地面に片手を付いてその腕を起点に進行方向を無理矢理変更する。
突発的に起こした自らの行動で体勢を崩したが、受け身を取って無様に転ぶ姿を晒さないで済ませた。
俺が身を翻したと同時に今俺が居た場所で地面が大きく爆ぜる。
多少の土埃が舞い上がると共に咆哮が周囲に響き渡る。
同時に三つの影がその土埃の中から飛び出て来る。
「おっとッ!?」
その三つの影は真っ直ぐに俺の方へと迫って来た為に大きくバックステップで距離を取ろうとしたが、思いの外相手の移動速度が早く、直ぐな距離を詰められる。
影の一つが真一文字に何かを振るう。俺は其れを装備している篭手に意識的に集中して障壁を張る。
バキンッと言う音と共に、真一文字に繰り出された其れと俺の腕柄跳ね上がる。
「チッ―――」
残りの二つの影も一瞬の内に俺の左右に移動しておりその二つの影から今度は縦一文字に剣の様な物が振るわれる。
ここで回避をしても直ぐに別の攻撃を仕掛けれ同じ事の繰り返しになりそうだったのでこの時点で足を止めて迎撃する事を選択した。
左右から同時に振るわれた攻撃を俺も左右の腕を使って受け止め、そして弾く。
言葉にすると受け止めると弾くと言うたった二つの単語となってしまうが、当然ながらコレはそんな単純な事では無い。
同時攻撃を同時に迎撃して俺は直ぐに反撃に転じ様とするが、今度は敵の方が距離を取った。
既に土埃は散っている為、敵の姿もハッキリと見えた。
「グレートデーモンかよ・・・」
三つの影は漆黒のヨロイに身を包んだ、ホルスの魔界で見たグレートでーもんにそっくりだった。
おいおい、悪魔は地上では生きられないんじゃねぇのかよ!?
「貴様ァァッ、悪魔めッ!!こんな―――ッツ」
小隊程の人数の団体を見付けて空から強襲すると、突然現れた俺に即座に反応した二人が襲い掛かって来たが、俺は其れに対応しつつ同時に能力を使い対応する。
動きを封じつつ記憶を読み屠る。そんな事を一動作で行うが、心と身体がまるで完全にシンクロした様な感覚に陥る。
「シッ!」
ただ、強襲した筈が何故か初手を取られた為今度は俺が先手を取る。
二人を粗同時に屠った俺は残りの敵が動き出す前に近くに居た奴に一瞬で肉薄して首から上を強引に殴り吹き飛ばす。
「内側に入られたぞ!」
「あの悪魔だッ」
三人目を屠ったと同時にくらいに敵の声が響く。全員が自分達の陣形の内側へ顔と身体を向けたのが分かる。
既に抜刀していたり、動き出す者が居てその反応の速さに舌を巻くが、俺は既に敵陣形から影移動を使い抜け出して外からの攻めに変えて敵の動きを嘲笑いながら一人を殺す。
ここまで最初と同じで能力を使い記憶を覗いたり動きを封じたり阻害したりしながら同時に殺す。
「外からだとッ!?」
俺の動きに気付いた一人が声を荒らげるが、俺はその時には既にその場には居ない。
「どこ行った!?」
「クソ野郎がッ、散れッ、いいなッ!?このプランも頭に入ってる筈だ!作戦通りやれば問題―――ッぷ!?」
周囲に指示の様なものを出していた小隊長なのかは分からないが一人の男は言葉を終える事無く頭部が弾け飛ぶ。
外側からの攻撃に切り替えた後、直ぐに俺は上空へと飛び上がっていた。
そこから踵落としをその男に喰らわせたのだか、俺の踵を不意に喰らった瞬間、まるで内部から破裂した様にパンッと音を立てて弾けた様を見て俺自身も驚いてしまった。
っと、そんな場合じゃない
呆けそうになるのを必死に抑えて俺は全方位に一瞬で確認する。
この確認は視覚によるものだけでは無い。ヴァンパイア特有なのかアリシエーゼ特有なのかは知らないが、そのアリシエーゼに変えられてから身に付いた臭いを嗅ぎ分けるその力を行使する為の所謂儀式的な事も含まれる。
まぁ全員覚えたからいいか
そう、この場に居た全ての者の臭いと言う特徴を俺は瞬時に記憶したのだ。
だが、あまり対象との距離が離れてしまうとこの能力も効力が発揮出来ない為、狩りは手早くすませようと直ぐに行動を再開する。
「やはり話は本当だったのかッ、あの悪魔め!」
「―――その話ってのは何だ?」
「ッ!?」
バラバラに散って行った中で一番距離的に近かった者へ影移動し、横並びになりながら男の独り言に相槌を打つと、男は目を見開いて驚いたが顔を此方に向けつつ急制動から腰に挿していた短剣を左手で抜き放ちフックを放つ様に俺目掛けて振るう。
「残念」
俺はニヤつきながら男の一撃を影移動を使う事で回避して言う。
既に死角へと移動を済ませていたが、この一言が男はに自身の攻撃の空振りから更にもう一撃背後へと蹴りを放つ時間と言う猶予を与えてしまった。
なーんてな
影移動後に俺は更にもう一度影移動を発動していて男の頭上へと移動していた。
俺の視界は百八十度回転しており、見えるもの全てが逆さだ。
つまりは俺と男は頭同士を近付けている形で一直線に並んでいる。
「――ぁ」
移動後に俺は男の頭部を両手で掴んでそのまま腕の力と身体に回転を加える事で男の首から上を一気に捩じ切る。
男は何か言葉を発し様としていたが特に聞く気も無いので俺は一思いにトドメを刺す。
「思ったより荷物持ちの動きが早いな・・・」
敵の小隊が散開した時、馬車から麻袋に入った何かを担いで持ち出す三人を目撃していた。
その担ぎ出した荷物は人一人分くらいの大きさであったし、そうならば自ずとその荷物が何なのかは想像が付く。
ガバリス大司教か、それともラルファか
この戦いとも言えない一方的な虐殺―――基、狩りの間能力を使った情報収集も同時に行っている。
今更ながら気付いてしまったのだ。一々、敵にトドメを刺さずにおいて戦闘後に能力を使って情報収集をするよりも、戦いながら情報収集をしてしまえば目的の情報さえ抜ければそいつは用無しになる訳だからそのまま殺せば時短になるじゃないかと。
なのでそんな事をしつつ用済み糞虫共を屠っていたのだが、情報では既に荷物は分残されており隊も三つに別れている様なのだ。
つまり敵は小隊では無く中隊規模で行動していた事になり、俺はその内の一つと交戦中と言う事だ。
ただ、この小隊が連れていたのがガバリス大司教なのかラルファなのかは分からなかった。
小隊長と言うかそう言った存在のみが知り得る情報らしく他の有像無像は殆ど情報を渡されていないのだ。
敵に捕縛された際、隠密行動を生業としている暗部は情報の漏洩をもっとも重大なリスクとして捉えている。
なので、情報を知る者か少なければ少ない程そう言ったリスクは低減される。
徹底したリスク管理が教会暗部、しいてはこの世界の暗部の鉄則なのかも知れないが、俺に掛かればそんなものは無いものと同じだ。
「先ずは荷物の確保を先にするか」
鼻を一つ鳴らして敵の位置情報を確認する。
全力で逃げているのが分かるその散開速度に若干驚きつつすぐ様臭いの元を辿って狩りを再開させた。
時折影移動を交えつつ移動し、一分程で荷物を運んでいる三人組を捕捉する。
俺がそいつらを補足すると同時にその三人組も俺に気付いた様で走りながら後ろを振り返り俺の姿を確認する素振りを見せる。
何で分かった・・・?
少し距離もあるし今丁度影移動で移動してきたばかりだし、何より同時に俺の影移動の終わりに地面に着地した瞬間振り返った事に違和感を覚える。
何らかの設置型トラップでも踏んだか?
魔法的なトラップに引っ掛かると、それを知らせる合図の様な物が術者に返ってくる様なものかも知れないと思いつつ、不確かな推測を行動決定のプロセスに組み込むべきでは無いと自らを否定し俺は構わずに距離を詰める。
「ッ!?」
着地した脚に力を込めて、地面を力強く蹴った俺は次の瞬間には身体をクルリと回してから地面に片手を付いてその腕を起点に進行方向を無理矢理変更する。
突発的に起こした自らの行動で体勢を崩したが、受け身を取って無様に転ぶ姿を晒さないで済ませた。
俺が身を翻したと同時に今俺が居た場所で地面が大きく爆ぜる。
多少の土埃が舞い上がると共に咆哮が周囲に響き渡る。
同時に三つの影がその土埃の中から飛び出て来る。
「おっとッ!?」
その三つの影は真っ直ぐに俺の方へと迫って来た為に大きくバックステップで距離を取ろうとしたが、思いの外相手の移動速度が早く、直ぐな距離を詰められる。
影の一つが真一文字に何かを振るう。俺は其れを装備している篭手に意識的に集中して障壁を張る。
バキンッと言う音と共に、真一文字に繰り出された其れと俺の腕柄跳ね上がる。
「チッ―――」
残りの二つの影も一瞬の内に俺の左右に移動しておりその二つの影から今度は縦一文字に剣の様な物が振るわれる。
ここで回避をしても直ぐに別の攻撃を仕掛けれ同じ事の繰り返しになりそうだったのでこの時点で足を止めて迎撃する事を選択した。
左右から同時に振るわれた攻撃を俺も左右の腕を使って受け止め、そして弾く。
言葉にすると受け止めると弾くと言うたった二つの単語となってしまうが、当然ながらコレはそんな単純な事では無い。
同時攻撃を同時に迎撃して俺は直ぐに反撃に転じ様とするが、今度は敵の方が距離を取った。
既に土埃は散っている為、敵の姿もハッキリと見えた。
「グレートデーモンかよ・・・」
三つの影は漆黒のヨロイに身を包んだ、ホルスの魔界で見たグレートでーもんにそっくりだった。
おいおい、悪魔は地上では生きられないんじゃねぇのかよ!?
応援ありがとうございます!
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