お掃除屋は勇者である

おうる

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俺達お掃除屋ですよ?

城のお掃除

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きたきた。クリーウェ城
何回も掃除させられてるから、ほとんど把握してる

まずは挨拶っと
「王様、来ました」

「おお、よく来たな、さっそくじゃが…」

「全ての部屋を掃除ですね」

「おおそうじゃそうじゃ!よくわかっとるの」

「(そりゃあもう何回もしてますから)」

「では頼んだぞ」
王様は髭を触りながら言う

その時、
「王様、今日は各国へ向けてサインを書き続けなければなりません」
大臣は言う

「うぉうっ!大変な仕事を忘れておった!」

あーあ、大事な仕事忘れるなんて
大丈夫かよ王様…

「さっそく取りかかることにしよう、作業に集中するために、すぐにここを掃除してくれ」

「王様、任せてください」

よーし、じゃあお掃除精霊召喚だ

「クリーナークリーナー…」
俺が呪文を唱えると
光がポワッと床から現れた

「んじゃあ、ここの部屋のチリは全部頼んだぜ」

「イエッサイエッサ」
精霊達はそう言って動き出した

「うぉお!なんじゃこれは!!」
王様は驚く

そうか、まだ王様に直接この能力を見せたことはなかったな

「これは俺の能力、お掃除精霊召喚です。ゴミを全て消してくれます」

「すごい!すごいぞ!!」

「ありがとうございます」

ちょっと黙っといてくれ王様…

──そして1分後

「はい、終わりました」

「おお!はやい!この力を使って森の蜂どもを駆除できるかのう」

「え?蜂の駆除…?」

「そうじゃ、最近交易しにくる行商人が蜂に困っているようでの」

「兵士は蜂の駆除をしないのですか?」

「うむ、兵士達は蜂の駆除をする能力は持ってないみたいでな」

なんだそのマイナーな能力は!
実在するのかよ
いや、俺が言えたことでもないが…

「アイザの能力なら可能でしょう」
ゴンジが言う

お、おいこいつ、何言ってくれて…

「おおそうか!ではお願いしようかな」

「え、ああ、でも俺…掃除専門なんで…」

俺が断ろうとしたとき
ゴンジはとんでもないことを口にした
「わかりました、いいですよ」

おい!おいおいゴンジ!筋肉野郎!

「頼んだぞ!掃除が終わったらまた来てくれ」

王様に反抗すれば支給金も無くなるので
そのまま蜂の駆除の依頼を
引き受けることになってしまった



「ゴンジ…。正義感は大事だ、だかな…」

「頑張ろうじゃないか!蜂の駆除!」

「……………………」

ゴンジの純粋な心には、俺は勝てねぇ
仕方のないことだ



こうして俺達は
蜂の駆除のために森へ向かった
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