探偵はじめました。

砂糖有機

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ヘビを使った殺人は可能か?

容疑者

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取り調べが一通り終わると、酒井は背伸びをして体の疲れを取る。あれ?そういえば・・・
「そういえば、一緒にいた若い刑事さんは?」
「若い刑事?あぁ、駒木のことか。あいつなら取り調べしてるよ」
「そーですか」
すると、酒井は手を差し出す。
「ん?何だ?この意味深な手は」
「なにって?決まってるじゃないですか~、容疑者リスト的なやつですよ。約束じゃないですか警部さん」
「そんなん渡せるわけないだろ」
さも当然、といったように、言い放った岡橋警部に酒井は非難の声をあげた。
「なッ!約束でしょう?守って下さいよ、教えてくれるんでしょう!守ってくんなきゃ男じゃねぇよ!」
「一般人に渡せるわけないだろ!それに、守らないわけじゃないぞ」
「へ?」
「待機室に、容疑者たちを一時的に集めている。もともとお前にはそこで待機させるつもりだったからな。そこで好き勝手に情報収集してくれてかまわん」
あぁ、ならいいか。実際に話を聞けるし・・・あれ?
「それって、さっき警部さんに頼まなくても出来たってことじゃ・・・」
「ふははははッ!では、存分に情報収集したまえ!」
高らかに笑うと、去っていく岡橋警部。してやったり、そんな顔をしている。
「チクショー!早く言えよな、その事をーッ!」

待機室の中に入ると、どうやら3人いるようだった。
一人は、かなり痩せている男で・・・あれ、見たことある。もう一人はあの女性従業員か。後は、高原さんだった。
「やぁ、今晩は」
「あれ、酒井さんじゃないですか!あなたも容疑者だったんですか」
「そうっぽいですね」
この会話を聞いていた女性従業員は意外そうにそうに酒井と高原を見た。
「あれ、お二人はお知り合いだったんですか?」
「はいそうです。実は、彼は僕の依頼人なんです」
彼、と言いながら酒井は高原のことを指した。
それを聞いて、女性従業員は不思議そうな顔をした。
「依頼人?というのは・・・」
「僕は探偵をしていてね、彼の依頼を引き受けたんです」
「ええ~!そうなんですか!私、本物の探偵見たの初めてです!」
聞き込みの時に出会ったあのおばちゃんのような反応があって、酒井の機嫌が良くなる。
「で?で?この事件を解決しに来たんですか?」
「まぁ、そんなところですね。色々と、情報収集したいので皆さんで、自己紹介といきませんか?」
そう言ってガリガリに痩せている男にも声をかけた。頷いたため、了承したのだろう。
「では、まず僕から。僕は酒井浩一といいます。探偵をしています。以後よろしく」
「次に、僕が。僕は高原厚志といいます。まだ手に職をつけていないフリーターです」
「じゃあ次、私!私は梅川小春です!ここでアルバイトをしています!」
「最後は俺か、俺は原井健吾だ。とある会社のサラリーマンといったところか」
原井が話終わり、一通り自己紹介が終わったと思われたのだが・・・
「いや、まだ最後じゃない」
「え?」
酒井の否定した言葉に梅川は首をかしげる。
「だって、もう皆さん終わったじゃないですか?」
「警部さんは、容疑者は5人いると言っていた。この場には僕を含め4人しかいない、あと一人くるはずだ」
その時、待機室のドアが開いて、かなり太った男が入ってきた。
訳を話し、彼とも自己紹介をし合う事となった。
「俺は友田丸尾だ!コンピュータ関連の仕事をしてるぞ」
「・・・さて、これで5人揃いましたね。ではこれから質問・・・といっても先ほどの取り調べで答えたことを教えていただけたら良いです」

聞いてみた結果、容疑者であった理由は権藤の死亡推定時刻にあの綾根湖畔ホテルにいて、かつアリバイがなかったからであった。
その時間に、原井はトイレにいた。丸尾は自分の泊まっている部屋で一人で見ていた。高原も同じようなもので、部屋で一人くつろいでいた。そして、梅川は一人で掃除していたらしい。
そして、梅川は何やら変な目で権藤から見られていて、権藤に怒りを覚え、原井は前に酒を一人で飲んでいるときに権藤に絡まれて、権藤を嫌っていた。
高原は、大事なペットを権藤が無理矢理横取りしようとしてくるから、丸尾は自分を笑い者にした権藤が許せないと言っていた。しかし、皆容疑を否認していた。
ちなみに、酒井は権藤からも依頼を受けていたことを話すと皆驚いた顔をしていた。

「役立てたでしょうか?探偵さん」
「ええ梅川さん、参考になりました。皆さんありがとう」
そして、静かになり、沈黙が続いて約1時間くらいした後、自分の泊まっている部屋で就寝することになった。
「推理、できましたか?」
ふと、高原が酒井に聞いてきた。
「うーん、まだ難しいですね。ただ、明日何か進展があるかもしれない。なにしろ、僕の弟子が帰ってくるんでね。彼は意外なところで有能ですよ」
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