風紀委員長は××が苦手

乙藤 詩

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混沌を極める2学期

七十一話

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姫川が保健室を出た頃には、文化祭も終盤に差し掛かっていた。
今日は本当に色々あったな。
と、姫川は朝からの出来事を頭に思い浮かべる。するとなんだか生徒達と一緒に搬入の準備や会場整備をしていたのが遠い昔のように感じられた。
教師から解放された姫川は、疲れがどっと体にのしかかってくるのを感じた。
今にも目を閉じて休んでしまいたいと体が訴えている。
しかし、姫川はどうしても瀬戸田の事が気にかかった。
涙を流して、憔悴しきったような顔をしていた瀬戸田が心配で堪らなかったのだ。
そろそろ付き添いの先生と役員棟に向かっている頃だろうか?
直接瀬戸田の所へ向かおうかとも思ったが、行き違いになってもいけない。
それに、瀬戸田が使用する部屋は長い間誰も使っていなかったから、もし瀬戸田が役員棟に着いていなくても、部屋を整理しながら待つのもいいかもしれない。
そう考えた姫川が一度自室に戻るかと歩き出した時、スマホが短い音を立てた。
すぐに取り出して見ると、メッセージが一件届いていた。
送り主の名前は瀬戸田になっていて、何か問題でもあったのかと姫川は慌ててメッセージを開いた。
メッセージには
“先輩、今日は助けて頂いてありがとうございました。先輩が怪我をしているのを知っていて、こんな事凄く頼み辛いのですが•••僕に付き添ってくれていた先生が急な呼び出しで出て行ってしまって、1人では凄く不安で怖くて堪らないんです。
もし出来たら、僕の部屋に来て一緒に役員棟に行ってくれませんか?”
と書かれていた。
それを読んで、また倉庫での瀬戸田の姿が姫川の頭に思い浮かんだ。恐怖に歪み、泣き腫らした顔。引きちぎられたシャツに砂まみれの体。そんな憔悴しきった状態にも関わらず、必死に自分に謝る姿に姫川の心がズキンと痛んだ。
あんな状態の瀬戸田を1人残して去っていった教師には憤りを感じるが、それよりも瀬戸田が心配な気持ちの方が上回った。
そして、
“わかった。俺も今手当が済んだ所だから、このまま直ぐにそこへ向かう。もう少し待っていてくれ。”
と姫川は返事を返した。
体調は万全とは言えないし、腹も足もズキズキと痛んだが、それでも姫川は足を引き摺りながら、一般寮へと足を向けた。
そこで、今か今かと待ち構えている柏木の姿など、この時の姫川は想像さえしていなかった。
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