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混沌を極める2学期
百二十六話
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「でもそんな毎日ももう終わりか・・・葵の姿を見る限り、すっかり角が取れてしまったもんね。」
立野が少し寂しそうにそう呟いた。
「いやまだだ。まだ終わってない。」
歳明治の言葉に今度は立野が目を丸くした。
「まさかまた生徒会や風紀委員の人間に手を出すつもりか?それは流石にー」
「いやそうじゃない。」
立野の言葉を遮って、歳明治が力強く言った。
「今俺は、1人だ。」
「うん。そうだね。」
何を言い出すのかと立野が困惑したようにそう言い返す。
「これを逆転するぞ。」
「はっ?」
「よく考えれば、俺はあの巨大な会社の後継者だ。頭もいい。顔もいい。人望だってある。」
「何を急に・・・」
「だからその自分の力を存分に発揮して、この状況を打破する。」
「さっきまで一人ぼっちで俯いてた人が何を言ってんの?」
呆れたようにそう言う立野に笑顔で歳明治が言った。
「翔がきてくれたから!翔が居たら出来そうな気がするんだ。だからもう一度俺と一緒に始めてみないか?」
今までとは違う純粋な笑顔で笑う歳明治に立野は頭を抱えた。
「何を言い出すのかと思えば•••本当に突拍子もないな。」
今思えば、この男のこういった面に興味を持ったのかもしれない。
立野はそう思った。
勉強勉強で退屈な日々。でも1番嫌だったのは自分がその退屈な日常に飲み込まれている事だった。
あの事件を起こして、自分の前から人が消えた。皆が自分を警戒し怖がっているのが分かった。
でも立野には何故かそれも心地よく感じた。
今までとは違う非日常が。
この男といればいつだってそんな気持ちを味わえるかもしれない。
どん底からの逆転。
立野はゴクっと唾を飲み込む。
「帰ってきても、その人たらしさは変わらないんだね。」
「もちろん。これが俺最大の武器だ。」
「いいよ。最近遠巻きにされるのにも飽きてきたところだったんだ。また君に協力するよ。その代わり、僕を退屈させないくらい楽しませてよ。」
「任せとけ。退屈なんて忘れるくらいこき使ってやるからな。」
歳明治と立野はそう言って笑い合った。
そんな2人を恐ろしいものを見るような目で周りの生徒たちが見ていた。
そんな視線も気にはならない。
利害関係ではない、確かな友情が2人の間芽生えた瞬間だった。
立野が少し寂しそうにそう呟いた。
「いやまだだ。まだ終わってない。」
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「まさかまた生徒会や風紀委員の人間に手を出すつもりか?それは流石にー」
「いやそうじゃない。」
立野の言葉を遮って、歳明治が力強く言った。
「今俺は、1人だ。」
「うん。そうだね。」
何を言い出すのかと立野が困惑したようにそう言い返す。
「これを逆転するぞ。」
「はっ?」
「よく考えれば、俺はあの巨大な会社の後継者だ。頭もいい。顔もいい。人望だってある。」
「何を急に・・・」
「だからその自分の力を存分に発揮して、この状況を打破する。」
「さっきまで一人ぼっちで俯いてた人が何を言ってんの?」
呆れたようにそう言う立野に笑顔で歳明治が言った。
「翔がきてくれたから!翔が居たら出来そうな気がするんだ。だからもう一度俺と一緒に始めてみないか?」
今までとは違う純粋な笑顔で笑う歳明治に立野は頭を抱えた。
「何を言い出すのかと思えば•••本当に突拍子もないな。」
今思えば、この男のこういった面に興味を持ったのかもしれない。
立野はそう思った。
勉強勉強で退屈な日々。でも1番嫌だったのは自分がその退屈な日常に飲み込まれている事だった。
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「もちろん。これが俺最大の武器だ。」
「いいよ。最近遠巻きにされるのにも飽きてきたところだったんだ。また君に協力するよ。その代わり、僕を退屈させないくらい楽しませてよ。」
「任せとけ。退屈なんて忘れるくらいこき使ってやるからな。」
歳明治と立野はそう言って笑い合った。
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