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第七話
しおりを挟む天音は朝の訓練を終えて、寮に帰ってきた。
「えーっと、鍵は、」
天音はポーチを漁って鍵を探していた。
「お、あったあった、」
鍵を見つけた天音は鍵穴に鍵をさして回そうとしたが、
「あれ?鍵、閉めてかなかったっけ?」
鍵が開いていたのだ、
「おかしいな?僕しっかりと閉めたはずなんだけどな?」
鍵が開いていたことにまあいいか、という感じで終わらせて部屋の中に入っていった。
「ただいま………………へ?」
僕の目の前に美少女がいた、
おっといけないいけない、付け足し忘れていた、
僕の目の前に着替え中であろう裸体の美少女がいた。
輝くような白銀の髪、透き通る銀の瞳、しなやかな肢体、そこそこ膨らんでいる胸元、艶やかな尻部、天音はその裸体に美を感じた。
「き、綺麗だ。」
そう言い、自分ではっと気づいた。
(あ、あれ?今のってもしかしなくてもセクハラ発言では?というかなんで僕の部屋にこんな美少女が要るんだよ!?あれ?あれー!?僕部屋間違えたっけ?いやでもこの部屋の調度品は僕の物だしいやだけど僕と趣味が似通っているという可能性もなきにしもあらずのようなそうでないようなというかこの状況をどうすれば)
ここまで僅か0.1秒、大した思考加速である、人間は極限状況になると周りが遅く感じるということを身をもって体感しているだろう。
「ご、ごめんなさい!ぼ、ぼ、僕は、僕は!き、君の、裸を、み、見るつもりは、な、無かったんだ!」
そして、全力で弁明した。
少女は頰を赤らめていた、そして少女は呟いた。
「あの、流石に恥ずかしいので、後ろ、向いていて貰えませんか?」
「は、はい!す、すいません!」
天音はそう言われて直ぐに後ろを向いた。
天音の心臓は周りに聞こえるのではないかと思うほどにドキドキしていた。
「もう、いいですよ。」
少女の声が聞こえたので、
「はい!失礼します!」
と言いながら、振り向いた。
少女は先程までの裸体ではなく、ピシッと制服を着こなしていた。
少女の頰はまだ赤かった。
「こほん、では騎士さん、ここに座ってください。」
そう言いながら、少女は少女の目の前のテーブルを挟んだ席に促した。
天音に従わないという選択肢はなかった。
天音は玄関で運動靴を脱いで、少女の前の席に座った、正座で。
これには少女もぽかんとしていた。
「あの、」
「はい?」
「なんで、正座、しているんですか?」
「はい、日本の文化では怒られる時には正座と決まっているんです!」
「は、はあ、そうですか。」
沈黙が訪れた。
「あ、あの!」
「?はい?」
天音は勢いよくジャンプして、土下座の体制をとった。
「この度は、誠に申し訳ありませんでした!」
「わ、一体何なんですか?そのポーズは?」
「土下座、です。」
「どげーざ?」
「はい、日本の最上級の謝り方です。」
「そ、そうなんですか。」
どうやら少女は困惑しているようだった。
「あ、あの、頭を上げて下さい。」
まだ、頭を上げない天音。
「あの、いいから頭を上げて下さい!」
少女に強く言われてやっと頭を上げた。
「もう、やっと頭を上げてくれました。」
少女は少し頰を膨らませていた。
「はあ、では先に自己紹介をしましょうか、私の名前はシャルル・レヴォーグ、レヴォーグ王国の第四王女です。」
天音の時が止まった。
「…………………へ?」
(いやいやいや、待てよ落ち着け神堂天音あの少女は何といった?レヴォーグ王国?それって最近交易を始めた小国の名前じゃなかったか?その国の第四王女だと?それってつまり王族だよな?つまり僕は王族の女性の裸体を見てしまったと?それってさかなりやばくないか?)
「あのー?大丈夫ですかー?」
天音の思考がショートしかけていて気づいていなかったのか王女が目の前まで迫ってきていた。
「うわっ!す、すいませんシャルル王女様!」
「あっ、大丈夫そうですね、では次は貴方のお名前をお聞かせください。」
「あ、はい、えーっとですね、僕の名前は神堂天音です、伽藍学園の高等部一年です。」
「しんどう・あまね、あまね・しんどう?」
シャルル王女様は僕の名前を聞いて少し逡巡すると思い至ったかのようにポンと手を叩いた。
「うーん、しんどう?、ああ!神堂!聞き覚えがあると思ったら今年の首席のお方でしたのね、神堂、神堂なんでしたっけ?」
「え?」
首席?神堂の姓の人が?
天音に首席を取れるような神堂の姓を持つ人は一人しか思いつかなかった
「差しでがましいようで申し訳ないんですが、もしかして神堂奏音という名前ではないでしょうか?」
「そう!神堂奏音!あの子の腕前は素晴らしかったわ!何もかもが美しかったの!」
シャルル王女様は興奮して喋っていた。
よっぽど奏音のことが気に入ったようだ。
「そ、それは良かったです、妹もシャルル王女様にそう思って貰えて嬉しいと思います。」
「あら?そうかしら、それよりもやっぱり兄妹だったのね?」
「はい、歳は同じですが妹です、実は妹は異母兄妹なんですよ。」
実はこの世界中でしっかりと養えるなら一夫多妻、一妻多夫や近親婚が認められているのだ。
僕は兄さんと同じ母親だが妹の奏音はもう一人の母親から生まれたのだ。
近親婚が認められる理由としては条件があり同じ父親と母親を持つ場合は禁止となっている。
「あら?そうなのね、そういえば少し試験の日に奏音と話した時に兄さんがいるからここに来たと言っていたわね。」
「そうなんですよ、僕と奏音は同じ中学校に通えなかったので奏音が高校は絶対に一緒通うって言っていたんです。」
天音ははにかみながらそう言った。
その様子を見てた王女は微笑んでいた。
「あら、随分と妹にご執心なんですね?」
天音はそう言われてたじたじながら答えた。
「あ、えーっと、はい、奏音は僕の大事な家族で自慢の妹ですから。」
「ふーん、つまり、天音はシスコンってやつなのかしら?」
天音はそのことに否定した。
「え?いや、確かに妹は大事ですが、流石にシスコンまでは、」
天音は弁明し続けていた。
「ふふふ、わかったわ、天音はギリギリシスコンではないってことが。」
「いや、そこはシスコンではないと断言してもらえませんかねぇ?」
「いいじゃないシスコンでも、家族を大事にするのはいいことよ?」
「それはそうなんですが、」
これでは埒があかないと思い、天音は一息入れようとお茶をいれてきた。
「天音、これはりょくちゃ、と言うものかしら?」
王女様が不思議そうに湯呑みを両手で持って尋ねてきた。
「あ、はい、そうですね緑茶とこれは和菓子です。」
そう言いながら、天音は和菓子を乗せたお皿を出した。
「あら、綺麗なお菓子ね。」
「それが和菓子の魅力なんですよ、どうぞお召し上がりください。」
王女様はとても美しく和菓子を召し上がっていた。
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