現代兵器で異世界無双

wyvern

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海編

61.対空戦闘!!

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 空母キティーホークから前方に離れた海上に、第一駆逐戦隊の計4隻(こんごう、きりしま、みょうこう、ちょうかい)が横陣形で航行していた。
 この戦隊の役割は、空母を護衛(防空、対艦防護)することと、キティーホークより左10度、第一駆逐戦隊より左90度方向に位置する第一艦隊の防空任務をおっている。

 しかし、本来の空母機動艦隊であれば空母を中心に輪陣形をとり、周辺にはイージス艦と攻撃型潜水艦が護衛していて、艦隊後方には高速補給艦などが随伴しているはずである。ただ、これは想定する敵が空母に対してミサイルの飽和攻撃をしてくる可能性があるため、このようにして対ミサイル戦に特化している艦隊を組んでいるのである。
 
 とは言え、今はその大規模な艦隊を運用できる人と船が一時的ではあるものの用意が無い(今保有している艦隊だけ見ても十分な気はするが)。そもそも対艦ミサイルが飛んでくることはこの世界ではまずありえないので(飛んできたらお手上げです)、その想定の元、空母の防御を最低限にしたうえで前方の攻撃力を上げ短期決戦に持ち込もうと思ったのでこの編成になっている。


 話は戻り、こんごうCIC内――
 「艦長!キティーホークから入電、第一駆逐戦隊全艦で対空戦闘を開始せよとのこと!」
「ヴィアラ連合艦隊司令より「健闘を祈る」ときています」
 キティーホークのCDCから情報が送られるとともに、連合艦隊司令のヴィアラからの言葉も入ってきた。
 「よし、わかった、その期待にみんなでこたえようじゃないか!麾下艦艇に伝達!合戦準備!」(艦長)
 「第一駆逐戦隊、合戦準備!」(船務長)
 
 「合戦準備!」
「各部合戦準備用意よし」
「各艦も準備完了しました」

 「了解」
 
「SPYレーダー目標探知、右30度に100機、距離120マイル」(レーダー員)

 レーダー上には敵竜騎兵がはっきりと映し出だされていた。

「目標まっすぐ艦隊に近づく」(レーダー員)

「艦長、配置つけます」(副長)
 「了解」

「対空戦闘用意!」(副長)
 副長は艦内放送で命令を発すると同時に座っている席のすぐ脇にある対空警報ボタンを押した。すると甲高い警報音が艦内中に響き渡り、それを聞いた指揮所要員以外の乗組員はあわただしく動き出し、各員が配置につく。

「各部対空戦闘用意よし」

 「駆逐戦隊全体にも攻撃開始命令を送れ」(艦長)
 「了解!」(船務長)
 
「艦橋 第三戦速」(副長)
「艦橋 第三戦速」(航海長)

 「舵そのまま!」(副長)
 「舵、そのまま」(航海長)

「艦長、攻撃します」(副長)
「了解」(艦長)

「対空戦闘」(副長)
「CIC指示の目標 SM2 攻撃始め」(副長)

「トラックナンバー0011から0021(10目標)」

「サルボー(斉射)」(砲雷長)

「バーズアウェイ(発射後正常飛行)」(ミサイル担当)
「インターセプト10秒前……3・2・1」(ミサイル担当)
「マークインターセプト(命中)」

 「トラックナンバー0011から0021全機撃墜!」(レーダー要員)

 「新たな目標、トラックナンバー0100から0090、SM2攻撃始め!」(副長)
 
 レーダー上には、目標に向け飛んで行くミサイルとそれに撃墜された後のマークとして×が次々と表示されていった。
 他の艦も一斉にミサイルで攻撃したため戦闘行動は一瞬にして終わった。
 そして、先の戦闘では混乱を招いてしまった指揮官同士の連携は、今回は非常によく取れていて且つ非常にスムーズに事が進められていった。これは、駆逐戦隊司令兼こんごう艦長のブリット大佐率いる、各艦長たちが皆、以前より艦隊でともにしてきた戦友たちであったからである。
 10分もしないうちにレーダー上にあったはずの目標はすべて撃墜を示す×印に代わっていた。

「全目標撃墜を確認 近づく目標無し」(レーダー要員)

「全機撃墜を確認、攻撃やめ」(副長)
「対空戦闘用具収め」(副長)
「各部用具収めよし」(航海長)

「艦橋、原速に戻せ」(副長)
「原速」(航海長)


「第一駆逐艦隊各艦に通達、各艦足並みをそろえろ」(艦長)
「了解」(航海長)

 「空母キティホークに伝達、作戦終了、駆逐戦隊無傷なり」(艦長)
 「了解」(船務長)
 
 こんごう艦長のブリット大佐は、勝利したことには満足していたが、戦闘があっさりと終わってしまったことと自分が直接敵を見れない距離から一方的に攻撃を仕掛けたことには不満のようなものがあるようで、戦闘が終わってからしばらくの間悶々とした表情を浮かべていた。
 
 「艦長、キティーホークから入電、「よくやった」です」
「そうか……なぁ、みんな、こんなことを言うのは何だが、これでみんなは満足か?俺にはどうしてもこの戦闘が気に食わんのだが、どう思う?」
どうしてもブリット大佐は自分の中でこのことを整理できなかったのか、それがついに口から出てきてしまっていた。
それに対して、副長がすぐさま答えを返していた
「艦長、僭越ながらこの私が意見するのをお許しください」
「ああ、大丈夫だ」
「ありがとうございます。艦長が恐らく思っていることは、敵に対しての一方的な攻撃が気に食わないとのことでしょうか?確かにそのお気持ちは理解できなくありません、もともと我々は木造の帆船に乗り、大砲も前から弾薬を詰めてそれが飛んで狙い通りに当たるのはもはや運でした、そして最後は敵の船に乗り込み武器をもって戦う、そんな戦いをしてきたからこそ思ってしまうのでしょう。それが今や金属製の船体に遠距離を探知できるレーダーなるもの、今までからしたらとんでもない速度と距離で弾を発射する大砲、極めつけがすさまじく早く・遠くまで届くミサイルでしょう、しかもこれを短期間で運用してしまっていること自体普通であればありえない話です、それを陛下が我々にまとめて恵んでくれたのです。これを我々にくださった陛下のお考えからすると、これが“普通”なのであって、これを用いて大きなアドバンテージを持たせることによってはじめて強敵である帝国を討ち倒すことができるというものでしょう」
「確かにそうだな、これがなければ以前の我々だったら一方的に上空から攻撃されて、反撃もしないうちに殺されておしまいだったな……本当に陛下に感謝しかないな、みんな、悪かった、こんなことを言ってたらみんなが不安になってしまうな」
「いいえ、艦長、これは全艦隊の皆が思うことだと思うので、そこまで気を落とすことをしなくてもよいかと思います」
「ありがとう」

後でこのことを報告で受けた俺(ワタ)は大きなショックと焦りを覚えていた。それは、俺が良かれと思って使っていたチートが彼らにとってはこのような不安と疑問の原因につながっていたと思ったからだ、そして、ブリット大佐の思うことは真っ当なことで自然な考えであるし、現場指揮官たちにとって前例のないものを大規模かつ敵の最前線で使うわけであるから相当な神経も使うし考え精神的にもつらくなることも大いに起こりうる。
ただ、そんな彼らは、祖国と散っていった戦友達の為に戦い、これを遂行するには俺の召喚するものが最善と考えたからこれを使っているのであって、もし、超強力な魔法が出てきたらこれをもしかしたら、これを放棄するかもしれないということも最悪考えられる。
つまりは、ただ単に兵たちに対して兵器や戦術を与えるだけではなく、現場の兵たちに対して思いやりをもって接し、時に声を直接聞いていかないと、この軍は今のような不満がたまっていってしまうと後々崩壊につながってしまうかもしれないということだ。
俺は、今はまだ(仮)がついたままのお飾りの国王なので、せっかく、ここまで来て機会があるならば好き勝手したり偉ぶったりしないで、しっかりとこういうところを成長させ、真の国王になりたいと誓った。


閑話休題


艦内を一瞬ではあるがしんみりとした雰囲気だったが、次の瞬間艦内に再び緊張が走った。

「OPY(対水上)レーダーに感あり!敵水上艦と思われる!その数約100、340度方向、距離120、同時にSPYレーダーにも感あり!その数50!310度方向、距離90」

「艦長!」
「いよいよ、おいでなすったか……対空、対艦戦闘用意!」
「対空、対艦戦闘用意!」

再びの敵艦隊との戦闘が始まろうとしていた――――
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