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海編
64.束の間の休息
しおりを挟む第三艦隊との戦闘を終えた連合艦隊は、すぐに反転しキーレ港への帰路についた。
連合艦隊は戦闘時広い海域にバラバラになって陣形を組んでいたが、戦闘の終わった今は全艦が小さく輪陣形を組み航行していた。
そして、空母にある俺専用の部屋には、連合艦隊の首脳陣と陸軍の視察団の面々がそろっていた。参加している人は以下の通り。
・海軍
女性陣:ヴィアラ・ミサ・アリサ・エミリア・ウィスティリア
男性陣:ミハエル・ベイル・ブリット
・陸軍
ベル・セレナ・エレシア・リレイ
集まった理由は、会議でもなくただの食事でもなく、戦勝パーティーの為だ。
ただ、ほかの将兵はまだあと片付けや修理関係が残っているので、一足先に首脳メンバーだけでやろうということになったのだ、それで使うことになったのがキティホーク艦内に用意してくれた俺の部屋だった。
贅沢は言えないがあまり広くない部屋の真ん中に、部屋ギリギリの長さの長い机を置き、そこには所狭しと食事とお酒が並んでいた、その中個人的にはすごくうれしいことに、俺が愛してやまない元居た世界の雪国で売っていた、まるで水のような飲み口の日本酒があった。
一応国王となってる俺はここで乾杯の挨拶をすることになった。
「今日まで本当にお疲れさま、まだこれから対応しなくてはならないことが山のように残っているが、これからもみんなの力とこのLiSMの力を合わせていけば難なく乗り越えていけそうな気がする……と、堅苦しい話は置いといて、今日の勝利に乾杯!!」
「「「乾杯!!」」」
乾杯した後は椅子に座るのではなく立って食べていて、いろんな人と普段の軍務中にはできない趣味や故郷について話していた。こういう風にコミュニケーションをとりあえる場所を設けたのは、いつもは仕事のことだけを話しているので、どうしても相手の個人的なことには考えがいかないことが多いと思う、なのでこういう時にお互いが打ち解けあって、普段考えていること、悩んでいること、夢などを話し合えるような中になってほしいという願いもある。
そんな思いが通じたのか、今は皆、これまでの戦闘を忘れたかのように楽しく、そして明るく笑顔で話していた。
日本酒に対する皆の反応は、最初は恐る恐るという感じで飲んでいたが、俺が最初に勧めた“上善如水”という不思議なくらいするすると飲めてしまうものを飲ませたらものすごく気に入ってくれたようだった。この世界のお酒といえば麦芽を発酵させたものや果実酒などがメインなのだそうだ、そのため最初は微妙な反応だったが、おいしいお米でできた酒とわかればすんなり受け入れてくれた。
しかし、それはほんの束の間で、男組の誰かが、誰が酒に一番強いかという話になり始め、俺が大量に召喚した日本酒の一升瓶をラッパ飲みして次々と開けていき、気づけば20本以上がなくなっていた。
俺もその中に強制的に参加させられたが、酒の強い俺は生き残れたが、男性陣は全員自爆してぶっ倒れ、ミサ・エミリア・ウィスティリア・エレシア達もグロッキー状態になってしまったので、駆けつけた衛生兵たちに担がれていってしまった。
残ったヴィアラ・アリサ・ベル・セレナ・リレイはというと、みんなふらっふらな状態だが意識はしっかりしているようだ。
「ワ~タ~さ~ま~、ヒッく、いつになったらベルの初めてをもらってくれるんですか~?」
「ダメらぞベル!ヴィアラのはじめてがしゃきにもらわれるんらぞ!」
「ダメダメダメ~!ここは次期お嫁さんのアリサがさきです!」
「え~ん、ワタが私のこと構ってくれなーい」
「そんなこと言っている間に、ワタ様の奴隷でもあるこのリレイが捧げてしまおうか?」
酔いも手伝ってか、みんな口々にとんでもない発言を連発していた。
そのときの俺も流石に飲みすぎてボーっとしてしまっていたので会話をまともに聞いていなかった。
「ワ~タ~さ~ま~?聞いてますか?私の初物を今すぐもらってください!ていうかもらえーー!!」
俺が話を聞いてなかったのに我慢ならなかったのか、ベルは着ていたものをすべて脱ぎ去り、ベッドに腰かけていた俺に突進してきた。
「おい!ちょ、おまいら、まて!おちt……」
「い・や・で・す!もうこうなったら実力行使です!ヒッく」
「抜け駆けは許さんぞベル!私が先だ!」
「ダメです!お嫁さんが先です!」
「後でもいいから、セレナも~!」
「私も~」
ベルが俺のことをベッドに押し倒したかと思えば、ほかの子たちもあられもない姿になってベッドに突っ込んできた。
群がってきたみんなは俺の着ていた海軍将校が着ている第一種軍装を、無残に引きちぎられ、俺は生まれたての赤子のような格好になってしまった。
そんな俺の体全体に女の子の柔らかい部分が当たり、我慢していたが抑えきれなくなった俺の大事なBig magnumがとんでもないことになってしまっていた。
(やばい!これは……oh yeah! It’s Heaven!レッツパーリィ!ヒィアウィーゴ―!)
これ以降俺は何が起こったのか覚えていなかった――――
そして、次の日の昼過ぎに起きた時にはベッドには俺しかいなかった。
お酒を飲んだせいで、のどが酷く乾き頭もズキズキと痛む。
あの後何が起きたのか全く記憶になかったが、掛布団をめくってみるとそこには白いベッドがいろんな色で染まっていた――
(oh my goodness….WTF? って、よくわかんないけどこれって……)
そして部屋を見渡すと、何を争ったのか、壁には銃撃と斬撃によってずたずたにされており、昨夜は机に乗っていたものが床に落ち、めちゃくちゃになっていた。
「ほんとに、なにが、あったのよ……お~い!誰か!」
この現状に困り果てた俺は、一人ではどうしようもないのでとりあえず誰かを呼んだ。
「……」
「え?誰もいないの?なら電話するか……」
ガガガガン!ドゴンッ!
誰も呼びかけに応じなかったので、仕方がなくベッドサイドに備え付けられていた電話に手を伸ばそうとした瞬間、入り口がものすごい勢いで吹っ飛んだ。
「ワタ様!ベルが迎えに参りました!」
ベルの手には、以前召喚したM240があり、どうやらそれでドアを破壊してきたようだ。
昨日の戦闘でドア自体が歪んでしまったのか、鍵もかけていないのにあかなくなっていたようだ、しかも部屋の入り口は鋼鉄製のドアなのでちょっとやそっとではあかない。そこでベルは、ドアの蝶番の部分をM240で撃って破壊して開けてきたというわけだ。
「おいおい、ずいぶんと手荒く開けたな、ベルさん?」
「し、失礼しました!昨日のことを思い出したらいてもたってもいられなくなってしまって……ウフフッ」
「お、おう、すまん、昨日のことは記憶になくて」
「それでしたら、あれはノーカンですかね?ではもう一度シますか?」
「ベルさん、とりあえず落ち着こうか?ね?それより、今日は綺麗なドレスなんか来ちゃってどうしたんだ?」
ベルは黒く露出度の高いロングスカートのドレスをきていて、その姿はとても煽情的で大人の魅力を感じられたので、ついつい見入ってしまった。
「あら?この姿が気に入ったんですか?ワタ様が喜ぶと思って着て来たんです!このまま私を召し上がってもいいんですよ?」
「いや、やめとく、とりあえず服をくれないか?」
「は~~、わかりました、すぐにご用意してまいります」
俺の淡泊な返事の仕方に気が障ったのか、うれしそうな顔が一転無表情に変わりそのまま部屋を出て行ってしまった。
そのあとすぐに、戻ってきたベルは来た時と同じ笑顔だったので一安心した。
俺が着替えている最中、ベルはずっとニヤニヤしながら見ていたが、一々反応するのもつかれるので、そのまま放っておいた。
着替え終わると、ベルに飛行甲板に来てほしいといわれたので、さっそくついていくことにした。
どうやら飛行甲板上でキティホーク乗組員全員参加の戦勝パーティーが開かれていた。
俺が以前この戦いが終わったらバーベキュー大会をしたいといったのを誰かが覚えててくれたのか、それを本当にそのまま実行してくれていた。
ただ、俺が来た時にはもうすでにみんなは大体食べ終わり、思い思いに楽しみ始めていた。
「みんなが楽しそうにしててよかったよ、これからもよろしく」
そう、俺がボソッと言うと、ベルは俺の腕をとり寄り添うようにしてきた。
「大丈夫です、そんなに心配しなくても、皆、心からワタ様に従ってついてきてくれますから」
そんな二人は、しばらく楽しそうにしている兵たちを眺めていた。
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