15 / 358
1章 リザードマンと女神の籠手
014 作戦開始
しおりを挟む
歌の様な声が響く、イオタさんの詠唱が始まった。
「数多の水の精霊よ、風を纏いて地に降りろ【アイスフィールド】!」
詠唱が終わるとイオタさんの足元から氷の道がリザードマンへと延びる、氷の道はリザードマン達を囲み一瞬で氷像へと変える。
「3…2…1…今だ!【ツインアロー】!!」
ガンマさんはイオタさんの詠唱に合わせ洞穴の入り口に立っていた2匹のリザードマンの頭を同時に射抜く、完璧なタイミングだ。
俺はアルフさんと洞穴の入り口目掛けて走った、入り口に着き洞穴からの増援に備えるが気配がない、念のために明鏡止水も使ったが周囲に敵の気配は感じられなかった。
「私の出番がありませんでした、2人とも凄い連携です」
「ありがとうねサクヤちゃん、私達もなんだかんだで長い付き合いだからお互いの動きが手に取るようにわかるの」
「その割には誰かさんは誰かさんの気持ちに気付いてない様だけどな、って痛い!やめてくれ!悪かった!」
イオタさんが鬼の形相でガンマさんの耳を引っ張る。
アルフさんは意味がわからない様で首をかしげていた、この鈍感さんめ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
俺達は洞穴を進んで行く、魔核を崩壊させるにはなるべく洞穴の奥が好ましいが脱出にかかる時間も計算に入れなければいけない、適当な場所を探す必要があった。
「アルフさん!横穴から来ます!」
「わかった!【ファングスラッシュ】!」
先頭を歩くアルフさんが横穴から飛び出したリザードマンを縦一文字に切りつける、奇襲が成功すると思っていたであろうリザードマンは悲鳴をあげる間もなく絶命した。
「あーびっくりした、これで何匹目ですかね?」
松明代わりの火球を宙に漂わせながらサクヤがボヤく。
「今ので8匹目よ、この辺りでいいんじゃない?これ以上進むと魔核の崩壊までに脱出できないわ」
「帰りの目印を書いていたチョークもそろそろ無くなっちまう、これ以上は危険だ、起動から30分で崩壊するんだろ?」
殿を歩いていたガンマさんがチョークの入っていた袋を裏返し在庫がなくなりそうな事を知らせた。洞穴内には無数の分かれ道があり目印がなければ間違い無く迷ってしまうだろう。
「そうだね、帰りは強行突破になる、トラブルが起きた場合の保険を考えるとこの辺りが適当だろう」
明鏡止水でなるべく敵の少ない穴を選び慎重に進んだ、途中大勢の気配を感じる穴があったがあの数の敵に足止めされると中々に厳しい。
「そこの窪みなんてどうです?この周辺に気配は感じません」
「わかった、術式を解除する前に少しだけ休もう、ここからが本番だ」
俺達は持って来ていた携行食を食べ短く休憩をとる。
アルフさんが言った通りこの作戦はここからが本番なのだ、魔核と呼ばる魔力の結晶を崩壊させる、魔核の質にもよるが崩壊の威力は凄まじく今回使う魔核は小さな村くらいなら消しとばす威力があるとイオタさんが教えてくれる。
魔核には起動から30分後に崩壊が始まる術式が組み込まれている、1度起動すれば途中で止める事は出来ない作りになっているとの事だった。
「命がけの一発勝負になりますね、とにかく急いで脱出しないと」
「これが最後の晩餐かもしれませんね~、と言うわけ非常食は全部たべちゃいましょう!」
クッキーはよ、とサクヤがイオタさんにたかっている、マイペースなヤツめ。
「もう!走れなくなるからダメよ!脱出したら皆で食べましょう?どうしたのサクヤちゃん?」
急にサクヤが何やら周囲をキョロキョロし始めた。
「今また誰かの声がしませんでした?」
俺は敵襲を警戒して即座に明鏡止水を使う、しかし周辺に俺達以外の気配はない。
「近くに反応は無かったぞ、空耳じゃないのか?」
「確かに聞こえたと思ったんだけどな~」
サクヤは休憩が終わるまで周囲をキョロキョロ見回していた。
「数多の水の精霊よ、風を纏いて地に降りろ【アイスフィールド】!」
詠唱が終わるとイオタさんの足元から氷の道がリザードマンへと延びる、氷の道はリザードマン達を囲み一瞬で氷像へと変える。
「3…2…1…今だ!【ツインアロー】!!」
ガンマさんはイオタさんの詠唱に合わせ洞穴の入り口に立っていた2匹のリザードマンの頭を同時に射抜く、完璧なタイミングだ。
俺はアルフさんと洞穴の入り口目掛けて走った、入り口に着き洞穴からの増援に備えるが気配がない、念のために明鏡止水も使ったが周囲に敵の気配は感じられなかった。
「私の出番がありませんでした、2人とも凄い連携です」
「ありがとうねサクヤちゃん、私達もなんだかんだで長い付き合いだからお互いの動きが手に取るようにわかるの」
「その割には誰かさんは誰かさんの気持ちに気付いてない様だけどな、って痛い!やめてくれ!悪かった!」
イオタさんが鬼の形相でガンマさんの耳を引っ張る。
アルフさんは意味がわからない様で首をかしげていた、この鈍感さんめ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
俺達は洞穴を進んで行く、魔核を崩壊させるにはなるべく洞穴の奥が好ましいが脱出にかかる時間も計算に入れなければいけない、適当な場所を探す必要があった。
「アルフさん!横穴から来ます!」
「わかった!【ファングスラッシュ】!」
先頭を歩くアルフさんが横穴から飛び出したリザードマンを縦一文字に切りつける、奇襲が成功すると思っていたであろうリザードマンは悲鳴をあげる間もなく絶命した。
「あーびっくりした、これで何匹目ですかね?」
松明代わりの火球を宙に漂わせながらサクヤがボヤく。
「今ので8匹目よ、この辺りでいいんじゃない?これ以上進むと魔核の崩壊までに脱出できないわ」
「帰りの目印を書いていたチョークもそろそろ無くなっちまう、これ以上は危険だ、起動から30分で崩壊するんだろ?」
殿を歩いていたガンマさんがチョークの入っていた袋を裏返し在庫がなくなりそうな事を知らせた。洞穴内には無数の分かれ道があり目印がなければ間違い無く迷ってしまうだろう。
「そうだね、帰りは強行突破になる、トラブルが起きた場合の保険を考えるとこの辺りが適当だろう」
明鏡止水でなるべく敵の少ない穴を選び慎重に進んだ、途中大勢の気配を感じる穴があったがあの数の敵に足止めされると中々に厳しい。
「そこの窪みなんてどうです?この周辺に気配は感じません」
「わかった、術式を解除する前に少しだけ休もう、ここからが本番だ」
俺達は持って来ていた携行食を食べ短く休憩をとる。
アルフさんが言った通りこの作戦はここからが本番なのだ、魔核と呼ばる魔力の結晶を崩壊させる、魔核の質にもよるが崩壊の威力は凄まじく今回使う魔核は小さな村くらいなら消しとばす威力があるとイオタさんが教えてくれる。
魔核には起動から30分後に崩壊が始まる術式が組み込まれている、1度起動すれば途中で止める事は出来ない作りになっているとの事だった。
「命がけの一発勝負になりますね、とにかく急いで脱出しないと」
「これが最後の晩餐かもしれませんね~、と言うわけ非常食は全部たべちゃいましょう!」
クッキーはよ、とサクヤがイオタさんにたかっている、マイペースなヤツめ。
「もう!走れなくなるからダメよ!脱出したら皆で食べましょう?どうしたのサクヤちゃん?」
急にサクヤが何やら周囲をキョロキョロし始めた。
「今また誰かの声がしませんでした?」
俺は敵襲を警戒して即座に明鏡止水を使う、しかし周辺に俺達以外の気配はない。
「近くに反応は無かったぞ、空耳じゃないのか?」
「確かに聞こえたと思ったんだけどな~」
サクヤは休憩が終わるまで周囲をキョロキョロ見回していた。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
無能認定され王宮から追放された俺、実は竜の言葉が話せたのでSSS級最凶竜種に懐かれ、気がついたら【竜人王】になってました。
霞杏檎
ファンタジー
田舎の村から上京して王宮兵士となって1年半……
まだまだ新人だったレイクは自身がスキルもろくに発動できない『無能力者』だと周りから虐げられる日々を送っていた。
そんなある日、『スキルが発動しない無能はこの王宮から出て行け』と自身が働いていたイブニクル王国の王宮から解雇・追放されてしまった。
そして挙げ句の果てには、道中の森でゴブリンに襲われる程の不遇様。
だが、レイクの不運はまだ続く……なんと世界を破壊する力を持つ最強の竜種"破滅古竜"と出会ってしまったのである!!
しかし、絶体絶命の状況下で不意に出た言葉がレイクの運命を大きく変えた。
ーーそれは《竜族語》
レイクが竜族語を話せると知った破滅古竜はレイクと友達になりたいと諭され、友達の印としてレイクに自身の持つ魔力とスキルを与える代わりにレイクの心臓を奪ってしまう。
こうしてレイクは"ヴィルヘリア"と名乗り美少女の姿へと変えた破滅古竜の眷属となったが、与えられた膨大なスキルの量に力を使いこなせずにいた。
それを見たヴィルヘリアは格好がつかないと自身が師匠代わりとなり、旅をしながらレイクを鍛え上げること決める。
一方で、破滅古竜の悪知恵に引っかかったイブニクル王国では国存続の危機が迫り始めていた……
これは"無能"と虐げられた主人公レイクと最強竜種ヴィルヘリアの師弟コンビによる竜種を統べ、レイクが『竜人王』になるまでを描いた物語である。
※30話程で完結します。
【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】
~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる