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4章 港街騒乱
080 夕暮れの港
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モンスターの死骸を飛び移り港を目指す、中々に凄惨な光景だ、港に近づくにつれ水面が見えない程にモンスターの死骸が海に漂っていた。
「主様、お疲れ様、私の出番がなかった」
「だだいま、アイギスの力は防御特化だからな、力を使わずに済んだって事はピンチにならなかったって事だ、いい事だと思うぞ」
「怪我はない様ね、安心したわ、お帰りなさい」
港に帰り着いた俺をアイギスとテミスが迎えてくれた、周りの騎士団や冒険者達が俺達に注目している。
「無事だったか、完勝も完勝、怪我人は出たが死者は出ていない、この街を代表して礼を言いたい、本当にありがとう」
野次馬を掻き分けてクラブさんが俺達に歩み寄って来た。
「被害が少ない様で良かったです、ところでサクヤはどうしました?」
「サクヤ君なら大分消耗していた様なので先に救護所で休んでもらっている、ユイトは大丈夫なのか?」
「はい、少し疲れましたが怪我はありません、今夜は良く眠れそうです」
「何を言っている?宴の主役を皆が放っておく訳がないだろう、今夜は眠れないぞ、皆!勝鬨を上げよ!宴の準備だ!」
クラブさんの号令で野次馬が歓声を上げる、日も傾いてオレンジ色に染まった街に喜びの声が響き渡った。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「何だと?あの数のモンスターが全滅した?何かの間違いでは無いのか?」
ザラキマクの近海にある孤島で2人の男が向き合っていた、2人共頭には巻き角を生やし背中には翼を生やしている。
「間違いありません、一体残らず殲滅されました」
「今までの襲撃からあの街には大した戦力は無いと思っていたが…」
「恐らくですが…カイト様が以前仰っていた鬼の仕業であるかと思われます」
「あの失敗作を屠った鬼か…、確かにカイト様のお話では途轍も無い力を持った男だと云う話だったがモンスターの数は万を超えていたのだぞ!」
立場が上と思われる男が声を荒げる、力任せに拳を大岩に叩きつけると岩は粉々になり吹き飛んだ。
「邪魔者の海竜がやっと眠りに着いたと思ったら今度は鬼だと!?海竜を弱らせる為に一体どれだけの手駒を失ったと思っている!」
「かくなる上は…カイト様に応援を仰ぎますか?」
「それはならん、カイト様に我々の失態を知られると必然的にあのお方にも知られる事になる…それだけは避けなければならない」
「しかし手駒を幾ら揃えてもザラキマクに鬼がいる限り同じ事です、海竜の居ない千載一遇の好機は今しかありません」
2人の男の表情に焦りが浮かぶ、暫しの沈黙の後上役の男が何かを決心した様に口を開いた。
「ヤツに…偽核を埋め込む、こうなれば賭けに出るしか無い」
「主様、お疲れ様、私の出番がなかった」
「だだいま、アイギスの力は防御特化だからな、力を使わずに済んだって事はピンチにならなかったって事だ、いい事だと思うぞ」
「怪我はない様ね、安心したわ、お帰りなさい」
港に帰り着いた俺をアイギスとテミスが迎えてくれた、周りの騎士団や冒険者達が俺達に注目している。
「無事だったか、完勝も完勝、怪我人は出たが死者は出ていない、この街を代表して礼を言いたい、本当にありがとう」
野次馬を掻き分けてクラブさんが俺達に歩み寄って来た。
「被害が少ない様で良かったです、ところでサクヤはどうしました?」
「サクヤ君なら大分消耗していた様なので先に救護所で休んでもらっている、ユイトは大丈夫なのか?」
「はい、少し疲れましたが怪我はありません、今夜は良く眠れそうです」
「何を言っている?宴の主役を皆が放っておく訳がないだろう、今夜は眠れないぞ、皆!勝鬨を上げよ!宴の準備だ!」
クラブさんの号令で野次馬が歓声を上げる、日も傾いてオレンジ色に染まった街に喜びの声が響き渡った。
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「何だと?あの数のモンスターが全滅した?何かの間違いでは無いのか?」
ザラキマクの近海にある孤島で2人の男が向き合っていた、2人共頭には巻き角を生やし背中には翼を生やしている。
「間違いありません、一体残らず殲滅されました」
「今までの襲撃からあの街には大した戦力は無いと思っていたが…」
「恐らくですが…カイト様が以前仰っていた鬼の仕業であるかと思われます」
「あの失敗作を屠った鬼か…、確かにカイト様のお話では途轍も無い力を持った男だと云う話だったがモンスターの数は万を超えていたのだぞ!」
立場が上と思われる男が声を荒げる、力任せに拳を大岩に叩きつけると岩は粉々になり吹き飛んだ。
「邪魔者の海竜がやっと眠りに着いたと思ったら今度は鬼だと!?海竜を弱らせる為に一体どれだけの手駒を失ったと思っている!」
「かくなる上は…カイト様に応援を仰ぎますか?」
「それはならん、カイト様に我々の失態を知られると必然的にあのお方にも知られる事になる…それだけは避けなければならない」
「しかし手駒を幾ら揃えてもザラキマクに鬼がいる限り同じ事です、海竜の居ない千載一遇の好機は今しかありません」
2人の男の表情に焦りが浮かぶ、暫しの沈黙の後上役の男が何かを決心した様に口を開いた。
「ヤツに…偽核を埋め込む、こうなれば賭けに出るしか無い」
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