139 / 358
5章 邪なる者達
134 謁見
しおりを挟む
「ラッカ=バルメス公爵夫人!旅人のユイト殿ご到着致しました!」
巨大な扉がゆっくりと開く、部屋の中で誰かが俺達の到着を知らせる為に声をあげた。
「しまった…アンタに礼儀作法を教えるのを忘れていたね、とりあえず私の真似をしとけば大丈夫さ」
部屋の中には多くの貴族や騎士が俺達を出迎える様に列を作っていた、皆ドレスや豪華な服に身を包んでいる。
「あの殿方が巷で噂の勇者様ですの?思ったよりお若い方ですわね」
「あぁ!バルメス夫人は今日もお美しい!バルメス公爵が世の男性のやっかみを受けるのも頷けますな」
「なんでもあの勇者殿はバルメス家の客人として招かれているそうだ、噂の勇者殿を招いたとなるとバルメス家は益々勢い付いていくだろう、羨ましい限りですな」
広間に敷かれているフカフカな赤絨毯の上を歩く、周りの貴族は皆俺達の噂をしている様だ。
「皆様!御静粛に!国王陛下のご入場で御座います!」
俺達が玉座の前に到着すると騎士の1人が声を張り上げた、先程までざわめいていた広間が嘘の様に静まり返る。
「ラオン=グランズ19世陛下ご入場!」
先程の騎士が再び声を上げると広間に銅鑼の音が響き渡った、その音を合図にラッカさんを含め広間に居る全ての貴族が玉座へ向かい跪いたので慌てて皆の真似をする。
「皆の者、今日は良く集まってくれた、楽にするが良い」
国王様の声が広間に響く、拡声器の様な魔道具でも使っているのだろうか、皆が立ち上がったのを確認し俺も立ち上がる。
「バルメス公爵夫人、其方の顔を見るのも久しいな、こうして元気な顔を見る事が出来嬉しく思うぞ」
「我が身をお気遣い頂いて恐縮の極みで御座います、陛下におきましても御息災でお過ごしの様でなによりで御座います」
「うむ、して本日は街で噂になっている勇者殿を連れて来たとの話だったが…隣に居る男が?」
国王様が俺に目配せする、話しても良いと云う合図みたいだ、それにしてもこの前酒場の地下室で会った時とは身に纏う雰囲気が違う、別人みたいだ。
「はい、俺…いや私は旅人のユイトと申します、この様な場に慣れていないんで失礼が有れば申し訳ありません」
「気にせずとも良い、私も其方とは一度話をしてみたかったのだ、其方の勇名は我が耳にも入っておる」
丁寧な言葉遣いや立ち居振る舞いなんて全く分からない、国王様や周りの貴族の反応を見るにそんなに失礼な事をしている訳では無い様で一安心した。
「まずは其方に礼を言おう、アイロンスティールにザラキマク、それに未確認だがイール村やエルフの集落でも其方は我が臣民の命を救ってくれたそうだな、この通りだ」
国王様が立ち上がって俺に頭を下げた、その瞬間広間にどよめきが走った。
巨大な扉がゆっくりと開く、部屋の中で誰かが俺達の到着を知らせる為に声をあげた。
「しまった…アンタに礼儀作法を教えるのを忘れていたね、とりあえず私の真似をしとけば大丈夫さ」
部屋の中には多くの貴族や騎士が俺達を出迎える様に列を作っていた、皆ドレスや豪華な服に身を包んでいる。
「あの殿方が巷で噂の勇者様ですの?思ったよりお若い方ですわね」
「あぁ!バルメス夫人は今日もお美しい!バルメス公爵が世の男性のやっかみを受けるのも頷けますな」
「なんでもあの勇者殿はバルメス家の客人として招かれているそうだ、噂の勇者殿を招いたとなるとバルメス家は益々勢い付いていくだろう、羨ましい限りですな」
広間に敷かれているフカフカな赤絨毯の上を歩く、周りの貴族は皆俺達の噂をしている様だ。
「皆様!御静粛に!国王陛下のご入場で御座います!」
俺達が玉座の前に到着すると騎士の1人が声を張り上げた、先程までざわめいていた広間が嘘の様に静まり返る。
「ラオン=グランズ19世陛下ご入場!」
先程の騎士が再び声を上げると広間に銅鑼の音が響き渡った、その音を合図にラッカさんを含め広間に居る全ての貴族が玉座へ向かい跪いたので慌てて皆の真似をする。
「皆の者、今日は良く集まってくれた、楽にするが良い」
国王様の声が広間に響く、拡声器の様な魔道具でも使っているのだろうか、皆が立ち上がったのを確認し俺も立ち上がる。
「バルメス公爵夫人、其方の顔を見るのも久しいな、こうして元気な顔を見る事が出来嬉しく思うぞ」
「我が身をお気遣い頂いて恐縮の極みで御座います、陛下におきましても御息災でお過ごしの様でなによりで御座います」
「うむ、して本日は街で噂になっている勇者殿を連れて来たとの話だったが…隣に居る男が?」
国王様が俺に目配せする、話しても良いと云う合図みたいだ、それにしてもこの前酒場の地下室で会った時とは身に纏う雰囲気が違う、別人みたいだ。
「はい、俺…いや私は旅人のユイトと申します、この様な場に慣れていないんで失礼が有れば申し訳ありません」
「気にせずとも良い、私も其方とは一度話をしてみたかったのだ、其方の勇名は我が耳にも入っておる」
丁寧な言葉遣いや立ち居振る舞いなんて全く分からない、国王様や周りの貴族の反応を見るにそんなに失礼な事をしている訳では無い様で一安心した。
「まずは其方に礼を言おう、アイロンスティールにザラキマク、それに未確認だがイール村やエルフの集落でも其方は我が臣民の命を救ってくれたそうだな、この通りだ」
国王様が立ち上がって俺に頭を下げた、その瞬間広間にどよめきが走った。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
無能認定され王宮から追放された俺、実は竜の言葉が話せたのでSSS級最凶竜種に懐かれ、気がついたら【竜人王】になってました。
霞杏檎
ファンタジー
田舎の村から上京して王宮兵士となって1年半……
まだまだ新人だったレイクは自身がスキルもろくに発動できない『無能力者』だと周りから虐げられる日々を送っていた。
そんなある日、『スキルが発動しない無能はこの王宮から出て行け』と自身が働いていたイブニクル王国の王宮から解雇・追放されてしまった。
そして挙げ句の果てには、道中の森でゴブリンに襲われる程の不遇様。
だが、レイクの不運はまだ続く……なんと世界を破壊する力を持つ最強の竜種"破滅古竜"と出会ってしまったのである!!
しかし、絶体絶命の状況下で不意に出た言葉がレイクの運命を大きく変えた。
ーーそれは《竜族語》
レイクが竜族語を話せると知った破滅古竜はレイクと友達になりたいと諭され、友達の印としてレイクに自身の持つ魔力とスキルを与える代わりにレイクの心臓を奪ってしまう。
こうしてレイクは"ヴィルヘリア"と名乗り美少女の姿へと変えた破滅古竜の眷属となったが、与えられた膨大なスキルの量に力を使いこなせずにいた。
それを見たヴィルヘリアは格好がつかないと自身が師匠代わりとなり、旅をしながらレイクを鍛え上げること決める。
一方で、破滅古竜の悪知恵に引っかかったイブニクル王国では国存続の危機が迫り始めていた……
これは"無能"と虐げられた主人公レイクと最強竜種ヴィルヘリアの師弟コンビによる竜種を統べ、レイクが『竜人王』になるまでを描いた物語である。
※30話程で完結します。
【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】
~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる