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6章 集う力

255 八合目

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「チョロチョロと鬱陶しい連中め!これならどうだ!はぁぁぁっ!旋風っ!」

「クソっ!1匹逃しちまった!オウル!始末を頼む!」

「わかった!2人はそのまま前線で暴れ回ってくれ!多少漏らしても気にするな!」

現在俺達のパーティは空を飛ぶ中型のドラゴンの群れに襲撃を受けている。ルナが仲間になり数日後。ひたすらドラゴンロックの頂上を目指していた俺達は山の八合目付近へと辿り着いていた。

「ふぅ…残りは逃げて行きやがったか…逃げるくらいなら最初から襲ってくるなっつーの」

「なんだったんですかねあのドラゴンは。群れで行動していた様子でしたが」

「恐らくワイバーンの亜種だろう。流石世界有数の危険地帯だ。山の麓とはモンスターの質も数も比べ物にならない」

半数程始末したところで残りのモンスターは撤退してくれた。どうやら相手の実力を見極めるだけの知能はある様だ。

「皆さんお疲れ様でした。私達の出番はありませんでしたね。あの数のドラゴンをたった3人で撃退するなんて流石です。冷たいお水を持って来ました、飲んで下さい」

「おう、ありがとうよサクヤちゃん。あんな連中俺達の敵じゃ無ぇから任せとけ…つってもこんだけ頻繁に襲ってこられちゃなぁ…」

「今日だけでもう4回目の襲撃だからね…レッドドラゴン2体にサイレントナーガ。そして今のワイバーンの群れか…」

サクヤが持って来てくれた水を飲みながら一息つく。山を登るにつれてモンスターの襲撃の頻度も高くなっている。ここ2、3日で何回襲撃を受けたか数えきれない。

「山頂まで急ぎてぇとこだがこうも敵が多くっちゃな。寝不足でイマイチ調子が悪いんだよなぁ」

「思い切ってここらで1日休養をとろうか?山頂では何が起こるかわからないからね。消耗した状態では危険だ」

2人の言う通り今の俺達はとても万全とは言えない状態だ。昼夜関係なく襲ってくるモンスターのせいで日に日に消耗している事は身に染みて理解している。

「ふむ。つまりモンスターに襲撃されなければ良いのだな?それなら余の力でどうにかできるかも知れん」

「ちょっと待てルナ。お前自分は戦う力が無いってこの前言ってなかったか?」

「ユイトよ、言葉の意味を取り違えるでは無い。余にはは戦う力が無いとは言って無いぞ、余が出る幕では無い。と言ったのだ」

この中二病め、さては力を隠していたな?大方皆がピンチの時に初めて力を使って目立とうと考えていたとかだろう。

「ほう…それで偉大なる闇の女王様は一体どの様な力を隠してらっしゃったんですかねぇ…」

「ククク…余の力を聴きたいか…!?やめろユイト!何を素振りして…辞めて!お尻ペンペンは勘弁して!」
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