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6章 集う力
268 漆黒の巨人
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「グォォォォン!!」
「予備動作が大きすぎますわ!そんな攻撃当たる筈ありません!ライトニングスラッシュ!」
レッドドラゴンが私を叩き潰そうと尾を鞭の様に振り回すのに合わせ魔力を纏わせた細剣の一撃をお見舞いします。
「これでも通用しないなんて…鉄の鎧でさえ切り裂く事が出来る攻撃ですのに」
先程から何度も攻撃を当てているのにレッドドラゴンには全くダメージを与えられていません。こうなればアンの魔法だけが頼りですが…
「あの禍々しい気配を放つ扉は一体何なのでしょうか?…あら?先程あの扉は完全に閉まっていた筈でしたけど?」
チラリとアンの方に目をやると魔法により出現した扉に変化がある事に気付きました。扉が開き先程よりも禍々しい気配が強くなっています。
「!?しまっ…きゃあああっ!!」
一瞬アンの方に意識を向けたのが命取りになりました。ドラゴンが振った前脚で弾き飛ばされてしまいました。
「かはっ…油断大敵とはこの事ですわね…」
運が良かった様で致命傷には至りませんでしたが身体のあちこちに激痛が走ります。更に悪い事に左の脚を挫いてしまった様です。
「レイ!大丈夫なの!?返事をしなさいよ!」
「私は大丈夫ですわ!それより大声を出さないで下さい!敵の注意を引きつけてしまいますわ!」
アンのいる位置からは私の状況が見えていないのか悲鳴にも似た呼びかけが聞こえてきました。心配してくれるのは嬉しいのですがこれではドラゴンの注意がアンに向いてしまいます。
「もうアンタはアイツを引きつけなくても大丈夫よ!ここからは私に任せて頂戴!」
その時私の全身に悪寒が走りました。生成与奪の権利を他者に握られた事を本能が理解したのです。
「アレは…一体…?」
アンのいる方から感じる禍々しい気配を目で追うとそこには漆黒の巨人がいました。身の丈は3メートル以上はありそうです。
「さぁ来なさいトカゲ野郎!よくもレイをやってくれたわね!ここからはコイツが相手よ!」
「グルゥ…グラァァァァ!!」
レッドドラゴンはあの漆黒の巨人を敵と認識した様で私に追撃を仕掛けてくる気配がありません。きっとこの場にいる一番の脅威があの巨人だと本能で理解したのでしょう。
「オォォォォォ…ン」
「聴いているだけで力を奪われてしまいそうな声ですわ…あの巨人は本当に味方なのでしょうか?」
確かにあの巨人からは強い力を感じます。しかしそれ以上に禍々しい気配を感じるのです。
「とにかく今はあの巨人に全てを託すしかありませんわね…」
私の不安をよそに竜と巨人。人の力を超えた存在同士の戦いが幕を開けました。
「予備動作が大きすぎますわ!そんな攻撃当たる筈ありません!ライトニングスラッシュ!」
レッドドラゴンが私を叩き潰そうと尾を鞭の様に振り回すのに合わせ魔力を纏わせた細剣の一撃をお見舞いします。
「これでも通用しないなんて…鉄の鎧でさえ切り裂く事が出来る攻撃ですのに」
先程から何度も攻撃を当てているのにレッドドラゴンには全くダメージを与えられていません。こうなればアンの魔法だけが頼りですが…
「あの禍々しい気配を放つ扉は一体何なのでしょうか?…あら?先程あの扉は完全に閉まっていた筈でしたけど?」
チラリとアンの方に目をやると魔法により出現した扉に変化がある事に気付きました。扉が開き先程よりも禍々しい気配が強くなっています。
「!?しまっ…きゃあああっ!!」
一瞬アンの方に意識を向けたのが命取りになりました。ドラゴンが振った前脚で弾き飛ばされてしまいました。
「かはっ…油断大敵とはこの事ですわね…」
運が良かった様で致命傷には至りませんでしたが身体のあちこちに激痛が走ります。更に悪い事に左の脚を挫いてしまった様です。
「レイ!大丈夫なの!?返事をしなさいよ!」
「私は大丈夫ですわ!それより大声を出さないで下さい!敵の注意を引きつけてしまいますわ!」
アンのいる位置からは私の状況が見えていないのか悲鳴にも似た呼びかけが聞こえてきました。心配してくれるのは嬉しいのですがこれではドラゴンの注意がアンに向いてしまいます。
「もうアンタはアイツを引きつけなくても大丈夫よ!ここからは私に任せて頂戴!」
その時私の全身に悪寒が走りました。生成与奪の権利を他者に握られた事を本能が理解したのです。
「アレは…一体…?」
アンのいる方から感じる禍々しい気配を目で追うとそこには漆黒の巨人がいました。身の丈は3メートル以上はありそうです。
「さぁ来なさいトカゲ野郎!よくもレイをやってくれたわね!ここからはコイツが相手よ!」
「グルゥ…グラァァァァ!!」
レッドドラゴンはあの漆黒の巨人を敵と認識した様で私に追撃を仕掛けてくる気配がありません。きっとこの場にいる一番の脅威があの巨人だと本能で理解したのでしょう。
「オォォォォォ…ン」
「聴いているだけで力を奪われてしまいそうな声ですわ…あの巨人は本当に味方なのでしょうか?」
確かにあの巨人からは強い力を感じます。しかしそれ以上に禍々しい気配を感じるのです。
「とにかく今はあの巨人に全てを託すしかありませんわね…」
私の不安をよそに竜と巨人。人の力を超えた存在同士の戦いが幕を開けました。
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