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6章 集う力
幕間 王女である前に
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「もうあんなに遠くへ行ってしまったのですね…どうかご無事で」
「あれあれ~?どうしちゃったのよレイ?アンタにしちゃ珍しく儚げな顔じゃない?」
空の彼方へと遠ざかっていくユイトの姿を見て思わず声が漏れてしまいました。その声を聞き逃さなかったアンが意地悪な笑みを浮かべ私の顔を覗き込んできました。
「な、なんでもないですわ!ただユイト達が無事にアレプデスに到着出来るか心配しているだけです!」
「本当にそれだけ?私にはそう見えなかったけど?アンタ本当はユイトに惚れてるんでしょ?」
「ほ!惚れているなんてそんな筈ありません!あり得ませんわ…」
アンの言葉が頭の中で木霊します。私がユイトに惹かれている?そんな事はあり得ません、あり得ない筈なのです。
「あっきれた、自覚して無かったのね?まぁ私もアンタの事笑えた義理じゃないんだけどさ」
「!?アン、それって一体どう言う意味ですか?」
「多分だけど私もアイツの事好きになっちゃったみたい。まぁ私の場合愛だ恋だの前に人間との付き合いが無さ過ぎていまいち自信無いんだけどさ」
確かにアン達三姉妹は人間との接触自体があまりありません。このドラゴンロックで出会った私達が初めてまともに話をした人間なんじゃないでしょうか。
「なんだかこう…アイツ顔を見てると心臓がバクバクするの。病気かと思ってこの前オウルに薬をもらおうとした時に言われたの、それは恋だってね」
「アンがユイトの事を…そんな素振り全く見せなかったのに驚きましたわ」
「内心アイツにバレちゃいないかドキドキしてたわよ。それでアンタはどうなの?はっきり教えなさいよ」
「分かりません…私も殿方にこの様な感情を抱くのは初めてですもの。でも多分…好き、なんだと思います」
王立学院にいた頃に何度か男子生徒に告白をされた事があります。でもその時はこんな気持ちになった事はありませんでした。私にとって恋愛はお芝居や物語の中だけの事で自分には縁がないと思っていたのです。
「ふーん、まぁいいわ。それで教えて欲しいんだけど人間って恋人同士になったらどんな事するの?キスしたり…その裸になって同じベッドで寝たりするんでしょ?」
「ははは!裸!?何を言ってるのです!?はしたないですわよ!」
「え?違うの?この前酔っ払ったシグマに聞いてみたらそう言ってたわよ?恋人はいずれ夫婦になって子供を作る為に一緒に裸で寝るんだって言ってたわよ?」
「間違いではありません…間違いではないのですが…もう!あの人ったら何をやってますの!?」
「そん時にシグマが笑いながら言ってたの。レイもユイトが好きみたいだから私とアンタ、どっちが先にユイトに抱かれるか見ものだなって」
そう言えば数日前にもうドラゴンの襲撃を気にしなくて良くなったとシグマ師匠がご機嫌にお酒を飲んでいました。何やらアンと話し込んでいたけどあの時にこんな事を吹き込んでいただなんて…何やら不穏な空気を感じ取ったのかそそくさと荷造りをしていたシグマ師匠を睨みつけると目を逸らされました。
「シ・グ・マ師匠!年頃の女性になんてハレンチな事を吹き込んだのですか!?お話がありますからその場を動かないで下さい!」
「す…すまねぇ、あの時は久々に酒が飲めてなんつーかテンションがおかしくなっちまってたんだ!急いでユイトを追わきゃなんねぇから話はまたの機会にな!ほら、行こうぜ!」
あっ!とんでもない勢いでシグマ師匠が逃げ出しました。仕方ありませんわね…
「なんて納得する訳ありませんわ!待ちなさい!シグマ師匠!」
顔を真っ赤にしてシグマ師匠を追いかける私の姿を見て他の仲間達は苦笑いを浮かべながら私達の後を追い駆け出しました。
「あれあれ~?どうしちゃったのよレイ?アンタにしちゃ珍しく儚げな顔じゃない?」
空の彼方へと遠ざかっていくユイトの姿を見て思わず声が漏れてしまいました。その声を聞き逃さなかったアンが意地悪な笑みを浮かべ私の顔を覗き込んできました。
「な、なんでもないですわ!ただユイト達が無事にアレプデスに到着出来るか心配しているだけです!」
「本当にそれだけ?私にはそう見えなかったけど?アンタ本当はユイトに惚れてるんでしょ?」
「ほ!惚れているなんてそんな筈ありません!あり得ませんわ…」
アンの言葉が頭の中で木霊します。私がユイトに惹かれている?そんな事はあり得ません、あり得ない筈なのです。
「あっきれた、自覚して無かったのね?まぁ私もアンタの事笑えた義理じゃないんだけどさ」
「!?アン、それって一体どう言う意味ですか?」
「多分だけど私もアイツの事好きになっちゃったみたい。まぁ私の場合愛だ恋だの前に人間との付き合いが無さ過ぎていまいち自信無いんだけどさ」
確かにアン達三姉妹は人間との接触自体があまりありません。このドラゴンロックで出会った私達が初めてまともに話をした人間なんじゃないでしょうか。
「なんだかこう…アイツ顔を見てると心臓がバクバクするの。病気かと思ってこの前オウルに薬をもらおうとした時に言われたの、それは恋だってね」
「アンがユイトの事を…そんな素振り全く見せなかったのに驚きましたわ」
「内心アイツにバレちゃいないかドキドキしてたわよ。それでアンタはどうなの?はっきり教えなさいよ」
「分かりません…私も殿方にこの様な感情を抱くのは初めてですもの。でも多分…好き、なんだと思います」
王立学院にいた頃に何度か男子生徒に告白をされた事があります。でもその時はこんな気持ちになった事はありませんでした。私にとって恋愛はお芝居や物語の中だけの事で自分には縁がないと思っていたのです。
「ふーん、まぁいいわ。それで教えて欲しいんだけど人間って恋人同士になったらどんな事するの?キスしたり…その裸になって同じベッドで寝たりするんでしょ?」
「ははは!裸!?何を言ってるのです!?はしたないですわよ!」
「え?違うの?この前酔っ払ったシグマに聞いてみたらそう言ってたわよ?恋人はいずれ夫婦になって子供を作る為に一緒に裸で寝るんだって言ってたわよ?」
「間違いではありません…間違いではないのですが…もう!あの人ったら何をやってますの!?」
「そん時にシグマが笑いながら言ってたの。レイもユイトが好きみたいだから私とアンタ、どっちが先にユイトに抱かれるか見ものだなって」
そう言えば数日前にもうドラゴンの襲撃を気にしなくて良くなったとシグマ師匠がご機嫌にお酒を飲んでいました。何やらアンと話し込んでいたけどあの時にこんな事を吹き込んでいただなんて…何やら不穏な空気を感じ取ったのかそそくさと荷造りをしていたシグマ師匠を睨みつけると目を逸らされました。
「シ・グ・マ師匠!年頃の女性になんてハレンチな事を吹き込んだのですか!?お話がありますからその場を動かないで下さい!」
「す…すまねぇ、あの時は久々に酒が飲めてなんつーかテンションがおかしくなっちまってたんだ!急いでユイトを追わきゃなんねぇから話はまたの機会にな!ほら、行こうぜ!」
あっ!とんでもない勢いでシグマ師匠が逃げ出しました。仕方ありませんわね…
「なんて納得する訳ありませんわ!待ちなさい!シグマ師匠!」
顔を真っ赤にしてシグマ師匠を追いかける私の姿を見て他の仲間達は苦笑いを浮かべながら私達の後を追い駆け出しました。
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